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◆◇◆ 思い出の歌 ◆◇◆ | ||
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(鮎) | ( | 今日も、琴梨と学校帰りに大通公園を散歩。 最近の私達のお気に入りなんだ。
琴梨は、高校に入って最初に出来た友達。
琴梨は、ちょっとポ〜っとしてるところがあるけど、料理がとっても上手なんだ。
普通、私くらいの女の子って、お菓子づくりとか、ちょっとしたお弁当なんかは
レパートリーも、お菓子や喫茶の簡単なモノから、本格的な和食、イタ飯、フレンチ、
あのね、私の家、実は「澤登」っていうお寿司屋なんだ。
琴梨とは、仲良しついでに部活も一緒。 |
声 | 「 | ・・ちゃん、鮎ちゃん、ねぇ、聞いてる? 」 |
鮎 | 「 | えっ、あ、琴梨、何? 」 |
琴 | 「 | 鮎ちゃん、また鼻歌なんか歌って、聞いてないんだからぁ。 今度できたお菓子屋さんのことだよ。 美味しいって評判だから、土曜日の放課後、食べに行かない?って 話してたのに。 」 |
鮎 | 「 | ごめんごめん、ちょっと考え事しててさ。 そ、あそこのケーキ美味しいってね? もちろん、行くよ! 楽しみだなぁ。 ふん〜、ふぅ〜ん、ん〜♪ 」 |
琴 | 「 | じゃ、土曜日で決まりね! ところで、鮎ちゃん。 いつもその歌、口ずさんでいるよね? なにかとっても優しい感じがして私好きなんだけど、なんて曲なの? 」 |
鮎 | 「 | あ、コレ? 私の思いでの曲(^^) 」 |
琴 | 「 | へー、思いでの曲なんだぁ。 良い曲だよね、誰の歌? 私、今度CD探してみようかな? 」 |
鮎 | 「 | ありがとう、琴梨。 良い曲って言ってくれて。 でも、この曲CDとかは出てないんだ。 これはお兄ちゃんの曲なの。 」 |
琴 | 「 | 鮎ちゃん、お兄さんっていたっけ? 」 |
鮎 | 「 | あ、お兄ちゃんって言っても、小さい頃、近所に住んでいた2つ年上の人。 いつも遊んでくれて、励ましてくれて、とっても優しかったんだ。 ・・・琴梨だから白状するけど、実は私の初恋の相手。 片思いだったけどね(^^; 」 |
琴 | 「 | ふーん、そうなんだぁ。 鮎ちゃん、好きな人いたんだ。 」 |
鮎 | 「 | でも、小さい時の話だよ。 そういう琴梨はどうなの? 好きな人とかいないの? 」 |
琴 | 「 | うーん...いないなぁ。 私ってそういうの考えたことないかも? 」 |
鮎 | 「 | そうだよねぇ。 琴梨は、お子さまだし、それに食いしん坊だから、 いつも食べ物のことで頭いっぱいだもんね(笑) 」 |
琴 | 「 | ひっどーい! そんなんじゃないもん。 」 |
鮎 | 「 | ゴメンゴメン(苦笑)
それでね、そのお兄ちゃんなんだけど... |
琴 | 「 | 「鮎ちゃん、歌好きだもんね? 私、鮎ちゃんの声、良く通って好きだよ。 」 |
鮎 | 「 | ありがとう、琴梨。 今まで『歌手になりたい!』って話すと、みんなにバカにされるから いつからか誰にも言わなくなっちゃった。 でも、琴梨には話して良かったなって思ってる。 」 |
琴 | 「 | みんな、鮎ちゃんと一度カラオケ行ってみれば良いんだよ。 絶対、上手だし、私もああ歌えたらなぁって、うらやましいもん。 」 |
鮎 | 「 | でも琴梨はその分、料理が上手じゃん? 私、それすっごく羨ましい。 だから小料理屋の夢だって、きっとかなうと思うよ。 私とか、常連さんになったりしてね?(笑)
で、さっきの歌は、その大好きなお兄ちゃんが良く、口ずさんでいた歌なんだ。 |
琴 | 「 | うん、きっとそうだよ。 それで優しい感じがするんだよ。 」 |
鮎 | 「 | ありがとう。 でね、私この曲に歌詞を付けようかと頑張ってるんだ。 川原が作詞なんて笑っちゃうかもだけど、 私が元気づけられたこの曲が、落ち込んでいる他の人を勇気づけて、 優しい気持ちになれば良いなって。 そして、その曲がまた他の誰かに勇気を与えて...って(笑) あのね、琴梨、実はもう、少し考えているんだ。 まだ途中だけど、聞いてくれる? 」 |
琴 | 「 | うん、もちろん そうなんだぁ、夢かなうと良いね? 」 |
鮎 | 「 | うん! えっとね、じゃ 風が揺れているよ... : : : 」 |
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