第8回日本水環境学会シンポジウム
「風景から水環境保全を考える(PartU) 
                 −何をみるべきか」


主催   :日本水環境学会・身近な生活環境研究委員会
会名   :第7回 日本水環境学会シンポジウム
期日   :2005年9月13日(火)am9:00〜12:30
会場   :龍谷大学理工学部
        (滋賀県大津市瀬田大江町横谷1-5)



9:00〜 9:05 あいさつ
風間真理(東京都環境局) 


(座長:風間真理(東京都環境局))
9:05〜 9:15 風景から水環境保全を考える(主旨説明)
土山ふみ(名古屋市環境科学研)
9:15〜 9:45 虫が見た水辺の風景と人のくらし
日比伸子 (橿原市昆虫館)
9:45〜10:05 藻類と川の風景
福嶋 悟(横浜市環境科学研)


(座長:土山ふみ(名古屋市環境科学研))

10:10〜10:40 淀川「鵜殿ヨシ原」でのヨシ原再生に向けての取り組み
小山弘道(鵜殿ヨシ原研究所)
10:40〜11:10 能代川での取り組み−能代川プロジェクト
渡辺 昇(新潟県新津土木事務所)
11:10〜11:30 大阪市内河川の風景−都市にふさわしい水の風景とは
新矢将尚(大阪市立環境科学研)



(座長:風間ふたば(山梨大・工))
(コメンテイタ−:桜井善雄(応用生態学研究所))
11:30〜12:30 総合討論




 講演要旨

1.虫が見た水辺の風景と人のくらし  日比伸子 (橿原市昆虫館)
  「里山」における水辺環境での生物相の調査研究は、最近めざましい発展を遂げている。各分野での調査、そして人為的影響の評価等についても研究が進んでいる。 本調査は、その端緒的な研究として、水生昆虫が、ため池一箇所だけで生活環を完結するのではなく、水田等水辺環境を使い分け、農耕の年間スケジュールに適応する形で、生息していることを初めて追及した。

 水生昆虫が人為水系と農耕サイクル、すなわち水田農耕という人為作用に深く関わり生活史を展開していることは、「水辺の風景」も、違った一面を持つ例ではないだろうか。


2.藻類と川の風景  福嶋悟(横浜市環境科学研究所)、
 皆川朋子(土木研究所自然共生研究センタ)
  川の景観として、川底がどのように見えるかは、大きな要素となる。藻類が多量に生育し、茶色や緑色に染まる川底は、景観的な川の質を低下させる。川の景観の良好さを指標する藻類量をモニターへのアンケート調査により明らかにし、藻類対策手法としてフラッシュ放流と大気暴露の効果を比較し、大気暴露による対策の効果が大きいことを明らかにした。


3.能代川での取り組み−能代川プロジェクト  渡辺 昇(新潟県新津土木事務所)
  新潟県の信濃川下流部に流れ込む能代川では、平成12年7月の豪雨災害を契機として災害復旧助成事業等が採択され、4年間という短期間に本・支川あわて31.8kmに渡り、河川改修が実施された。特に中流部の3.8km間は捷水路として、直線化した新しい川がつくられ、これまで「九十九曲がり川」と呼ばれた蛇行河川の様子は一変した。この事業により新しくなった能代川を、“ふるさとの川”として地域住民に受け入れてもらい、新たにできた170haもの高水敷きの管理と、能代川の河川環境の再生を図ることが課題となっている。本稿では、行政が住民とタイアップし、河川環境の再生に取り組んだ事例と河川管理における行政と住民の協働について考えてみたい。

   
4.淀川「鵜殿のヨシ原」でのヨシ原再生に向けての取り組み  小山弘道(鵜殿ヨシ原研究所)
 新河川法に支えられて、淀川右岸河川敷「鵜殿のヨシ原」では、(1)「ヨシに水を近づける方法(揚水)」と「ヨシを水に近づける方法(切り下げ)」を併用して、保全事業が進められている。7年を経て(1)では成果が見えてきた。



5.大阪市内河川の風景  新矢将尚(大阪市立環境科学研)
  河川は都市における残された自然的空間である。大阪市内河川においてその成り立ちと変遷について紹介し,現在の緑地化された河川および商工業地を流れる河川において,その風景にはどのような要素があるのか,検証を行った。



   

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