2018年くんち
今年の踊町は、紺屋町(本踊)、出島町(阿蘭陀船)、東古川町(川船)、小川町(唐子獅子踊)、本古川町(御座船)、大黒町(本踊、唐人船)、樺島町(太鼓山(コッコデショ))の7ケ町でした。
長崎くんちは、1634年から続く諏訪神社の伝統行事。奉納踊は、国の重要無形民族文化財に指定されている。
今年も長坂(無料席)は、はがきによる抽選でした。
10月7〜9日行われました。
いよいよ、7時。
招き入れで今年の奉納踊りが始まりました。
紺屋町(本踊)
傘鉾
楽を奉納する意味が込められているという。
飾物は、冠を乗せた冠台を置き、その横に楽人の鳥かぶとと笙を配す。それを包み込むように大小2株の紅葉を配し、いかにも秋らしい。
垂幕は、前日が白地糸錦地に古代模様、後日が五色糸錦に三社紋。
傘鉾持ちの衣装が他の踊町と違い、神職がまとうような白い麻を羽織る。
かつて町の中央を流れていた中島川の芋原橋の辺りで染物をさらしたり、干したりする光景が見られたという。そんな染物業が栄えた町の歴史にちなみ、染物業者の暮らしぶりを描いている。
真っ白な布を風になびかせる場面は、川面に浮かぶ布、そして川の流れを表している。
大黒町(唐人船)
傘鉾
前日と中日の垂幕は、三社紋錦地の地紋織に稲佐山を背景にして、大黒町の沖に船がかりした「唐人船・一番船」三場景の一枚織物。
後日の垂幕は、緋色の塩瀬に大漁の友禅染。
飾物は、町名にちなんで、大黒様の金色の打ち出の小槌と2匹の白ねずみ。
輪は、ビロード。手刺繍による金字文字「大黒町」。
根曳衆「ヤーハッ、ヤーハッ」の掛け声に乗って、前後動を繰り返す唐人船。
重量3.5トン。
上衣をほり上げています。
出島町(阿蘭陀船)
傘鉾
かつて、海外に開かれた唯一の窓口だった出島には、西洋のさまざま文物が持ち込まれた。こうした歴史にちなんで、
飾物は、当時輸入された渾天儀、天体望遠鏡、定規、羅針盤といった天文航海用具、洋書、通行許可証の出島門鑑。
垂幕は、あかね色の空に青い海、ここに阿蘭陀船が浮かぶ。
輪は、ビロード、金文字で「出島」「DEJIMA]。
左、「こども舞踊隊」は日蘭友好のストーリー表現。
オランダさんと町の娘によるかわいい踊でした。
小川町(唐子獅子踊)
傘鉾
町名の由来になった小川は、立山(旧岩原郷)から流れる岩原川を指す。
飾物は、水堰、四ツ手網に2羽の鷺、左右に葦、あやめを配している。
垂幕は、塩瀬緋色ぼかし、流水織出しで三社紋、楓、蛇籠、葦、岩、2匹の鯉を長崎刺繍で配している。
輪は、蛇籠。
長崎市田中町中尾地区に伝わる伝統芸能獅子踊。
「獅子踊」と小川町の子供による「唐子踊」。
子供たちが車座になって酒を飲みかわし、酔っぱらうさまを表した唐子踊。
それに誘われて、獅子が登場。
獅子が立ったまま、左右に回転するのがすごい。
東古川町(川船)
傘鉾
町名の川にちなんで、川辺の情景を表している。
飾物は、中央に櫂を立て、それにビロード細工の投網と水棹、魚籠に「東古」の文字を左右に配した葦と河骨であしらう。
垂幕は、紫紺地緞子の荒格子織出しの粋な雰囲気。
輪は、蛇籠を使い、川の感じを一段と高めている。
川船の歴史は川船の中では一番古いと言われている。
「水な上清きこの古川やー」船が動きを止めて、静かに浮かぶと斎振り、根曳衆がはやしに合わせて口伝えに受け継がれてきた船歌を歌う。
網打ち船頭(小4)の網打ち、大漁でした。
本古川町(御座船)
傘鉾
往年、楽師の町であったという伝統を受け継ぎ、雅楽をテーマにしている。
飾物は、雅楽器の大鼓を中心に、龍笛、小鼓などを配し、白木の長机に烏帽子などをのせている。
垂幕は、全体に楓や紅葉を散らしている。中央に火焔太鼓、ほかに笙や琴、しちりきなどの楽器や道具が糸錦地で織られている。
後日(右)は、塩瀬生地を使う。
江戸時代に長崎港の警備に当たっていた細川藩の軍船、御座船。
今回「高速3回転」を取り入れた。
威勢よく船を回すと長采の前でぴたりと止まる。
樺島町(太鼓山(コッコデショ))
傘鉾
乙名若杉氏が諏訪神社に道行きを先導する猿田彦の面を奉納したことにちなんで、榊の木に猿田彦の面をかけている。
飾物は、表に猿田彦の赤面、裏には猿田彦の青面、中央には金の御幣、を配している。
垂幕は、塩瀬羽二重を使い、磯の松と波の模様を描いている。
「ホーエヤ、ホラエー、ヨヤサーノサ」という掛け声をかけ、采振4人を乗せ入ってきます。
1本の棒に担ぎ手8人。両端に棒先と呼ばれる2人。計10人で1本の棒を担当。
「コッコデショ」という掛け声をかけ、太鼓山を高く放りあげてピタリと受け止める。一瞬の静。一糸乱れぬ集団の動きに誰もが酔いしれる。拍手がわきあがる。
法被を掘り上げました。
最後には、また、采振を乗せ、帰ります。
お下り
神様3体が、2泊3日の旅に出ました。
今年も、「もってこーい」「しょもうやーれー」の掛け声が飛び交い、それに応えて、踊町がまたもどってきて、踊ってくれました。
私も、がんばって、声を出しました。
くんち仲間が今年も集まり、バカになりました。