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ストリーミングによるMIDI再生 with Windows Media Player

ブロードバンド用     ISDN、56Kモデム用

いったい何を呪えば?

遠くても無いよりは ずっとましだった
二つでも何とか なると思っていた
子供のためなら どんな仕事でも
耐えていけると 信じていた
 あの日まで…

この店の常連の お金持ちの白人には
悩みの影すら 無いように見えた
彼らに差し出す グラスの中に
私の痛みを 混ぜてやりたかった
 肌の色も…

贅沢などほど遠い 手取りでしかなかったのに
私が払う代償は 海原のように途方もない


 すべてが何かのせいであればいい
 報いは罪びとだけにあればいい
 そんなふうに世界が回るなら
  何かを呪えればそれでいい


どこにでもいるような 私たち母子(おやこ)が
わかち合い かばい合い 毎日をしのいだ
そして
どこにでもある 鉄の塊が
幼い息子に 『烙印』を焼き付ける時が来た

無邪気なその笑顔と 寝ぼけまなこの「おはよう」も
醒めることの無い悪夢に 深い森へと奪い去られた

 すべてが何かのせいであればいい
 災いは神さまの思し召しであればいい
 そんなふうに世界が回るとしても
 いったいどうだと?


銃社会アメリカを告発し、カンヌとオスカーの栄冠に輝いたドキュメンタリー映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』(マイケル・ムーア監督)の中で取り上げられ、観たものに深い余韻を与えた実話をもとにしています。 それはミシガン州フリントの6歳の少女が同い年の少年に銃で射殺されるという悲劇です。

それは貧困線以下で生活を送る人々の地区で起きました。 米政府は福祉改革の名の下に生活保護の給付を打ち切り、その代わりに州は職業斡旋プログラムにより、給付を打ち切られた人々に職を与えました。 黒人の母親は、6歳の息子を親戚の家に預け、何時間もバスに乗って、高級住宅地であるデトロイト郊外へ毎日働きに出ていました。

最低賃金の仕事を2つかけもちし、帰宅は深夜になるというのに、家賃の支払もままならいない。 そんな生活が続く中、その少年は預けられていた親戚宅にあった銃をたまたま見つけて学校へ持っていき、その銃口を少女に向けたのでした。