からす座の巻







からす座は、それほど明るい星座ではありませんが、春の南の空では結構目立っています。
このカラス、もともとは太陽の神アポロンの使いをしていた銀色の羽根を持ち言葉を話すカラスでした。
ただ、少々度の過ぎたうそつきで、奥さんが浮気しているとアポロンにつげぐちして、奥さんを殺させてしまいました。
あとで嘘と気がついたアポロンは、カラスの言葉を取り上げ、羽も真っ黒にして天にさらしたのだといいます。
そんなとんでもないカラスの星座なのですが、四角形に小さくまとまった姿はとても印象的です。


ところでこの星座の結び方、普通は四角に囲むのでどうして「カラス」なのか分かりません。でも、カラスの仕草をよ〜く観察していると、この星座が、鳩でも鶏でもなく紛れもなく「カラス」の姿に見えてくるから不思議です。(でも、左のは少しやりすぎでした)

この星座をもうひとつ印象的にしていること。それは、この星座が南中しているまさにそのとき、地平線の下であの南十字星も南中していると言うことでしょう。
日本でも、この星座が南中する時期に小笠原諸島や沖縄に行けば、水平線にすっと立ちあがった十字を見ることができます。(まだ見たこともないのに、見たように言う私も「うそつきカラス」・・・)




光度差の大きな二重星=δ
カラスのしっぽにあるδ星は、つれあいの星がかなり小さな(暗い)二重星です。この小さなつれあいの星、 少し赤い星で,強烈な白い星のそばに小さく光っているこの星は、肉眼ではときどき紫色に見えたりします。
(実際には、写真より差はずっと大きく感じます)





カラスが隠した宝物
カラス座の北側のおとめ座との境界近くにM104という系外星雲のしるしがあると思います。この星雲はおとめ座の「ソンブレロ星雲」と呼ばれるとても有名な星雲です。(写真左)
この星雲は所在はおとめ座ですがからす座からたどった方が探しやすいのですが、その途中、M104の西南西1度ほどの所にあるのがこの「三角」です。(写真右。「標準星図」では二個の7等星がくっついて描かれています)
大きな三角形の中に小さな小さなもうひとつの三角形。偶然に並んだとは思えないような不思議な星形です。
カラスは、「宝物」を集める習性がありますが、この星形は、さしずめアポロンの宮殿からうそつきカラスが失敬してきて隠した宝物といったところでしょうか。








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