こうま座の巻


こうま座は夏と秋の中間の星座。また、全天88の星座の中で 二番目に小さな星座です。でも、いちばん小さな星座は、あの南十字星で有名な南十字座。沖縄や小笠原諸島 以外では日本からは「見えない」といってもいい星座ですから、中緯度以北に住む私たち が見ることのできるもっとも小さな星座がこのこうま座だといえます。
こうま座は紀元前からあった古い星座のひとつで、ヘルメスという神様(ギリシャ神話ではゼウスと同じように重要な登場 人物のひとりである神様)が、あの双子座になっている双子のひとりカストルに贈った名馬ケレリスといわれています。 (ヘルメスが関係する話の有名なものでは、あのペルセウスがメデューサを退治に行く時に履いた羽のはえた空を 飛べる靴やメデューサの首を入れる袋を貸した神様ということになっています。)
でも、隣の天馬ペガサスに比べるとなんとも小さく、あらわしているのも首の部分だけという淋しい扱われ方!
星座の本を見ないで単純に星をつないだら、星座絵図とは反対向きの木曾馬のようなまるみを持った優しい馬の首が現れました。
こんな私好みのマイナーな星座に見つけたお星様を紹介します。


密着した星=ε星
星座の西のはずれにあるε星は、小さな望遠鏡で見ると明るい星のそばに赤みを帯びた小さな星が光っている ごく普通の二重星に見えます。ところがこれがとんだカモフラージュ!。実は明るい方の星は同じ明るさの星が 密着して並んでいるふたつの星で、都合3重星ということになるのです。
でもこの「密着度」、ちょっと普通ではなく、わずか1秒という近さ。1秒がどのくらいの角度かと言いいますと、 昔習った測量の本によると「10メートル離れた所から見た髪の毛の太さ」だって!。
この二重星が時々でも分解できる望遠鏡は、なかなかの性能の望遠鏡といえます。ちょっと試してみてはいかが? (ということで、写真もなかなか撮れません。撮れたらアップしますネ!)



ときどきピンクの二重星=δ星
δ星は、こうまの鼻先に輝く星。γ星と並んで光っているのでε星よりずっと捜しやすいとおもいます。
この星は、ふたつの星の明るさがずいぶん差のある星で、しかも少し離れすぎるくらい離れているため、 あまり小さな口径の望遠鏡だと暗い方の星を見落としてしまうこともあるかもしれません。
そして、明るい方の星、ちょっと見るとごく普通の黄色っぽい星なのですが、時々ピンクに見えることがありました!
その時の気分と、空の条件に多分に影響を受けていると思うのですが、どなたか試して見てくれませんか!?







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