やまねこ座の巻




やまねこ座はぎょしゃ座、双子座と大熊座に囲まれた何もない あたりにある星座です。
天文学の発達で星座は星の「住所」になりました。そこで古代からの星座が特になかった「未登録地」 のこのあたりに17世紀に作られた新しい星座が「子獅子座」とこの「やまねこ座」です。
このふたつの星座の特徴はあまり目立った星がない事と、主星の名前がギリシャ文字でなく番号数字 であること(しかもそのα星は子獅子とやまねこで共有。あとは子獅子のベータだけ!)。いくら 目立たないからといっても、チョットと言いたくなるような冷遇を受けています。
また、星座の結び方も「解説本」ではテキトーに結んで、あとは長い山猫の絵を当てはめてお茶を濁しています。
でも、これは間違いで、17世紀の学者さんといえどもやはりそれなりの根拠(結び方)を示していたと考えたほうが正しいのではないでしょうか?
ところが、そんな自説も、いざ結ぼうとするとすぐに挫折。そこでとりあえず所属の星たちの番号だけを 写真に示しておきました。写真ではチョットはずれてしまった1番星が北西の端、α星や43番星が東の端です。誰かよい結び方を考えてくださいませんか?。

それでは、この星座のすみっこで見つけたたちをご紹介しましょう。



忘れられた星域におき忘れたヤジロベー=Σ1282(45p、179倍)
この星自体は黄色い色をした同じ明るさのペアです(等光のペアはみんな可愛いですよ!)。 その南に(Σ1282を底辺にした細長い二等辺三角形の頂点)暗い星が見えますか? このみっつが、ヤジロベーの心棒。西と東のやや離れた対称の位置に少し明るい星。これが両腕。 西側の腕の少し北にあるもっと明るい星は、いっしょになくしたビー玉?

【訪ね方】これはちょっと難しい。かに座の北にはずれにあるσ星から北に2度くらい。草むらの中を探すように星図をたよりにゆっくり探してください。



ネズミのお姫様が落としたかんむり?=42、43番星Σ1282界隈(双眼鏡)
やまねこ座の西のはずれもはずれ、わざわざちょこっと突き出した境界部分にこの「かんむり」はあります。(本物の「かんむり座」を知ってないと分かんないかな?)
5個の星が作るわずか2度ほどしかない半円形。かんむり座に比べるとこれは「指輪座?」。それとも山猫に追っかけられて逃げる途中、ネズミのお姫様がなくしてしまった冠でしょうか・・・。
ちなみにΣ1282は三つの星が直列した三重星です。



やまねこ座「二重星通り」=α、Σ1333、38番星、Σ1338(45p、179倍)
α星とはその星座のいちばん明るい星(例外もあるけど)。この星座のα星は、よりによって南西のいちばんはずれの山猫のしっぽの先端!。
このαをふくめ、北に向かって1.5度くらいの間隔でこれら4個の星は並んでいます。
α星は、赤い色をした星ですが二重星ではありません。でもすぐそばに暗い二重星があるんです。つぎのΣ1333は白い同じ明るさのペア。38番星はホントに純白のほんのちょっと明るさの違うペア。Σ1338はやはり同じ明るさの濃い黄色をしたペア(これは少し別れにくい!)。どれもなかなかの星たちです。



もくじ 表紙