うさぎ座の巻





うさぎ座は、冬の星座の王者オリオン座の足元にある目立たない星座です。
この星座は、とくに物語の登場するわけではないのですが、いちおうオリオンとそのお伴の大犬に追われてうずくま る小さなウサギという設定になってようです。
しかし、実際に星座につないで見ると、結構でかいウサギになります。その大きさはオリオンの四辺形に 入りきれないくらいで、大犬に負けないくらいの大きさです。
ただ、あまり明るい星がないので、オリオンや大犬座のシリウスの明るさに圧倒されて、やはり目立たない星座には違いありません。 (でも、なかなかのおしゃれウサギでして、耳にピアスしてるんですよ。赤い星の…)

この星座にある「R」という変光星は、たいへん大きく明るさが変わることと、たいへん赤いことで知 られ、発見したハインドという人が血のしづくのようだということで「クリムズン・スター」とよんだ 事で知られています。(写真にも赤く写っています)
先にご紹介した“ピアス”の星もRXという変光星です。

また、この星座にある二重星はどれも見やすく、目立たない星座の割になかなか楽しめる空域となっています。

目立たない星座の小さな球状星団=M79
目立たないこの星座にも、「M」の称号のついた全天に100あまりしかない星雲星団のひとつがあります。
M79がそれで、星座の南のはずれ近くにある球状星団とよばれる種類の星の集まりです。
球状星団は、タンポポの綿毛のように真ん丸く中央に行くほど集中した不思議なかたちの星団で、渦巻く銀河の周りを ふんわりと包むように分布しています。
でも、こちらのM79は、みかけの大きさも小さく、明るさも暗いので、やはり見過ごされることの多いマイナースター。
南中したオリオン座を見物した後でいいですから、この道端のお地蔵さんのような小さな星団を眺めて 行ってください。(写真。少しザラついた様子がわかりますか?)




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