わし座の巻



わし座を知らない人でも、七夕に出てくる「彦星」とか「牽牛星」とかは聞いた事があると思います。
この星座のいちばん明るい星がその「彦星」または「牽牛星」です。この彦星、西洋では「アルタイル」 という名前で実はアラビア語。「飛ぶ鷲」という意味だそうです。
この鷲は、ギリシャ神話では、神々の王ゼウスがトロイの美少年ガニメデをさらいに行くときに姿を変え たものということになっています。さすがは大神ゼウス、美女ばかりではなく美少年にも関心があった!

天の川を横切るように飛ぶ鷲の姿に、星座絵などでは描かれていますが、私はどうしても南(下)に急降 下するすがたに見えてしかたがありません。ここではそんな「私的」なイメージで星を結んでみましたが いかがでしょうか?。



三人兄弟の星=5番星
5番星はワシ座の西のはずれ、たて座の北につきだしたところにある5等星です。 この星は三つの星が寄り添っている3重星ですが、その並び方がちょっとおもしろくて 大−中−小−と順番にほぼ等間隔でややカーブするように並んでいます。
色はありふれた黄色っぽい色で、その地味さ加減が不思議に印象的です。



シータ(θ)星を囲む3匹のアリンコたち
θ星はワシの東側の翼のなかでいちばん明るい星。そのθ星を小さな二重星が取り囲むように散らばっています。 その小ささと、くっつくくらいに接近している姿が、ちょうどあの小さな赤アリのように見えます。
一匹目のアリンコはθ星の西62番星の北西にある2重星。明るさは7等星のほとんど同じ明るさと色をしたペアです。
二匹目はθ星の西南西約2.5度、変光星RRのすぐそばの重星です。こちらはやや黄色い色をしたペアです。
三匹目はθ星の南南東約2度、Σ2654ではない方の星です。この星は明るさの違うペアで、色は黄色っぽいと思います。 ちなみに案内役のΣ2654も2重星です。少し離れすぎているので「アリンコ」の仲間にはなれませんが、こちらも必ず覗いてくださいね。





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