シャトー・ヴィユー・マイエ(ポムロール)
Chateau Vieux Maillet (A.O.C Pomerol)

 どこまで品質向上するか楽しみなワイン

 ポムロールとサンテミリオンの境界、シャトー・レヴァンジルを北東に向かい、シェマン・ド・マイエを通るとル・ボン・パストゥールの新しいシャトーが現れる。その小道を挟んだ隣に小さな工場のような建物があり、出入り口に大きくChateau Vieux Mailletと書かれた文字が目に入る。一体誰がこんな場所で偉大なワインが造られているとは想像できようか。近年品質が著しく向上したシャトー・ヴィユー・マイエである。このマイエ周辺にはフラン・マイエ、オー・マイエ、ティボー・マイエなど同様にめきめきと品質を上げ頭角を現し始めている。言わば注目に値する地域である。
 もともとフェティ夫妻が所有していたシャトー・ヴィユー・マイエは1994年にボドアンとイザベル・モット夫妻に買収された。夫のボドアン氏は金融機関に勤め、以前からポムロールの畑のオーナーになるのが夢であった。「君は庭の手入れが好きだから、すべて任せるよ。」マダムは北の庭園に惹かれ庭仕事が好きだという。そして初ヴィンテージの1994年に自らも収穫に携わったのである。
 マダムのお気に入りのワインはシャトー・ラ・コンセイヤントであり、場所も近いことからよく助言を受けたという。ドニ・デュブルデュー教授とも11年間の付き合いがあり、「いいワインはいい葡萄を作らなければならない。」と指導を受け、エシャルダージュ、エブルジョナージュ、エフォヤージュ、ヴァンダンジュ・ヴェールトなどトラヴォー・アン・ヴェールのすべての過程を行っている。






 醗酵はポムロールの伝統的なコンクリート・タンクで行われる。醗酵前の低温マセラシオン4日間、新樽内でのマロラクティック醗酵、シュル・リー、バトナージュなどの最新技術法も取り入れられている。
 2001年は3つのメーカーのオーク樽が使用されている。スガン・モロー、ブーテ、そしてダルナジューである。ここでもダルナジューが使われていたのだ。マダムはにっこりして「分けてもらえるようになって4年目です。大量生産の出来ないトヌリエだから。」2001年は6樽分けてもらったそうである。生産量の15%程に過ぎないがグラン・ヴァンとして認められた証しでもある。
 さて、その2001年をすでに試飲用にボトルに詰められたものを飲ませていただいた。強烈なストラクチャーである。濃い干しプラムやオークが強く感じる。それに十分な酸もある。長期熟成型だ。「2001年は今までで最もマスキュランなヴィユー・マイエです。マロラクティックの最後の方で凄かった。」
 大成功を収めた1998年よりもまだ力強いというから、これはリリースされる来年の秋が楽しみである。
 幸いヴィユー・マイエのワインは高価ではない。このハイ・レベルなワインはお買い得である。


 


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