ドメーヌ・ヴィユー・タイユフェール(ポムロール)
Domaine Vieux Taillefer (A.O.C Pomerol)

 年産僅か250ケースのミクロ・キュヴェ

 「今日はいいお天気だから休んでなんかいられないの。」畑仕事に出かけてしまったオーナーのダニエル・イベール氏に代わって、お嬢さんのサンドリーヌさんが温かく迎えていただいた。5月20日はフランスの祝日。聖霊降臨の翌月曜日である。
 ここはサンテミリオンの中心部から北へ約1km離れた“ラ・ローズ”。ヴィニョーブル・ダニエル・イベールの醸造所がある。ドメーヌは家族経営で3つのシャトーを持つ。いずれも小規模だ。シャトー・ヴィエイユ・トゥール・ラ・ローズ(サンテミリオン・グラン・クリュ、5.3ha)、シャトー・レ・ポリャンタ(サンテミリオン4.3ha)そしてポムロールのドメーヌ・ヴィユー・タイユフェールに至っては僅か0.54haしかない。年間生産量は僅か3,000本であるから正に幻のワインであるといっても過言ではない。
 同家のワイン造りは1947年から行っているが、ドメーヌ・ヴィユー・タイユフェールは1987年がファースト・ヴィンテージである。長い間ネゴシアンに売られていたのであった。ここ10数年の間、ネゴシアンラベルのポムロール・ジュネリック・ワインがめっきり減ったような気がする。小さな生産者も自分達で元詰するようになり、自分達のブランドを持つのがステイタスとなったのかもしれない。


 猫の額ほどの畑はポムロールの最南端、シャトー・タイユフェールとシャトー・タイヤスの間にある。穏やかな平地でポムロールでは最も低地になる。砂質の土壌から産されるワインは早熟で早飲みタイプというイメージが強いが、このワインにはその言葉は当てはまらない。1999年を試飲させていただいたが、濃いプラムの果実味にタンニンが絡んでまだまだ若すぎるし、将来の期待が感じられる。
 使用されている樽はベルトミュー。「ワインそのものに力を出す為に使っている。」と言う。2001年は5樽のドロー(1989年に設立されたトヌリエ)がサンテミリオン・グラン・クリュに試験的に使用されている。「ポムロールには使わないのですか?」と聞くと、「12樽しかないから出来ません。」それもそうだ。12樽のうち1樽でも失敗するとそれだけで生産量が1割近く減ることになってしまうからだ。




 さて、このミクロ・キュヴェであるドメーヌ・ヴィエイユ・タイユフェールは残念ながら日本へは愚か、アジアすら出荷されていない。70%が一般顧客への販売、30%がフランス国内のワイン・ショップへ。そしてベルギー、オランダ、ドイツへ輸出されている。







メルロ60%
カベルネフラン40%
平均樹齢:40年





Back HOME

Copyrights (C) 2002 petrist All Rights Reserved