
この年の5月5日に音更川のあるポイントで、
友人が48cmの虹を釣った。
素晴らしく完璧な体を持った魚で、
私はそのポイントを友人の名を冠して、
「Tポイント」と呼ぶようになった
(釣り日記にもTポイントとしているのですが、
地名や橋の名前をあれこれ考えた人がいたら、ごめんなさい)
同年8月5日、このポイントで、
50cmほどの虹をジャンプ一発バラしてしまった。
恐ろしい魚で、強い流れの中を、
上へ下へと自在に暴れまわった。
その後、この川では珍しいヤマベを、
妻と1尾づつ釣り上げたが、嬉しくもなかった。
「あんな大きい魚いるんだねー」
と、能天気におっしゃる妻を憎んだ。
3日後の8月8日、同僚のS氏と同ポイント同ルアーで、
同サイズの虹をかけ、同じようにジャンプ2発でバラした。
「あんな魚いるんだー」
しかし、今回は前回ほど悔しくはなかった。
『「奴」は、必ずいる。いずれ釣ってやる!』
良きライバルに出会えたという、
釣りキチ三平気分だった。
これまで、何回も通ったこのポイントで他の釣り人に出会ったことがなかった。
「この魚は私のもの、あせらず狙おう。」
そう思った。
その年の秋、そのポイントは、台風で流れ出た土砂によって消滅した。
写真の魚は、8月8日に「奴」をバラした後に、
100mほど下のポイントで釣れた魚だ。
美しい魚だったが、「奴」をバラした後だったので、
今ひとつ嬉しくなかった。
しかし、このポイントは、台風で流されず、
2年後に良い思いをさせてもらうことになる。