第5回放送分     2000年6月4日 20:15

Hello everyone!
青空のロッテルダムの空の下、今週もゴキゲン(死語?)なナンバーを皆さんにお届けします。

仕事柄、「好きな音楽のジャンルって何ですか?」って聞かれることがあります。 (別にDJではありませんが・・・。)いぢわるな私は、「心地よい音楽」と答えるようにしてます。たいていの人は、「また、くだらねー事言ってるよ、この人。」と思うらしいのですが、これだけ無数のアーティストの楽曲を聞いてると、従来の「ジャンル」という枠組みだけでは分けられない人がたくさん出てくるのも事実なのです。なので僕にとってジャンルとは「心地良い音楽」と「あんまり心地よくない音楽」の2つです。

ということで、今週のアーティストですが、従来のカテゴリーではジャンル分けが非常に難しい・・・。僕のジャンル分けで行くと、非常に「心地よい音楽」に位置!クラブDJ達の間では定番のアイテムだったようですが、ようやくCD化したみたいです。

彼らはドイツのシュトッツガルト出身で、ドイツの名門ジャズレーベルSABA/MPSから1978年に本アルバムを発表。 1970年代のヨーロッパはブラジリアン・フュージョンが流行しており、このグループもご多分にもれず、ミクスチャー 感覚満載の音楽をやってました。ジャケット写真からも、当時はかなりキワモノな扱いをされていたグループなん じゃないかなという雰囲気プンプンです。

遅くなりましたが、名前は「キティ・ウィンター・ジプシー・ノヴァ」というグループ名で、キティ・ウィンターという女性が リードヴォーカルをしている5人組。ドイツのトップDJであるRainer Trubyがコンピしている「Glucklich」 (フォルクスワーゲンがジャケット写真の奴です)の第1弾に収録されているので、名前を聞けばピンと来る人も 何人かはいると思います。(あ、でも、やっぱり、そんな細かいチェックしてるのは僕だけかもしれないです。)

とにかく曲の感じが、ジャズ+スキャット+ボサノヴァ・ギター+フュージョン+フォークといった感じのごちゃ混ぜ感満載で 何とも今っぽい。特にヴォーカルの彼女のだるそうな声と、浮遊感漂いまくりのキーボード、ボサなギターカッティングの バランス感覚が不思議。大ヒット曲「New Morning」のスキャットとフュージョンチックなブレイクに合わせた手拍子や、 1曲目「Feel It」でのタイトなリズムにまとわりつくヘンテコなコード進行、2曲目の「Mato Pato」の高速サンバに ギターのカッティングが細かく絡む等など、一言では言い表せないサウンドが詰まっております。

てな具合で説明していても、きっと想像がつかないと思うので、店頭で視聴ができたらぜひ聴いてみて下さい。 気に入るかどうかは自信持てませんが、FMまちやを聴いてなかったら巡り会えないアルバムだと思います。 「Glucklich」も第3弾まで発売されているお薦めなコンピなので、初心者の方はこちらからどうぞ。 マニアックな方は「キティ・ウィンター・ジプシー・ノヴァ/Feel It」からどうぞ。

Kitty Winter Gipsy Nova / FEEL IT
VSCD-580 Vivid Sound Corporation

01. Feel It
02. Mato Pato
03. Puerto
04. I Think Of You
05. New Morning
06. Digno Dschirglo
07. Primrose Samba
08. Song For Paul
09. Stars And Clouds
10. The Ballad

それでは皆さん、また来週。
See you next time, same station, keep tuning to FM Machiya. Check it out.


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