古今和歌集 巻第二
春歌下
作品84
桜の花の散るをよめる 紀 友則
ひさかたの光のどけき春の日に
静心なく花の散るらむ
訳>
太陽の光がのどかに照っている春なのに、
その春に背いて散る花は、
きっとせつない思いで散っているのであろう。
感想>
この歌は百人一首でもおなじみの歌ですが
彼のことを知って以来大好きになりました
古今和歌集の編纂を天皇から頼まれたが
編纂中に亡くなってしまい
従兄弟の紀貫之に引き継ぎました
ここで紀友則が亡くなったときに
紀貫之が詠んだ歌を紹介します
作品838
紀友則が身まかりける時によめる つらゆき
明日知らぬわが身と思へど暮れぬ間の
今日は人こそかなしかりけれ
訳>
こういう私だってあしたの運命がわからないことは
承知しているのだが、こうしてまだ生きている今日という間は
死んだ彼のことが悲しくて、他のことを考える余裕がないのだ。
作成:(紀 友則)1999.07.06/23:22
更新:(真紀 友則)2000.03.05/19:14
心のつぶやきFILE No.0087@古今和歌集より
更新:(真紀 友則)2000.05.28/13:55