古今和歌集 巻第四

秋歌上

作品177

寛平御時、なぬかの夜、
「うへにさぶらふをのこども、歌奉れ」
とおほせられける時に、
人にかはりてよめる  とものり

天の川あさせしら波たどりつつ
渡りはてねばあけぞしにける

訳>
天の川の浅瀬がどこか知らないで、
川の白波をかき分けてうろうろしながら行ったものだから、
川を渡りきらないうちに、夜は明けてしまいましたよ。

作成:(真紀 友則)2001.05.05/19:01