古今和歌集 巻第五

秋歌下

作品265

大和国にまかりける時、佐保山に
霧のたてりけるを見てよめる  紀 友則

誰がための錦なればか秋霧の
佐保の山べをたちかくすらむ

訳>
佐保山の紅葉は誰のために織りなした錦なのだろう。
秋霧は自分だけに与えられたものと思い込んで、
山一帯に立ちこめ、
その紅葉を我々の目から隠しているのだろうか。

作成:(真紀 友則)2001.05.05/19:17