古今和歌集 巻第五

秋歌下

作品274

菊の花のもとにて、
人の、人待てる形をよめる  とものり

花見つつ人まつときは白妙の
袖かとのみぞあやまたれける

訳>
私は花を眺めながら友人を待っているが、
そういう時に真っ白な菊の花が風にそよぐのを見ると、
私の待ち人が白い袖を振って近寄ってくるのと
うっかり間違えてしまう。

作成:(真紀 友則)2001.05.05/19:30