古今和歌集 巻第十六 

哀傷歌

作品833

藤原敏行朝臣の身まかりける時に、
よみてかの家に遣はしける      紀 友則

寝ても見ゆ寝でも見えけり大方は
うつせみの世ぞ夢にはありける


訳>
藤原敏行が死んだ時にその人の家に詠んでやった歌

亡くなられたご主人のお姿が、
寝ても夢に見え、寝ないでも幻に浮かんでまいります。
けれどよく考えてみましたら、この現世そのものが夢だったのです。

作成:(真紀 友則)