ここはロシュフォール城。
かつてはレーゲンブルグ連邦王国に牙を向いた3国同盟の一つロシュフォール地方にあるが、
現在はいたって平和を保った、とても静かで綺麗な国である。
・・・という説明はもはや必要ないであろう。
今でこそ、大きな戦乱も無く平和な国だが、
この国には一つの選りすぐりの集団がいた。
それは・・・彼らが通れば草木一本残ることは無く、
彼らと剣を交えたものはまず間違いなく、次の日の太陽を見ることができず、
彼らに一睨みされた者は、例え3日3晩泣き続けた赤子でさえもその恐怖に気絶するくらいであった。
彼らの名はクリムゾンナイツ。
クリムゾの若き王子、レインフォルスに仕える精鋭の近衛騎士団であった。
しかしそんな彼らにも、領主をも悩ませるあるおかしな癖があった。
それは・・・、
いつも皆一緒♪
レインフォルス「うむ、今日も良い天気だな。よしゼロ今からナイツと共に城下を見てきてくれ」
ゼロ「御意(冷静に)」
そういって恭しく一礼をして、そばに控えているナイツ達に向き直った。
ゼロ「という事だ、出掛ける支度をするのだ(冷静に)」
ナイツ達「「「「「「「「「御意」」」」」」」」」
見事に声がハモる。
そして揃ってしづしづとレインフォルスの執務室を後にする。
レインフォルス「ゼロ・・・ナイツは一人一人個別で行動はできないのか?
あれでは仕事などの効率が悪いのではないのか?」
ゼロ「私にも良くわかりませんが・・・仕事の効率が落ちていることだけは確かでしょうな(冷静に)」
レインフォルス「全く、連中は一体何を考えているのだろうか。
まあいい、ゼロそれでは城下の視察の件はよろしく頼むぞ」
ゼロ「御意(冷静に)」
そう言うと再びレインフォルスに一礼をして執務室を後にした。
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そして場面はロシュフォール城下。
今は秋の収穫も無事終わり、市場が盛大に開かれていた。
ロシュフォール城下の市場は近隣諸国にかなり有名で、
わざわざ遠くの国から商売にやってくる商人、珍しいものを求めてくるものが多かった。
ということで市場は人の波でごった返していた。
そんな中・・・、
市民A「うぁぁ〜!!」
市民B「こら早く避けないか!!」
などの会話が飛び交う中にいたのは、あのひときわ目立つ仮面とマントをつけた集団、
クリムゾンナイツであった。そして彼らの先等に立っているゼロの姿もあった。
人並みは彼らが近づいてくると自然に開け、道ができた。
そう、あの有名な「モーゼの十戒」の如く・・・。
ドン!!
酔っ払い「おらぁ〜アンちゃん〜どこに目ぇ〜付けてんだぁ〜?ああん?
ちょっと〜あっちの路地まで〜ツラァ〜かしな〜!!」
ゼロはやれやれと思い、周りの市民も「可哀想に・・・」などとヒソヒソ話。
しかし次の瞬間!!
ナイツ達「「「「「「「「「断る・・・我々は無駄な闘いをするつもりは無い」」」」」」」」」
9人の声が見事にハモり、周りの市民もビクッとしていた。
ゼロ「そう言うことだ(冷静に)」
酔っ払い「ああん?お前は・・・ゼ、ゼロ様ぁ〜!!
ってことは・・・申し訳ございませんんんんん〜!!」
酔っ払いは血の気が引いた顔で地面にひれ伏した。
ゼロ「気にするな・・・これからは気をつけることだな(冷静に)」
とだけ言い残し去ってゆくのであった。
この後この酔っ払いは酒を飲むことも無く真面目に働いているというが、それは別の話。
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そして少し経った時、
商人「よっ!!そこの方々〜♪この剣なんかどぉ?
滅多に取れない希少金属から創られた剣、なんとたったの10000Pだ!!」
ナイツ9人に向かって威勢のいい声が飛ぶ・・・しかし、
ナイツ達「「「「「「「「「断る・・・我々は無駄な買い物をするつもりは無い」」」」」」」」」
またも声をハモらせすっぱりと断るナイツ達。
ゼロ「と言う事だ・・・間に合っている。
それに我々は地上よりさらに優れた希少金属で創られた剣を使っている。
残念だが、ほかを当たってもらおう(冷静に)」
とだけ言い残しナイツを引き連れ商人の前から去っていった。
この後この商人は売っていた剣がただの鉄であったことがバレ捕まったと言うが、それも別の話。
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そして視察を終えロシュフォール城に戻ってきたゼロとナイツ一向。
ゼロは先に自分の執務室に戻り、ナイツ達は視察の報告書をまとめていた。
と、そこへ・・・、
レインフォルス「皆揃っているな、一つ仕事を頼みたいのだが・・・」
書類をまとめているナイツ達にレインフォルスはそう言った。
しかしナイツ達の部屋はたまに声が響き誰の声か判別が出来ない時があるのであった(マジか?)
であるから、レインフォルスの声も違った人物の声に聞き取ってしまった為、
ナイツは口を揃えてこういってしまった。
ナイツ達「「「「「「「「「断る!!我々は無駄な仕事をするつもりは無い!!」」」」」」」」」
またも綺麗に声をハモらせ、命令してきた人物のほうを向き直るナイツ・・・。
しかし次の瞬間、ナイツ達全員は凍り付いてしまうのであった。
レインフォルス「ほほぉ〜お前たちは主の頼みも聞けないのか・・・」
顔は笑っているが目が全く笑っていなかった。
ナイツ達「「「「「「「「「レ、レインフォルス様ぁぁぁぁ〜!!」」」」」」」」」
レインフォルス「お前達全員〜!!冬のボーナス50%カット、
加えてこれから一か月、それぞれ個別に仕事をしてもらう!!」
ナイツ達「「「「「「「「「そ、それだけはご勘弁をぉぉぉ〜!!」」」」」」」」」
レインフォルス「ええいやかましい、それぞれの仕事の分担表は明日までに作っておくから、
各自それに従って動くように、もしこれに従わない場合は・・・わかってるな」
もはや目どころか顔すら笑っていないレインフォルスだった。
ナイツ達の部屋の外、ゼロはこの光景を見ていた。
ゼロ「皆一緒というのもいいが・・・こういうのは闘いのときだけにしてほしいものだな(冷静に)」
そしてやれやれという表情で、ナイツ達の部屋を後にするのであった。
その夜、ナイツ達の部屋からは慟哭が止まなかったと言う。
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そして次の日、メイドや執事たちがびっくりしている中、
ナイツ達は割り当てられた仕事をこなしてゆくのであった。
アインス:風呂掃除
ツヴァイ:薪割り
ドライ:城壁磨き
フィーア:食材の買出し
フュンフ:馬の世話
ゼクス:草むしり
ジーベン:水撒き
アハト:皿洗い
ノイン:城内掃除
この仕事は1週間毎に交代であったとか無かったとか・・・これもまた別の話。
THE END
後書き。
朱雀王「ちは!!\(^o^)/朱雀王で〜す♪」
ナイツ達「「「「「「「「「・・・」」」」」」」」」(←揃ってめっちゃ見てる)
朱雀王「びくぅ!!揃ってこっちを見ないでくれ!!」
ナイツ達「「「「「「「「「・・・」」」」」」」」」(ざっざっざっざっざ・・・)←近づいてくる
朱雀王「ええ〜い寄るな寄るなぁぁ〜!!これが目に入らんのかぁぁ!!って何もないけど」
ナイツ達「「「「「「「「「ドテ☆」」」」」」」」」(←一斉にこける)
朱雀王「ってことでこのままでは後書きにならないのでゼロに登場してもらいましょう」
ゼロ「こんばんは(冷静に)」
朱雀王「今回のネタはいかがだってですか?」
ゼロ「私の出番が少ないな(冷静に)」
朱雀王「しょうがないですよ、メインはナイツなんですから」
ナイツ達「「「「「「「「「〜♪」」」」」」」」」(←メインと聞いて嬉しそう)
ゼロ「しかしナイツはもっとクールな集団ではないのか?(冷静に)」
朱雀王「いいじゃないですか、ギャグSSだし、彼らでSS書く人ってあんまりいないと思うけど?」
ゼロ「確かにな・・・しかしファンがいたら間違い無く剃刀レターものだぞ(冷静に)」
朱雀王「そ、そうかもしれないな・・・クリムゾンナイツファンの皆さん誠にすいませんm(_ _)m」
ゼロ「それからもう一ついいたいことはある(冷静に)」
朱雀王「おうおう〜♪この際だなんでも言っちゃってくれ〜!!」
ゼロ「オチが前回とほとんど同じでは無いか?(冷静に)」
朱雀王「う・・・手厳しいツッコミ。でも今回はレインフォルスが直々にボーナスカットォ〜!!
って言ったよ。そう言うところを汲んで頂けるとありがたいですねぇ〜(^-^;」
ゼロ「いや・・・誰が言ってもオチが被っている事には変わりは無いぞ(冷静に)」
朱雀王「ま、まぁ次回策は頑張って違うオチにするからさ」
ゼロ「それを聞いて安心しました、期待してますぞ(冷静に去ってゆく)」
朱雀王「では次回作もナイツネタで何か書けたらいいと思っております、よろしくぅ〜♪」
ナイツ達「「「「「「「「「・・・」」」」」」」」」(←揃って手を振っている)
朱雀王「・・・ところで誰に手を振っているんだ?」
ナイツ達「「「「「「「「「・・・」」」」」」」」」(←揃って去ってゆく)
朱雀王「こらこらおいらを一人にしないでくれ〜!!ってことでまたね〜あでぅ〜☆」