何もできないわ学問上正体不明だわのチェブラーシカ。この子に何がある
といったらそのかわいらしさでしょう。周りに、放っておけないなあ
と思わせるかわいらしさ。それは男の子ウケが妙にいいボーっとした感じのかわいい女の子
といった感じに似ています。ちなみに私はこういうタイプではなく、
周りでやっかむか世話焼くかどっちかの女ですね。
そう、かわいらしさというのは恐ろしいもので、周囲を動かす力を
持っているのです。
チェブラーシカのかわいらしさに触れて変わってしまうのがゲーナとシャパクリャク。
ゲーナはチェブラーシカに出会ってから行動力を手にいれます。シャパクリャクは
チェブラーシカが旅行者のしかけた罠にかかって動けなくなっているのを見つけて、
その旅行者を懲らしめにいきます。「チェブラーシカちゃんになんて事を!」といって。
このシャパクリャクという婆さんはいたずらばかりする人で、「要注意人物」の
ポスターまで貼り出されていたのです。
ただ思うに、この婆さんは好きな子をいじめちゃう小学男子のようなもので、
本当は皆と仲良くなりたいと思っているのに、どうしていいのかわからないという
人なのだろうなあ、と。彼女は仲良くしたいのだったら優しくすれば良い、という簡単な
ことがわからない。
でも、彼女も変わる。しょんぼり顔のチェブラーシカを見て。守ってあげなきゃ。
この間チェブラーシカはやはり何もしません。おどおどと不安そうにしているだけです。
周りが動いてくれます。助けてくれます。
これほど愛嬌だけで乗りきるキャラクターは他にいないんじゃないでしょうか。
やっぱりかわいい子は得だよね、ということをまざまざと痛感させられる映画なのでした。