はっきり言わせてもらうとなんだかバラバラだなぁっていう印象を受けた。
ドキュメントタッチでもありメロドラマっぽくもあり(どっちにしたかったのかなぁ)。
不必要なシーンはたくさんあったし。主人公が感じている自己嫌悪に対して、結局何が
言いたいのかよくわからなかった(←これは私の理解能力の不足のせいか?)。
それでもこの映画はいいと思った。欠点なんかどうでもよくなるくらいこの映画は強い。
ここで発せられた言葉は本物だと思うので。刑務所の中庭で囚人達に袋叩きにされそうに
なる時、主人公レイが叫ぶ詩。
「そう、悔いることはできない/無限に続く特権的な終身刑を/生きることになる運命」
詩のワークショップで囚人が書いた詩はまるで小学生みたいだったけどインパクトがあった。
感じたことそのままの心からの詩だったと思う。
詩だけじゃなくてセリフも。中にはかなり安易なセリフもあったけど、それはまぁ置いて
おいて。セリフからその物語の主人公が感じている怒りではなくて、現実にこの地球上に
存在する、ある者の怒りを感じることができた。
あと、この映画のおかげで「スラム・ポエトリー」なるものを知ることができたのがよかった。
かっこいいぞ。スラム・ポエトリーって。
この映画は言葉の賛歌。日常生活において言葉の無力さを痛感することが多い中で
これくらい強烈な賛歌はないなぁ、と思ったのでした。
「君は宇宙の背中をなでるように/時空(とき)の中を踊るように太陽さえも翳らす」