すごいっす。どうしよ、これ。
ずーっとずーっと下品で失礼でバカで、しかも無修正。いつもだったら「ピー音」が入る
禁止用語も、「あー、バッチリ言ってる…」という感じで。というより、いつも以上に
余分に禁止用語言ってまーす!○○○○!○○○○!!!と、染之助的にかましてくれる。
しかもミュージカル。
そして、社会派。
いや、本当に。お粗末切り絵アニメでも、差別表現有りまくりの大量虐殺アニメでも、
地獄に落ちたフセインとサタンが同性愛関係でも、サタンが「体だけじゃなくて心も愛して!」と
叫べば、フセインが「俺は善人だ!」と歌い踊っても、とにかく、社会派。
カナダ人コメディアン、テレンス&フィリップ主演のオナラ映画「燃えよコウモン」(←さすがに
書くのはいやだな…)を子ども達が観て子ども達が汚い言葉を覚えてしまった。PTAのオバちゃん達は
「悪いのはカナダ!悪いのはカナダ!!」とカナダを糾弾し始めて、果てはアメリカVSカナダの全面戦争。
子どもにはお下品ワードを言うと電流が流れるVチップを埋めこんで。
よくあるでしょう。こういうこと。戦争は仕掛けないけど、なんか少年犯罪が起こる度に
テレビの暴力シーンだとか、ゲームだとかが悪い悪いって言い出したりすることとか。
それに伴った行き過ぎたPC運動だとか、行き過ぎたマスコミの自主規制だとか。
でも実際、PC運動がどんなに展開されてたって差別がなくなったわけじゃないし、暴力
シーンをカットしたからって少年犯罪が減ってるわけじゃないし。
そういう風に問題解決の方法を間違っちゃってる人々への痛烈な皮肉なんですよ。これは。
率直なメッセージ。問題には真正面から立ち向かわないとね、と言ってるの、”絶倫トレイ”と
”早撃ちマック”が(監督と製作者のこと)。
ほら、社会派。
ラスト、ケニーが泣かせてくれます。泣かなかったけど、ちょっと泣きそうだった。
いいって、この映画。セレブリティをめちゃめちゃにこきおろしているのも愉快&痛快。
いいの、それがサウスパークのセオリーだから。今回でてくるセレブリティ達は、ビル・ゲイツ
(この人が出てきた場面が一番大ウケだった。)、ウィノナ・ライダー(ピンポンショー)、
あ、あとフセインとか。他多数。あと、ジョージ・クルーニーが手術へたくそ医師の声だったり
(ERなのに…)。
だまされたと思って観てください。実際だまされても当局は一切関知しないので。