「イギリスから来た男」

刑務所から出所したばかりのウィルソンが娘の真相を探る為に、娘の元恋人の ヴァレンタインを追い詰める、というシンプルな話。なんです。

最初はソダーバーグの演出方法とかに触れた感想を書いたんですが、 今更こんなこと書いてもー、という気になったので、喫茶店で書いたメモを載せる ことにしました。

言いたいこととしては、テレンス・スタンプとピーター・フォンダとソダーバーグって すげーなー、オラビックリだぁ、ということだと思います。

---

少し薄い綺麗な白髪。おでこの皺。挑発的で狂気を秘めた碧眼。

引き金をひく時、眉一つ動かさない。静かに人を傷付ける。

ヴァレンタインを追い詰める時のウィルソンの眉間の皺。

彼の口から語られる「真実」。

ここにも、彼女を愛しきれなかった、 男が、一人居た。

ウィルソンの過去のワンシーンがヴァレンタインの過去のワンシーンに重なる時、 ウィルソンから狂気の色が失せる。その時の、静けさ。

狂気を孕んだ静けさとは対照的な、静けさが。