私の殿堂入り作品、久々の更新です。
最近ハマり気味だったヴィム・ヴェンダースのドキュメント作品。
以下は見終わった後のメモです。
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小津安二郎の「東京物語」から映画は始まる。
彼自身が見た東京は小津作品の東京とは全く違うものだった。
彼はその東京を否定も肯定もしないで撮っていく。
パチンコ、ゴルフ練習場、蝋細工、ロカビリーな人達に表れ
ている今の東京。その中に笠智衆と厚田雄春という小津の
東京を知る人達のインタビューが入る。
今を見ることと、昔を思うこと。純粋で澄んだ透明な映像を求める
友人、でも、彼自身は地上の喧騒に画(イメージ)を求める。
―こんな風に映画を撮れたら
ただ目を開くだけ
ただ見つめるだけ
あかしなど何も求めずに―
小津のような作品を現代で撮ることは無理かもしれない。
たとえ、小津が今、いたとしても。だけど…。
そして、最後は小津の「東京物語」で終わる。
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というのがメモです。
パチンコは喧騒。ゴルフ練習場は本来の目的を忘れている人々。蝋細工は現実の模倣。
ロカビリーな人達はアメリカへの憧れ。または模倣。
それが彼の見た東京画。それはまるで他人の見た夢のようで。
小津の東京はもう既に無いけれど、まだそこに、まるで住んでいるような人達。
そこに取り残されてしまった人達もしくは自ら望んで残っている人達。
笠智衆と厚田雄春。ヴェンダースは彼らを羨ましく思ったんだろうか。
厚田の昔を語る時の笑顔と涙。それはとても美しくて切ない。
でも、私は…と言いたくなった。そこに続ける言葉は見当たらなかったけれど。
後でこの映画について何度書いてみても、この程度のまとまらないメモ以下の物しか
書けないのです。だから、いつもは載せないメモを載せてみました。
でも、私は…今の東京が好きなのでしょう。