「バニラ・スカイ」

林真理子の『美女入門』の帯のようだが「何もかも手に入れた」男。ハンサムで金持ちで、 女にはモテるしいうことないね、アンタというのがトム・クルーズ。もちろんいい男は 性格が悪い。

しかしコイツもどん底に突き落とされる。

嫉妬に狂った元恋人(キャメロン・ディアス)がコイツと一緒に無理心中図ろうと車で 崖に突っ込んで元恋人は死ぬし顔が崩れる 。しかも「運命の女」に出会えたと思った矢先に。

この映画の特徴、それは入り組んだシナリオ、ではない。主人公に感情移入することを とことん拒否されること、ではないかと。

というか主人公に感情移入という役割が振られてないから。なんだろうメッセンジャーかな。 そうそうそんな感じ。なんか届けなきゃいけないメッセージをそのまま体現してる役割なのだろう、と。

人のことを何も考えていない。考えられない主人公。そしてそれに対する報いが彼に振りかかる。それは顔であったり、それ以上の ことだったりする。まさに悪夢のような出来事。

人には優しくした方がいいよ、じゃないと痛い目見るよ。そんなメッセージか。

ただそこにオチがつく。見事に。音にしたらスコーン!!というようなオチ。

メッセージにしたら「現実を生きろ」だろうか。

いやあ事実は事実で一生重たいもの背負ってその責任を一生取らなきゃ 行けないんだろうけど(多分)、それでも結局報われてないじゃんキャメロン! 死に損じゃんキャメロン!

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ちなみに、この映画を見て疑問なのがトム・クルーズは果たしてハンサムなのかというところ なのですが。個人的に。っつかあの流し目。杉サマ以上。伍代夏子ならぬペネロペ・クルスは あの流し目に参ったのか、と思うとまた謎。あと、この文章じゃおもしろかったのかおもしろくなかったのか わからないかもしれませんが、大変おもしろかったのですよ。