〜Afternoon〜
Monologue−1
「な、なんですってぇ!?」
部屋で、機嫌よく出かける準備をしていたわたしは、飛び込んできたエルフィールの言葉を聞いて、つい素っ頓狂な声を上げてしまった。
いけないわ。こんな声を出すなんて、はしたない。貴族にあるまじき行為よ。
でも、目の前ですまなそうにぺこぺこと頭を下げてるエルフィールを見ているうちに、驚きに代わってむらむらと怒りがこみ上げてきた。
「今さら何を言ってるのよ! ノルディスが一緒だっていうから、気が進まないけど採取に付き合ってあげようと思ったのに、出かける段になって、ノルディスの都合が悪いですって!? どういうことなの! それでは、あなたはわたしをだましたことになるんじゃなくって!?」
思わず、自分で意識した以上にきつい言葉が口からあふれ出てしまう。
だって・・・、あんまり腹が立ったから・・・。
エルフィールが着ているオレンジ色の錬金術服は、まるで入学式の時から着っ放しでいるみたいに、しわくちゃだ。本当に、そうなのかも知れない。野暮ったいというか、センスのかけらも感じられない服。毎日、服を取り替えて、実家へ送って手入れさせているわたしとは、えらい違いだわ。
彼女が頭を下げるたびに、へんてこな輪っかのような帽子がゆらゆらと揺れる。なんだかばかにされているような気がして、叩き落としてしまいたくなる。
「ごめんね、アイゼル。まさか、ノルディスに急用が入るなんて、思っていなかったんだよ」
「気やすく名前を呼ばないでよ!」
反射的に、ぴしゃりと言い返す。
言ってしまってから、少し後悔した。さっきまで、あんなにいい気分だったのに、どうしてわたしは、こんなとげとげしい気分になってしまっているのだろう。
エルフィールのせい?
そうだ。きっとそうに決まっている。
入学したての頃、最初に会った時から、虫が好かなかったのよ。入学試験の成績はビリから数えられるくらいで、寮にも入れなかったくせに、妙になれなれしくて。毎日のように、「一緒に採取に行こう」とか「図書館で勉強しようよ」とか、理由をつけては部屋に押しかけて来て、迷惑もいいところだわ。わたしはひとりでゆっくり勉強したいのに。
気に入らないのは、それだけじゃない。同級生だという理由だけで、ノルディスとも仲良くしている。クラスは違っても、優等生で首席のノルディスにふさわしいのは、頭脳明晰、容姿端麗(あら、ちょっとほめすぎかしら?)、血筋も申し分ないわたしのような女性なのよ。田舎者に用はないわ。
今回だって、「ノルディスと3人で、ヘーベル湖へ材料採取に行こう」って、しつこく誘ってくるから、仏心を出して承諾してあげたのに、ノルディスがドタキャンだなんて。信じられないわ。
エルフィールは手を合わせ、平身低頭している。
「ほんとにごめんなさい、アイゼル。ねえ、機嫌を直してよ。今度の時は、必ずノルディスを誘うから」
そんなエルフィールを見ていて、わたしは心の中でにんまりと笑った。ふとした思い付きだったが、考えれば考えるほど面白いと思えてくる。
「わかったわ」
わざと平静な声で答える。
それだけのことで、エルフィールはぱっと顔を輝かせた。ほんと、なんて単純な人かしら。
「よかったぁ。許してくれなかったら、どうしようかと思ってたよ」
あら、おあいにくさまね。「許してあげる」なんて、ひとことも言ってないわよ。
「それじゃ、今日の採取は中止ってことで。じゃあね」
「お待ちなさい」
出て行こうとするエルフィールを呼び止める。われながら、よくこれだけ冷たい声が出せるものだと感心してしまう。
「え? どうしたの」
「“中止”って、どういうことなの? わたしは、今日のために、何日も前から予定を変更して、準備していたのよ。それを無駄にしろと言うの?」
「だって、ふたりだけじゃ危ないよ。外には魔物もいるし・・・」
エルフィールが不安そうな声を出す。
「わたしの知ったことではないわ。それを考えるのは、あなたの役目でしょう!」
「そ、そんなあ・・・」
困った表情のエルフィールに構わず、わたしは自分の採取かごを取り上げた。
「さあ、つべこべ言ってないで、出発よ!」
振り向きもせず、アカデミーの正門の方へ向かって足早に歩いていく。
「待って〜、待ってよ、アイゼル〜」
情けない声を出したエルフィールは、後から追いかけてくるようだ。
ふふふふ、面白くなりそうだわ。
ヘーベル湖まで行って帰って来るには、何日かかかるわよね。エルフィールは魔物がどうとか行っているけれど、あの湖には子供の頃、何度も馬車で連れて行ってもらったことがあるもの。大丈夫よ。
これで、帰って来るまでの間、エルフィールは逃げられないわ。わたしとふたりっきり。
その間に、あなたの、そのなれなれしい態度を改めさせてあげる。これから4年間も、あなたのような鈍くさい人につきまとわれてたまるものですか。
(でも、本当にそれでいいの?)
心の中で、もうひとつの声がささやきかける。
(いいのよ)
わたしは無理やり、その声を押し殺し、無視した。
こうなったら、意地よ。目いっぱい、いじめて困らせてあげるわ、エルフィール。
そうでもしないと、気が済まないんだから。
Monologue−2
もう、どうしよう・・・。
アイゼルったら、どんどん先に行っちゃうよ。
外は危ないのに。アイゼルは、まだ採取に行ったことがないから、知らないんだろうけど、ザールブルグのすぐ近くの森にだって、オオカミが出るんだから。初めて出会った時は、足が震えちゃって、何もできなかったよ。護衛してくれた、冒険者のハレッシュさんが追い払ってくれたけど。
でも、今日は急に出てきてしまったので、護衛の人を雇っている余裕もなかった。
どうして、こんなことになっちゃったんだろう。アイゼル、なんであんなにムキになっているんだろう。
わたしはただ、アイゼルと仲良くなりたいと思っているだけなのに。
アイゼルと初めて会ったのは、入学式の数日後、アカデミーのロビーでだった。
同級生のノルディスと話していたら、急にピンクの錬金術服を着た女の子が割り込んできた。それがアイゼル。
初対面でいきなり、「ぱっとしない顔つきね」なんて言われて、びっくりしちゃって、何も言い返せなかった。ノルディスがかばってくれたのは嬉しかったけれど、そのせいで、アイゼルはかえって機嫌を悪くしちゃったみたい。
わたし、なにか悪いことをしたのかな?
何度も考えてみたけれど、わからない。
それから、アカデミーでアイゼルを見かけるたびに、声をかけるようにした。でも、アイゼルは心を開いてくれない。寮の部屋にも入れてくれたけど、世間話だけで、すぐに追い出されてしまった。
一緒に採取にでも行けば、環境が変わって、なにか話してくれるかもしれないと思って、何度も誘ったのだけれど、いつも冷たく断られてしまう。
そこで、考えた。
ノルディスが一緒なら・・・。アイゼルもノルディスには普通に口をきいたりしているみたいだし、ノルディスと3人で出かければ、わたしもアイゼルと仲良くなれるかも知れない。
ノルディスは、「ぼくでよければ、いつでも誘ってよ」と言ってくれていたから、安心して、アイゼルに先に声をかけた。それが失敗だったみたい。
ノルディスが一緒だと言ったら、いつもは「なんであなたと外に行かなければならないの」と断ってくるアイゼルが、しぶしぶながら承知してくれた。
それなのに・・・。
「ごめんね、エリー。イングリド先生に、急に実験の手伝いを頼まれてしまって・・・」
すまなそうなノルディスの声は、まだ耳に残っている。
「はああ・・・」
思わずため息がもれる。そこへ、アイゼルの声が突き刺さるように届く。
「エルフィール! 何をぼやっとしてるのよ! そんなことでは、湖に着く前に、日が暮れてしまうわよ!」
言い捨てると、アイゼルはすごい勢いで、街道を歩いていく。こちらを振り向いてもくれない。
まだ、怒ってるのかなあ。どうしたらいいんだろう。このまま、街へ帰っちゃおうかなあ。
・・・・・・。
ううん、そんなふうに考えてちゃだめだよ。
せっかくアイゼルと一緒なんだもの、いいチャンスだと思って、努力してみなくちゃ。
これからアカデミーで学ぶ4年間、こんな気持ちのままで過ごすのはいやだから。こんなことでめげていたら、マルローネさんのような立派な錬金術師になれるわけないもの。
「よぉし、がんばるぞ!」
木の杖を握り直すと、わたしは歩を早めた。
「アイゼル〜、待ってよ〜!!」
Monologue−3
「あ、隊長、お出かけですか?」
シグザール城の厩から、愛馬を引き出そうとしていると、当番の若い騎士見習いが声をかけてきた。
「うむ。少し、ベルグラド平原で足慣らししてくる。日暮れまでには戻るつもりだ」
「はい、いってらっしゃいませ!」
元気のよい声に見送られて、城門を出る。
外門までは、ゆっくりと並足で馬を歩ませる。石畳の道に、ひづめの音が響く。
道行く人々は、私に気付くと、手を振ったり、ささやきをかわしたり、さまざまな反応を示す。中には、頬を染めて花束や手紙を差し出す女性もいる。もっとも、そういったものは丁重にお断りしているが。
これらの人々は、みな愛すべきザールブルグの市民だ。かれらが幸せそうに、笑顔で過ごしているのを見ると、私の心も軽くなる。市民の安寧を守る・・・それが王室騎士隊の使命であり、ひいては私自身の存在意義でもあるからだ。
しかし、ここ数日は、いささか疲れた。半年に1回の魔物征伐の遠征が、間近に迫っている。騎士隊のメンバーにも入れ替わりがあったため、部隊の再編成もしなければならなかった。ゲマイナー卿やモルゲン卿にも協力してもらったとはいえ、騎士隊がちゃんと機能するか否か、責任は私の肩にかかっている。
心が疲れると、身体にも影響を及ぼす。王室騎士隊長たるもの、弱みを表に出すわけにはいかぬ。
そんな時、私は馬を駆る。
全力で疾駆する愛馬に身をゆだねる時、心は研ぎ澄まされ、迷いは消え去る。
外門を出て、馬首を東にめぐらす。街道をそれると、なだらかに起伏する大ベルグラド平原の緑の草の海が目の前に広がる。
鞭の必要はない。この馬は、私のことをよくわかっている。
「はあっ!!」
ひと声かけると、栗毛の馬は、その大きな身体に似合わぬ敏捷さで、すぐに走り出す。
早足・・・そして全速。
眼下の大地は飛び、切り裂かれた大気が風となって私の髪をなびかせる。が、私がまとった蒼き聖騎士の鎧がゆらぐことはない。
私と馬は一体となり、傍で見る者には、蒼き衣をまとった半人半馬のごとく映るやも知れぬ。
“ザールブルグの蒼の煌めき”・・・さる画家が、聖騎士隊を指して述べた言葉だ。美化しすぎという声もあるが、別に否定しようとは思わぬ。騎士隊の名が喧伝されるのは、よいことだ。その名にひるんで、盗賊や他国の軍隊がザールブルグを避けてくれれば、それに越したことはない。
戦わずして勝つ・・・それが武人の最高の奥儀であるからだ。
このような思いをめぐらしているうちに、馬はベルグラド平原を踏破していた。
手綱を引き、並足に戻す。
日は西に傾き、背中から私を照らしている。影が平原に長く伸びる。
前方に、ヘーベル湖の水面のきらめきが見えてくる。
そろそろ戻るか・・・。
馬の向きを変えようとした時、その悲鳴は聞こえた。
〜Evening〜
Monologue−4
ヘーベル湖の水面が、穏やかに広がって、さざ波が日差しを浴びてきらめいている。
上空を飛んでいた水鳥が、さっと急降下して、水しぶきを上げては反転していく。あれは餌の魚を獲っているのだろうか。
身をかがめ、打ち寄せる波に手を浸すと、気持ちのいい涼やかさが広がる。
自然に包まれると気持ちが落ち着く・・・と、なにかの本で読んだことがあるけれど、こういうことだったのね。
はっ、いけないいけない。こんなに和んでいる場合じゃないんだったわ。
少し離れた草原で、エルフィールがしゃがみこんでいる。ノートと首っ引きで、採った草が薬草かどうかを確かめているらしい。
ばかね、あの辺に生えているのは雑草ばかりよ。『ズユース草』とか『ミスティカ』を採取するのだったら、もっと水際に近いところに行かなくちゃ。あの子、ちゃんと本を読んでいるのかしら。
ここへ着いてからしばらくの間は、なにかと話しかけてきたエルフィールだけれど、ことごとく無視してやったら、ようやくあきらめたようだ。ふん、いい気味。
でも、こんなのはまだ序の口よ。
そろそろ夕方ね。次の作戦に取りかかろうかしら。
わたしは、ローブの裾に付いた葉っぱを手でぬぐうと、エルフィールの方へ近づいた。
「ちょっといいかしら、エルフィール?」
話しかけると、エルフィールはぱっと明るい表情になって、顔を上げた。
「あ、アイゼル、どうしたの?」
目が輝いている。さっきまで無視していたわたしが話しかけてあげたので、単純に喜んでいるのだろう。あまりにも素直で、人を疑うことを知らないような表情。それを見ていると、妙に落ち着かない気分になって、いらいらしてくる。
「エルフィール、お腹が空いてしまったわ。夕食の方はどうなっているのかしら?」
「あ、そうだね。そろそろキャンプの準備をしないと」
エルフィールはうなずいた。
「それじゃ、わたしは水を汲んでくるから、アイゼルは枯れ枝を集めてくれない?」
「何ですって?」
わたしは大げさに驚いてみせる。
「あなたは、わたしに召使のように焚き木拾いをさせようというの?」
「え・・・。だって・・・」
「だってもあさってもないわ! あなたがこの旅に誘ったのだから、食事の仕度もあなたがやるのが当然でしょう!」
わたしは高飛車な調子で言い募る。以前、おとぎ話の劇で見た意地悪姉さんになった気分だ。
どうしてなんだろう。あの劇を見た時は、主人公がかわいそうでかわいそうで、意地悪姉さんを憎らしく思ったはずなのに。
心の片隅では、こんなことを言って何になるのかという気持ちがかすかにあった。でも、言葉は止められなかった。
「でも・・・。ひとりでやるより、ふたりでやった方が早いし。それに、こういう場所では、助け合わないと」
ごちゃごちゃ言うエルフィールに、叩きつけるように言い返す。
「知ったことではないわ。用意できるまで、わたしはあの木陰で休んでいますからね。文句を言ってないで、さっさとやったらどう!? 日が暮れてしまうわよ」
「そんなあ・・・」
うらめしそうにこちらを見たエルフィールが、目を丸くする。
「ア、アイゼル、後ろ・・・!」
「何よ」
振り向いたわたしの目に、水色をした半透明の丸いかたまりがいくつも動いているのが飛び込んできた。デザートで食べるゼリーのような見かけだけれど、どうやら生きているらしい。ぷるぷると震えながら、意外なほどの速さでこちらに近づいてくる。ひとつひとつは、両手でも抱え込めないくらいの大きさだ。
「な・・・何なの、これ?」
「魔物だよ! 気をつけて、アイゼル!」
エルフィールの声が遠くで聞こえる。
わたしは、足がすくんで動けなかった。
いちばん近くにいた水色の魔物が、ぶるん、と震えたかと思うと、いきなりわたしの方へ突進してきた。
「アイゼル! 逃げて!」
「きゃあああっ!!」
激しい衝撃とともに、わたしは何もわからなくなった。
Monologue−5
大変だぁ!
あれは、“ぷにぷに”という魔物だ。見るのは初めてだけれど、酒場の噂話で聞いていたから、わかる。
アイゼルは、驚いたのと怖いのとで、動けなくなっているらしい。なんとかしなくちゃ。
でも、あんなにたくさんいるんじゃ、どうしたらいいの?
じりじりと近づいてきた先頭の“ぷにぷに”が、アイゼルに向かって突っ込んでくる。
「アイゼル! 逃げて!」
叫ぶと、わたしは杖をかざして魔物の注意をこちらに引きつけようとした。
でも、間に合わなかった。
「きゃあああっ!!」
“ぷにぷに”の体当たりをまともに受けて、悲鳴をあげながら跳ね飛ばされたアイゼルは、草むらに倒れこんだ。
「アイゼル!」
駆け寄ろうと思っても、手足が言うことを聞いてくれない。
倒れこんで動かないアイゼルと、迫ってくる魔物の群れをきょろきょろと交互に見つめることしかできない。
こんなところで、死んでしまうの?
しびれたように動かなくなっていた心の片隅で、ふとなにか別の動きを感じた。
ザザッ、ザザッ、ザザッ・・・。
そのリズムは、わたしの心臓の鼓動に合わせるように、大地を通じて響き、近づいてくる。
魔物の群れを、なにかを感じ取ったかのように、動きを止めた。
「そこまでだ!」
馬のいななき。
大きな影が、わたしの頭の上を飛び越えるようにして、“ぷにぷに”の群れの前に立ちはだかった。
日差しにきらめく、蒼と黒。
それが、聖騎士の鎧の色と、流れる黒髪だとわかったのは、しばらく経ってからだった。
わたしはなぜか、小さい頃に読んだおとぎ話を思い出していた。
主人公が危なくなると、必ず助けに駆けつけて来てくれる勇者・・・。
突然現れたその聖騎士さんは、大きな剣をすらりと抜いた。
わたしからは後姿しか見えないけれど、剣を構えて魔物をにらみつけているのだろう。
しばらく、時間が止まってしまったかのようだった。うまく言えないけれど、空気が張りつめて、今にもはじけてしまいそうだった。
「去れ・・・」
低いけれど、よく通る声が響いた。
ああ、なんてこと。信じられないよ。
その声を聞いただけで、魔物の群れは一斉に逃げ出してしまった。
あっという間に、あたりはさっきと同じ平穏さに戻っていた。
剣を鞘に収めて、聖騎士さんが振り返った。
うわ、大きな人・・・。
にこりともせずに、わたしを見つめている。
いちばん印象的なのは、その目だった。髪の毛もそうだけれど、墨のように、真っ黒。こんな髪と目の色をした人は、これまで見たことがないよ。
「あ、あの・・・。ありがとうございました」
声がかすれているのが、自分でもわかる。
「大丈夫か・・・」
その声を聞いて、安心感がどっと押し寄せてきた。
相手の目元が、わずかにほころんだような気がした。でも、気のせいだったかも知れない。
「あの・・・あなたは?」
わたしがこう尋ねると、聖騎士さんは眉をかすかに上げた。
「ふむ・・・。私を知らぬのか」
え・・・そうなの? この人って、有名人なの?
これまでに会った聖騎士と言えば、お城の門でいつも番をしている口の悪いあの人・・・ええと、何て名前だったっけ?
とても恥ずかしいことを聞いてしまったような気がして、しどろもどろになって答える。
「あの、わたし、ザールブルグに来て、まだひと月も経たないもので、それで・・・」
「そうか・・・。私はエンデルク・ヤード。王室騎士隊長を務めている」
ええっ!? この人が・・・!
名前は、街の噂で聞いたことがある。何でも、年末に開かれる武闘大会で12年連続で優勝している、誰もかなわない強い人だって。
わたしは、しばらくぼんやりしていたに違いない。エンデルク隊長の言葉に、ふとわれに返る。
「それにしても、ひとりでこのような場所に来るとは、あまり感心せぬな」
え・・・? ひとりじゃないよ。
そういえば・・・あ、アイゼル!?
驚くことの連続だったためか、アイゼルのことを忘れてた!
あわてて振り向き、草むらに倒れたままのアイゼルに駆け寄る。
「アイゼル! ねえ、大丈夫? 目を覚ましてよ、アイゼル!」
Monologue−6
不覚だった。
全身から気を発し、戦わずして魔物の群れを敗走せしめたことにわずかに慢心し、状況把握をおろそかにしてしまっていた。
オレンジ色の錬金術服をまとった少女・・・魔物に襲われていたのは彼女ひとりだけだと思い込んでいたのだ。
少女は今、ピンク色の錬金術服を着たもうひとりの少女を抱き起こそうとしている。私の到着前に、魔物の攻撃を受けたのだろう。
「アイゼル! ねえ、大丈夫? 目を覚ましてよ、アイゼル!」
悲鳴に近い声を上げている。
私はそっと近づき、かがみこんだ。
「落ち着け。動かしてはいかん」
アイゼルと呼ばれた少女は、気を失っている。胸はゆっくり上下しているので、呼吸はしているようだ。ざっと見た限りでは、大きな外傷はない。しかし、外からは見えぬ骨折や内出血があるやも知れぬ。それを確かめなければ。
私は、少女の錬金術服の襟に手をかけ、ぐいと引きおろそうとした。
「な、何するんですか!!」
元気な方の少女が、割り込んできた。私の手を振り払う。
どうしたというのだ。彼女は顔を真っ赤にし、目をつり上げて怒っている。
「だめですよぉ! いくら騎士隊長だからって、そんなこと・・・わたしが許しません!」
どうやら、私の行動を誤解したようだ。先ほども述べたように、けがの有無を確かめようとしただけで、ふしだらな意図など微塵もない。
そのことを告げると、少女は一瞬絶句し、恥ずかしそうにうつむいた。だが、すぐに顔を上げ、決然と言い放った。
「それなら、わたしが診ます。エンデルクさんは、あっちへ行っていてください」
ふむ、それも道理だ。まだ子供だと思っていたが、この少女、意外にしっかりしたところがあるらしい。
私は素直にその場を離れ、あたりを歩き回って、キャンプに適した場所を探した。日はすでに大きく西に傾いている。今夜はここで野営せねばならないだろう。
しばらくして、呼ぶ声が聞こえたので、少女たちのところへ戻る。
気絶した少女に大きなけがはないとのことだ。オレンジ色の少女は言った。
「わたし、故郷のロブソン村にいた頃はおてんばで、いつも男の子たちと野山を駆け回っていました。だから、捻挫や打ち身や骨を折ったりするのはしょっちゅうで、見ればわかるんですよ」
なるほど。そういうことなら信頼しても大丈夫だろう。経験で培われた知識ほど頼りになるものはない。
「あ、あの・・・」
おずおずと、少女が切り出す。
「これから、どうしたらいいんでしょう・・・」
「今夜は、野営するしかないな。明日になれば、そちらの少女も回復するだろう。私の馬で、一緒にザールブルグへ戻ればよい」
これを聞いて、少女は意外そうな顔をした。
「でも・・・いいんですか? 騎士隊長さんに、そんなことまでしてもらって」
「ふ・・・。気にすることはない。市民を保護し、安全を守ることが騎士の義務だ」
「は・・・はい、ありがとうございます!」
少女はぴょこんと頭を下げた。
「そういえば、まだおまえの名を聞いていなかったな」
「はい、エルフィール・トラウムです! エリーって呼んでください!」
〜Midnight〜
Monologue−7
どこからか、虫の音が聞こえてくる。あと、草が風にそよぐさらさらという音や、かすかに波の打ち寄せる響き・・・。
(う・・・。んん・・・)
なんだか、寝心地が悪いわ。初めてアカデミーの寮に入って、あの愛想のないごつごつした木のベッドで寝た時みたい。もちろん、すぐに実家からふかふかの羽毛布団を取り寄せたけれど。
身体の下がでこぼこしているし、くるまっているのも薄い毛布1枚だけみたいだ。
伸びをしようとしたら、背中と腰がずきずきと痛むのに気付いた。
ぼんやりと、目を開き、ランプに灯を入れようと、手探りする。ベッド脇のサイドテーブルに置いてあるはずのランプ・・・。
でもランプはそこにはなくて、手に触ったのは湿った草むらだった。
びっくりして、目が完全に覚めた。横になったまま見上げると、頭上には宝石を撒き散らしたかのような星空が広がっている。
(どこなの、ここは・・・? わたし、何をしているの・・・?)
痛む腰をかばいながら、毛布をのけてゆっくりと起き上がる。気持ちを落ち着かせようと深呼吸しているうちに、記憶が徐々に戻ってきた。
そうだわ。エルフィールとふたりでヘーベル湖に採取に来て、魔物に襲われたんだ・・・。
不意に怖くなって、あたりを見回す。
でも、周囲は静かで、何の気配も感じられなかった。
近くでは、焚き火の燃えさしがオレンジ色に光っていて、その周囲に採取かごや毛布が置いてある。
エルフィールの姿もなかった。
くぅ・・・。
わたしははっと顔を上げた。今の物音は何?
くぅ・・・。
もう一度、聞こえた。耳をすませるうちに、思い当たる。
わたしのお腹が鳴っていたのだった。そういえば、お昼のお弁当を食べたきり、何も口にしていない。エルフィールに意地悪して、夕食の準備を全部押し付けようとした時に、あの魔物が襲ってきたのだ。
そういえば、エルフィールは・・・? 彼女は無事だったのだろうか?
さらに耳をすませると、風に乗って、かすかなささやき声が聞こえたような気がした。
そろそろと、声が聞こえてきたらしい方角へ、はいずっていく。
背中や腰だけじゃなく、動かすと腕や足も痛む。
もう! 何でこんな目に合わされなければならないのかしら。みんな、エルフィールのせいよ。無事を確認したら、思いっきり文句を言ってやるわ。
ゆっくりと近づいていくと、こんもりとした茂みの向こうに座っている、ふたつの人影がかすかに見えた。ひとつは大きく、ひとつは小さい。小さい方はエルフィールだ。あのへんてこな帽子でわかる。
エルフィールが、大きな人影に話しかけている。
「・・・いいんですか? エンデルク様も、少しお休みにならないと」
「ふ・・・。気にすることはない。一晩や二晩の不寝番など、何の苦にもならぬ」
声と名前を聞いて、思い出した。エンデルクといえば、ザールブルグにひとりしかいない。王室騎士隊長にして、“ザールブルグの剣聖”と呼ばれる最強の剣士。実家で行われたパーティで、何度か姿を見かけたことがある。
どういうことかわからないけれど、きっと通りかかったエンデルク様が、わたしたちを助けてくれたのに違いない。
わたしは出て行こうとした。でもその時、またエルフィールがつぶやくように話し始めた。
「わたし、錬金術師に命を救われたんです・・・」
そうだったの。初耳だわ。わたしは興味をひかれて、そのまま耳を傾けることにした。
な、何よ。盗み聞きしようとか思ったわけじゃないのよ。ほら、よくあるでしょう、タイミングをはずしてしまうと、動くに動けなくなってしまうことが。
「それで・・・その人に憧れて、その人と同じような錬金術師になりたいって思って・・・。誰か他の人の役に立ちたい、自分の手で誰かを幸せにしたい・・・そう思って、アカデミーに入学したんです。でも・・・」
「でも・・・?」
「最初から、うまくいかないことばかりで・・・。あ、勉強のことじゃないんです。わたしはまだ未熟だし、実験も失敗してばかりだけれど、それはそれで、これから腕を磨けばいいって思ってました。けれど、アイゼルのことが・・・」
「アイゼル? ああ、おまえの友達のことか」
「友達・・・か。そうだったらいいですね」
「ん?」
「わたし、アイゼルとは仲良くなりたいんです。これから一緒に何年も錬金術を勉強していくわけですから。そう思って、よく話しかけたり、部屋を訪ねたりして。でも、いつも嫌味を言われてばかりで、嫌われちゃってるのかな・・・って。気持ちばかり先走って、空回りしちゃってるのかな・・・って。今回も、せっかく一緒に採取に来られたのに、こんなことになっちゃって」
そうよ。よくわかってるじゃない。全部あなたが余計なことをしたせいなんですからね。
エルフィールは続ける。
「身近にいる、たったひとりの心を動かすことも、理解することもできない・・・。こんなことじゃ、人の役に立てる錬金術師になんか、なれないよ・・・」
エルフィールの声がかすれてきた。
え? ひょっとして、涙ぐんでいるの?
エンデルク様が、そっと右手を伸ばし、自分の大きなマントで、傍らにいるエルフィールを包み込んだ。
「嘆くことはない・・・」
落ち着いた、低い声で言う。
「はじめは、誰もが無力だ・・・。私とて、最初からこのように強かったわけではない・・・」
「・・・」
「心を強く持て・・・。そして、自分を信じるのだ。アイゼルと言ったか・・・彼女も、いつか必ずわかってくれる」
「そう・・・でしょうか?」
「人の役に立ちたいというおまえの夢は、立派だ。その夢を追い続けることだ」
「・・・」
「私は、強くなりたかった。なにかを守りたかった・・・。そのために、自分を鍛えた。そして、今、ここにいる。一部かもしれないが、私の夢はかなえらえた・・・」
「・・・」
「私にできたことが、おまえにできぬ道理はない・・・。夢は、追いかけていれば、いつか必ずかなうものなのだから・・・」
エンデルク様が首を傾け、エルフィールを覗き込むようにする。
な、なんか、いい雰囲気ではなくって?
まあ、わたしには関係のないことだけれど。
「ふむ・・・。眠ってしまったか・・・」
エンデルク様がつぶやくのが聞こえた。
なんだ、そういうこと。やっぱり、エルフィールはまだまだお子様ね。さて、わたしもそろそろ戻って寝直そうかしら。
その時、突き刺さるような視線を感じた。わたしが隠れている茂みを、エンデルク様がひたと見据えている。
「出てくるがいい。盗み聞きは、あまりよい趣味とは言えぬぞ」
Monologue−8
あ、あれ・・・?
いつのまにか、眠っちゃってたみたい。
アイゼルのこととか、魔物のこととか考えて、眠れなくて、不寝番をしているエンデルク様のところへ話をしに来ちゃったんだよね。
それで、アイゼルのことを話しているうちに、悲しくなって、自分が情けなくなって、泣き出しちゃった。
エンデルク様が、マントをかけてくれた。すごく、あったかかった。
安心して、つい、エンデルク様にもたれて、うとうとしちゃったんだ。
でも、なんか話し声が聞こえるよ。あれは、エンデルク様と・・・アイゼルの声?
「だいたい、エルフィールときたら、なれなれしいのよ。成績最低、補欠でアカデミーに入学できた程度の田舎者のくせに、貴族のわたしに対等に話しかけようなんて、10年早いわ」
そんなこと言わないでよ、アイゼル・・・。また涙がにじんできた。
エンデルク様が低い声で答える。
「ふむ・・・。おまえの論法に従えば、私もおまえに対等に話しかけてはいけないということだな」
「え? どういうことですの?」
「私は、異国の貧しい村の出だ。誇るべき血筋など、かけらもない。親の名前も、顔すらも覚えてはおらぬ。シグザール王国では、得体の知れぬ流れ者に過ぎない・・・」
「そ、それは・・・」
「覚えておけ。血筋で人間の価値が決まるものではないのだ・・・。それに、貴族の血筋が重要だというなら、なぜおまえは、錬金術師になろうなどと思ったのだ? 貴族の娘として何不自由のない生活を送っていればよかったではないか」
そうか、アイゼルは貴族だから、普通に暮らしていればいくらでも贅沢ができるはずなんだ。なのに、なんでアカデミーに入ろうなんて思ったんだろう。
アイゼルのことをいろいろと知りたかったはずなのに、そんな基本的な疑問も思いつかなかったなんて。これじゃあ、友達失格だよね。
少しためらってから、アイゼルが答える。
「自分の手で・・・なにかを成し遂げたかったからです。世の中には、家柄や血筋ではどうにもならないことがある・・・。それを思い知ったのは、11歳の誕生日の、あの事件だったわ」
「あの事件・・・?」
「怪盗デア・ヒメルが、わたしの屋敷に押し入って、おばあちゃまが大切にしていた『精霊のなみだ』を盗んで行ったんです」
「ふむ、思い出したぞ・・・。たしかにそんなことがあったな」
「その時、おばあちゃまに言ったんです。錬金術師になって『精霊のなみだ』を作ってあげる・・・って。子供のたわいない決意だったのかも知れないけれど」
「いや・・・決して、たわいないことだとは思わぬ。その願いは純粋だ・・・。だからこそ、おまえも意思を曲げずにアカデミーへ入学したのだろう?」
「はい・・・。お父様やお母様には、ずいぶん反対されましたけれど」
「ふむ・・・」
しばらく黙り込んだ後、エンデルク様は口を開いた。
「どうやら、私が思うに、おまえの中には、ふたりの人間がいるようだな」
「ふたり?」
「うむ。ひとりは貴族のプライドを守り通そうとし、もうひとりはそのような枠から解放されたいと願っている・・・。どちらが真の自分なのか・・・それを決めるのはおまえ自身だ」
「わたし自身・・・」
アイゼルが、つぶやくように言った。
エンデルク様がうなずくのがわかる。
衣ずれの音がした。アイゼルが立ち上がったのだろう。
「わたし、疲れました。もう、あちらへ戻って、休みますわ。いろいろと考えたいこともありますし」
「うむ。それがいい」
しばらくして、離れたところから、もう一度アイゼルの声が聞こえた。
「あ、あの・・・。お礼を言っておきます。少し、気持ちが軽くなりました」
アイゼルは、キャンプに戻って行ったようだ。
と、エンデルク様がわたしの肩に軽く手をかけた。
「狸寝入りをしていても、わかるぞ」
はっとして目を開く。
覗き込むエンデルク様と、目が合った。
かすかに笑みを浮かべたその目は、とても暖かかった。
Monologue−9
気持ちのよい朝だ。
夜明けとともにキャンプをたたみ、出発の準備をする。
一晩休んで、けがをしたアイゼルも元気を取り戻したようだ。
ふたりを馬に乗せ、私は手綱を引いて歩くつもりだ。
「乗馬の心得はあるのか?」
という私の問いに、ふたりは異口同音に答えた。
「貴族のたしなみとして、乗馬は必須ですわ。ご心配なさらないで」
「子供の頃から、近所の農家の馬に乗って遊んでたから、大丈夫だよ」
さすがにふたりとも、私の愛馬ほど大きな馬に乗るのは初めてだったようだが、しっかりコツは心得ているようだ。これならば振り落とされる心配もあるまい。
「うわ〜、さすがアイゼル! 鞍にまたがる姿がさまになってるね」
「当然よ。あなたこそ、怖がらないでいるなんて、田舎育ちだけのことはあるわ」
「じゃあ、アイゼルが前に乗ってよ。その方が、身体が楽だから。まだ痛む?」
「余計な心配はしないでちょうだい。自分の面倒くらい自分で見られるわ」
「よし、出発するぞ」
しばらくの間、押し黙ったまま、平原を進む。魔物や盗賊の出る気配はない。
馬上から、ふたりの会話が聞こえた。
「あ〜あ、いい材料は採れなかったし、魔物には襲われるし、いいとこなしだったわね。時間をむだにしちゃったわ」
「ごめんね、アイゼル・・・。わたしが無理に誘わなければ・・・」
「本当よ。このままじゃ、気が済まないわ。いいこと、エルフィール。今度は、ノルディスと3人で来ることにしましょう。リベンジよ、よくって?」
「え・・・? 今、何て・・・?」
「もう! ひとがせっかく、また来ようって誘ってあげてるのに、鈍いんだから! あなたって、本当に友達がいのない人ね!」
しばらくの沈黙。そしてエリーの声。
「・・・。あ、ありがとう・・・アイゼル・・・。“友達”って、言ってくれたんだ・・・」
ふむ・・・。どうやらうまくいったようだ。
偶然が作用していたことは否めないが、昨夜の会話は、ふたりに良い影響を及ぼした。それは確かだ。
ザールブルグの平和と市民の安寧を守ることが騎士の義務なら、迷える市民を導き救うのも、騎士の役目・・・いや、この場合は男として果たすべき義務であったろうか。
エルフィール・トラウムとアイゼル・ワイマールか。このふたりの名は覚えておこう。
馬上からは、笑いあう声が聞こえてくる。
昨日、城を出る時に感じていたかすかな虚しさは、消えてなくなっていた。
このような遠出も、悪くはない。
<おわり>
<○にのあとがき>
「ふかしぎダンジョン」の8万ヒットは、ジャスト申告の方がいらっしゃいませんでしたので、ニアピン(80003番)のイッテツさんにリク権を差し上げました。
E氏命(笑)のイッテツさんですから、どんなお題が来るのかびくびく(おい)していたのですが、いただいたお題は次のようなものでした。
1.エリーとアイゼルがケンカして、それを隊長がなだめる。
2.エリーとアイゼルが、採取先で夜、隊長の過去の話を聞く。
さっそく思いついたのは、悪い癖で「じゃあふたつのネタを一緒にしちゃえ!」でした(汗)。
で、どうせならアカデミー入学直後の、交友値が低いエリアイでいこう!・・・と。
ちくちくとげとげ、サボテン女(笑)状態のアイゼル様を描くのは、難しいけれど楽しかったです。
万が一、「エリープラス」が製作されるようなことがあったとしたら、ぜひ入れてほしいイベントですね(笑)。
1年目の9〜10月にノルエリアイの3人で採取に行こうとすると、一定の確率でノルが「ごめん、急用ができちゃって・・・」と辞退。アイゼルが、それでも行こうと強く主張して、選択肢が。
「やっぱりやめよう」を選ぶと、イベント終了。ただしアイゼル様の交友値−10(笑)。
「よし、行こう」を選ぶと、ふたりでヘーベル湖へ。
魔物に出会って戦闘になり、アイゼルが先に気絶した時に限って、エンデルク氏が登場してイベント開始。で、夜のキャンプの一枚絵付き(ムービーなんて贅沢は言いません(笑))。アイゼル様との交友値+10。エンデルク氏との交友値+5。
・・・なんてね(笑)。
ちなみに、タイトルの「ナイト」は「夜(night)」と「騎士(knight)」の両方をかけております(←見え見え)。
書き上げてメールしたら、イッテツさんが感涙号泣してくださいました。こういうのは、作者冥利につきますね。嬉しいです〜。