松戸近辺について

 松戸の市街は古い方の橋である葛飾橋に近い方から発達している。旧水戸街道に沿って古いお店が今でも幾つか残っている。バイパスになっている今の水戸街道である国道6号線とJR常磐線の喧噪を余所に静かな佇まいを残しており、味わいがある。
 松戸で次に古い佇まいを残しているのが馬橋駅の周辺だ。昭和20年〜30年代の佇まいが今でも残っている。
 東京に近いのに凄くローカルな雰囲気のする町が流山だ。幹線から少し離れているせいもあって静かで独特な雰囲気を醸し出している。馬橋駅で接続している流山電鉄は長さが6.3kmと日本一短いローカル線ながら今でも走っている。
 松戸駅の近辺だけはリトル東京だ。密集度が高く、NYのマンハッタンのごとくどんどん高層ビルが増えている。松戸駅周辺だけ見たら墨田区や葛飾区の街より都会的だ。向島などは隅田川が近いのに街並みはとても古く、そこだけ時間の流れが止まっているようだ。平井も同じようなものだ。錦糸町や亀戸、新小岩などは賑やかだが、平井、小岩は時代から取り残されたかのごとく、ローカルな感じがする。住民しか街を歩いていないのかもしれない。 
 冬の夕暮れ時に6号線を東京に向かって車を走らせると、新葛飾橋の辺りで左の方に富士山が間近に見える。印旛沼の辺りから見える筑波山よりもずっと近く見える。
                           (2002年1月9日)
 千葉や佐倉、成田近辺から見たら、松戸も市川もほとんど東京と変わりないように見える。住んでいる住民はほとんどは他から移り住んできて住民の意識としては東京とあまり変わらないと思う。選挙などの時は千葉県の北西部である東葛飾地方の住民は「千葉都民」とも言われている。しかし千葉県北部には江戸川を境にして東京の葛飾地方と埼玉の北葛飾地方とでは明らかに違う点がある。それは台地と谷津の入り交じった下総台地特有の地形である。沖積世の平坦な土地が狭く、洪積世の台地の方の部分の方が多い。その点からすると、明らかに松戸も柏も野田も市川も千葉県なのだ。東京と埼玉の東部は江戸川や利根川、荒川の流域で沖積平野が広がり、江戸川区や江東区などはオランダのポルダーのようにゼロメートル地帯で土地は平坦でかなり低い。
                           (2002年1月16日)
目次へ戻る