□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ [2003/06/02]            【子 育 て 羅 針 盤】                              (第139号) □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□  喜んで行い,そして行ったことを喜べる人は幸福である。                            ・・・・・ゲーテ  喜んで育て,そして育ったことを喜べる親は幸福である。                      ・・・・・H.モリのクマさん ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ★ママの?★               『乱暴な子』                               (第09号) ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  ちょっとしたことでカッとなり,ものを投げたりつっかかったり乱暴な行動 をするお子さんがいます。親が相手のときにはいいのですが,友だちに対した ときにはけがをさせないか心配になります。どうしたものでしょうか?  はずみで思わずしてしまう,それがカッとなることの怖さです。一呼吸置い て落ち着くことがファーストステップになります。ママがそばにいたら,しっ かりと抱きしめて,乱暴な行動を封じると同時に,気持ちを静めるように導い てやりましょう。ママがカッとなって叱っては逆効果です。  カッとなるのは結果であり,ちょっとしたことで吹き出すというのは,不満 や不安がぎりぎりまで貯まっているからです。日頃の暮らしの中で,うっぷん が貯まらないように,小出しに発散させておけば,暴発は防げるはずです。  子どもが持っている欲求不満を解消し,甘えたい気持ちなどをその場で受け 止めてやります。ママがついつい言ってしまう「後で」というやり過ごしは, 子どもの小さな心をすぐに満タンにします。もちろん,その場限りの一貫性の ないしつけなども,不満を増殖することになります。  乱暴な子はそうせざるを得ない状況に追い込まれている,と考えてやってく ださい。乱暴な子はすでに自分の気持ちに痛みを感じているのです。ママの優 しい手を当てる,手当を待っています。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ★親の役割12講★        『明日を待つ 願いあるから がんばれる』                             《第11-09講》 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ■つれづれ・・・  卒業前の学生さんに就職への意欲がなくなってきました。昔流にいえばブラ ブラする,今風ではフリーターという立場を選ぶ者が増えています。何とか糊 口をしのげるということのようです。それでいいと考えているのか,そうせざ るを得ないのか,大人は子育てを再確認しておかなければなりません。  政府は小泉首相を中心に閣僚からなる青少年健全育成推進本部を設置するよ うですが,その背景としてフリーターの増加もあげられていました。定職に就 かないのは問題という捉え方ですが,就職難の状況ということがあるにしても, 若者自身の側にも就職意欲の低下が見られ,アルバイトでは専門的な技量の獲 得ができないという社会的なデメリットも想定されます。  業種にもよるのでしょうが,教え子たちは求人数が上回っているのにもかか わらず,フリーターを選んでいます。求人に応じない理由はさまざまですが, どうも自分が何をしたいのかという自覚がないようです。そのために,在学中 も自分に力を付けようという意欲が出てきません。何となくというフワフワし た状態で,手応えがありません。  何がしたいという目標が定まらないのは,取りあえずという生き方,育ち方 をしてきた結果です。取りあえず学校に行って,取りあえず進学して来たあげ く,いざ決断という局面でも,取りあえず卒業はしてという足踏みを続けよう とします。面白おかしく暮らしたいという思いだけはありますが,それが具体 的な願いにまで凝縮していません。  いつまでも親元でフワフワしていられるかのような錯覚から抜け出せないで います。欲しいものはバイトして稼げばいいとしか,設計していません。端的 に言えば,自分が家庭という城を築くという気概が見られません。パラサイト (寄生)志向は珍しくなくなったようです。いつまでも自立できない若者,フ リーターにはそんな孤独な意気地なしというイメージがつきまとっています。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  【質問11-09:お子さんの願いを認めていますね?】      ・・・・・「願いを認める」という意味を確かめておきましょう。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○星に願いを?    「星に願いを」というテーマ音楽がありました。ディズニー製作のわん    わん物語というアニメの主題歌だったと思います。太古から人は星に願    いを重ねてきました。流星の輝きに願いを唱えるとかなうという信仰も    あります。夜空の星が描く星座も,願いを込めた目に見えるイメージで    した。     家庭では,ママが輝く星です。子どもはママに願いを,と思っていま    す。ママが輝いているときとは,ママが笑顔を向けてくれたときです。    子どもはママの笑顔に素直な願いを訴えてくるでしょう。ママの顔が曇    っていると,子どもの願いは封じ込められます。     子どもがママに願いを伝える方法は,決まった形式があるわけではあ    りません。一組の子どもとママがそれぞれに作り出すものです。子ども    にとって,ママはオンリーワンの星だからです。子どもはママにだけ分    かって欲しいという願いを持っています。でも,どう伝えたらいいのか    分からない場合もあります。わざといたずらをすることもあるでしょう。    好きな子をからかったり,ちょっかいを出すことと同じです。ママは子    どもの願いを見逃さないように,きっちりと認めてやってください。     サンタクロースを信じて願いを託すこともあります。サンタクロース    は心の中で願っていることを分かってくれる不思議なおじさんです。子    どもは魔法が好きですが,それは自分の願いをかなえてくれる不思議な    力だからです。夕食に食べたいなと思っていたおかずをママが作ってく    れたとき,ママは自分のことを分かってくれているという不思議な力を    感じ取ります。     子どもには思いやりの心を持って欲しいとママは願っていることでし    ょう。思いやりとは,相手の願いをくみ取ってかなえてあげる行為です。    不思議な力なので,そう簡単に身につけることはできません。場数を踏    んで,自分の心に染み入らせなければなりません。たくさんの本を読ん    だり,パパとママの間に思いやりを見つけたり,豊かな思いやりに出会    えるような育ちが必要です。  ・・・《願いは念じていなければ,つかの間の星の輝きに間に合いません》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○3割?     願いと親戚関係にあるのが夢です。夢は遠くに,願いは近くにあると    考えることができます。実現の度合いによって区分けできます。子ども    が大きくなったらケーキ屋さんになるというのは夢です。たどり着ける    道ができていないからです。道がないという意味で,夢である宝くじと    同じです。     願いとは,自分がなにがしかの努力をする余地があるものです。自分    ではどうしようもないのが夢です。欲しいものがあるときに,お小遣い    を貯めて手に入れようとするのが願いです。もちろんその道がかなり遠    いということもあり得るでしょう。それでも,願いに向かう道がはっき    りしているのです。     ところで,願いはすべてかなえられるものではありません。いろんな    事情が絡まって,どうしようもないことがあります。そんなときは一時    中断することになります。あきらめる場合もあるでしょう。そこで願い    の実現度というものに対する理解をしておかなければなりません。どう    いうことでしょうか?     ママが手助けして実現できるような願いについて,願いが叶う割合を    3割程度に抑えておくことです。3度に1度はかなえられる,願いの成    就割合がその程度であることはママの人生経験からも妥当でしょう。そ    れ以上にかなえてやると甘やかしになります。何でも願いは叶うという    子ども時代をおくると,わがままに育ちます。     一方で,願いは叶わないとなると,願うことをあきらめ,努力をしな    くなります。夢を見るようになり,神頼みに,運任せになって堕落する    ようになります。ギャンブルに迷い込んだり,かすめ取ろうとする悪の    道に踏み込みます。自分で努力すればどうにかなるかも知れない,それ    は生きる道でもあるのです。     3割打者になろうとする努力を認めるのが,願いを認めることになり    ます。願いを認めるとはかなえてやるということとは違います。願って    いる努力が大事であると認めてやるのです。がんばってね,それでいい    のです。何もしないで願っているだけでは,認めようがありませんから    ね。   ・・・《幾ばくかの望みがあればこそ,人は願いに向けて努力できます》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  ○輝く願い?     願いは自分のことばかりではありません。ママは子どもさんに対して    たくさんの願いを持っていますね。子どもも夫婦が仲良くして欲しいと    願っています。時々見かける夫婦ゲンカも,もしかしたら自分がいけな    い子だからではないかと悩みます。子どもは自分勝手なものですが,悩    みも自分勝手な解釈をしていきます。     いい子にしているとママが喜ぶからと,ママの喜びを願いにして無理    をしてしまうことがあります。いい子がやがてぷつんと切れるのは,無    理が過ぎたときです。端からは虐待されていると見える子どもは,自分    が悪い子だからママにしつけてもらっていると思っています。結果とし    て,ママを庇っているのです。     子どもが草花を握りしめて家に帰ってきます。「ママに,はい」と言    って差し出します。お店にあるカタカナ名前のきれいな花ではないかも    しれません。でも,きれいだなと思った子どもは,ママにも見せてあげ    たい,喜んで欲しいという願いにかられて摘んできました。きれいな花    ね,ありがとう。そういって受け取ってあげることで子どもの願いはか    ないます。よかった,子どもはうれしくなります。     願いで最も美しいものは,「誰かに喜んで欲しい」という願いです。    願いには二つの道があります。一つは自分に向かう道です。誰しも自分    のために願うものです。でも,それだけでは願いが浅ましくなっていき    ます。わがままな願い,自分勝手な欲望,それは節度があってこそ生き    る縁になります。     自分のための願いを抑えるには,別の願いを両立させるしかありませ    ん。もう一つの願いの道,それが周りの人への願いです。ママが家族に    向けて抱いている願い,それは愛という願いです。愛という輝きを放つ    願いをしっかりと受け止めて,願いの素晴らしさを教えてやれるのは,    ママしかいません。願いを認めてやってくださいね。 ・・・《願いの道で迷わないように,ママはしっかりと道案内してください》 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞  《願いを認めるとは,人として幸せに生きる案内です。》 ※親としての最初の願い,それは子どもの名前に込められています。時代の風 を受けているとはいえ,こんな子に育って欲しいという願いは親の喜びでもあ ります。字画にこだわる親もいるでしょう。英語としての発音を考える親もい るでしょう。幸せを願うからです。  ところで,親の願いの通りに子どもは育たない,それが親の切実な思いでし ょう。名前負けをするという言われ方もあります。それでいいのです。願いは 自分で描き,決めて,目指すものです。形は変わっても,願いを持って生きて くれさえすれば・・・。  ゴヨウツツジが愛子様のお印です。わが子の花を選んであげてはいかがです か? 誕生花が誕生日に飾れるのでいいのかもしれません。  【質問11-09:お子さんの願いを認めていますね?】    ●答は?・・・もちろん,「イエス」ですよね! □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ★編集後記★  お届けした「子育て羅針盤」第139号は,いかがでしたか?  中部地方の方より講演のお申し出のメールがホームページから入りました。 ご返事のメールを出したのですが,該当なしで届きませんでした。届けていた だいたアドレスにミスがあったようです。ホームページのメールボックスから の送信なので,手がかりがありません。  返事を待っておられるかもしれませんが,どうしようもありません。気にな って落ち着きません。どうぞ,皆様方もメールを送信するときには,送信前に アドレスの確認をお願いいたします。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ※ご案内※  ●モリのクマさんのホームページは ・・・「徒然窓」=      http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear/   です。「子育て羅針盤」の「バックナンバー」,〜「掲示板」,     週刊「今週のコラム」,「子育ち12章(Ver.1〜9)」,     「子育て心温計」などの受賞論文,養育アンケート調査結果,     社会教育・ボランティア組織活動の指導者用テキスト〜    などを掲載しています。 ・・・是非訪ねてみて下さい。・・・  ●大小問わずPTAや家庭教育学級などでの《講演》のご依頼も承ります。   関心をお持ちの方は,メールで気軽にお問い合わせ下さい。   プロフィールをお知りになりたい方は上記のHPを参照してください。   なお,クマさんの本拠地は福岡市近郊です。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ☆予告☆  次号では,  【質問11-10:お子さんの逃げを抑えていますね?】 について考えます。どうぞお楽しみに! □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ○タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban] ○発行期日:2000年09月25日より,毎週月曜日正午 〇発行責任:モリのクマさん(詳細はHP「徒然窓」〜プロフィールに) ○著者連絡: mori-bear@mvd.biglobe.ne.jp  〇転載許可:必ず事前に,モリのクマさんまでメールのご一報を下さい。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 〇配信の協力を頂いている発行支援システム  ◆インターネットの本屋さん『まぐまぐ』= http://www.mag2.com/    登録・解除= http://rap.tegami.com/mag2/m/0000046251.htm  ◆メルマ***『melma!』= http://www.melma.com/    登録・解除= http://www.melma.com/mag/37/m00019737/  ◆読者と発行者を結ぶ架け橋『Pubzine』= http://www.pubzine.com/    登録・解除= http://www.pubzine.com/detail.asp?id=9104  ◆無料メルマガ発行サービス『メルマガ天国』= http://melten.com/    登録・解除= http://melten.com/m/2166.html  ※解除される方は,登録された配信先の解除手続きをして下さい。 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○