『キル・ビル Vol.1』は、ほんとにハチャメチャで何人ものを人を同時にバッサバッサと切り倒していくアクション復讐映画そのものでしたが、Vol.2は逆に一対一の戦いで、また肉体的と言うよりは精神的な部分が多く描かれています。Vol.1ではさわり程度しか語られていなかった復讐に至る背景や出来事が明らかになります。
私は断然セリフも多いし、Vol.2派です。
片目のエル(ダリル・ハンナ)がメモを見ながら毒蛇ブラック・マンバを語るのも、ビルの語るスーパーマンの話も、女殺し屋の「コングラチュレーション」も良かった。
キルビルVol.1と2を通して感じたのは、B級映画をこよなく愛するタランティーノが、彼の才能と愛情とリスペクトを込めて「わざと作ったB級映画」だってこと。
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ここからネタバレ(反転して御覧ください)
ブライドが棺おけに生きたまま入れられ、土深くに埋められるシーン。
何も映し出されていない真っ暗なスクリーンに、釘が打たれる音と、砂がかけられているらしき音、そして不気味な静寂。そして恐怖のあまり息が荒くなりハァハァという息の音だけが聞こえる状況は、まさに私が埋められたように感じた。なかなか巧い。
その焦りの中で、場面(ブライドの意識?)が突然過去の修行中にさかのぼります。
苦しい修行で会得したものを思い出し、急に落ち着きを取り戻し、自信に溢れた表情に変わるところ、よかったわぁ・・・。
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