バベル |
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★監督★ |
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★ストーリー★ |
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Miwaの感想 |
幾つかのストーリーを時間軸を前後にずらしながらリンクさせていく群像劇にありがちなスタイル。夫婦の危機を乗り越えるためにモロッコを旅する夫婦、その帰りをサンディエゴの自宅で待つ子供たちを預かるメキシコ人の乳母、日本で愛に飢えて爆発寸前のチエコと、妻の自殺後、娘の反抗に悩むヤスジロー。とそれぞれがバラバラの言語で綴られていますが、銃撃事件が彼らに影響を与えていきます。 凛子演じるチエコは必死で愛を求めながら、どうしようもない孤独に自分自身をコントロールできずにいる10代を、物凄い存在感で演じていました。主役のブラッド・ビットも2枚目俳優を脱ぎすた演技でしたし、乳母役のアドリアナ・バラッザの素晴らしかったですが、凛子がすべての役者を食ってましたね。 言葉が通じること=心が通じることではない。こんな当たり前のことをそれぞれのパートで上手に表現していると思いました。たとえば、バスのアメリカ人の乗客たち。被害者であるプラピも、他の乗客も言葉は通じるものの自分のことしか考えておらず、心の交流はない。でも現地のモロッコで銃弾に苦しむ妻に老婆が接する態度には、言葉が通じなくとも心が通じていたし。痛々しいほどの孤独と、疎外され理解されない苦しみを全身でぶつけてくる凛子に、若い刑事(二階堂智)が拒絶はしないが受入れもしないけれど、理解し優しく接することで凛子の心を癒すシーンも良かったです。 ラストの高層マンションのシーンは、バベルの塔を意識しているのでしょうか? |
評価 |
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