どんな映画か?と言われたら、「きれいな映画だ」と答えるかな。
チャン・イーモウ監督は「初恋のきた道」等の路線からはすっかり離れ、前作「HERO」でもそうだったけど、美しい映像に傾倒しているように思える。
シーン毎の1色だけの世界、ワダエミの衣装、遊廓“牡丹坊”のセット、竹やぶの風景、金城武の整った美しい顔、プロの舞踏家でもあるチャン・ツィイーが冒頭で踊る3メートルの袖を振っての舞い、それぞれが芸術的に美しかった。
だけど・・・
美人は3日で飽きるっていうじゃない。
それと同じで、美しい映像も、もうお腹いっぱい・・・。
だって・・・まずストーリーに説得力がない。
それと、最初の方の金城くん、演技下手すぎ。プレイボーイに見えないよ。
そりゃ金城君はかっこいいけど、それだけじゃ女は惚れないでしょ。
それぞれが企てる謀ってのが、ずいぶんローカルな戦いなんだな・・・これが。
いくらキレイな映像でも、中身がないとね〜。
名画と呼ばれる絵画には溢れ出るパワーがあり、人を惹きつける。
チャン・イーモウ監督は名画を作ろうとして、厚さ2センチの美術カタログを作ってしまったって感じかな。
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