[合戦場]
 
新井城にこもっていた軍卒はどっと打って出て、小田原勢を二町ほど追い立て激しく切り
尽くし、枕を並べて討ち死にした。三浦道寸は「今はこれまで」と思ったので、脇差しを
抜き、腹を十文字にかき切って、朝まだき野辺の露と消えてしまった。大森越後守、佐保
田河内守、同彦四郎、三須三河守なども十五人が思い思いに腹をかき切って枕を並べて横
たわった。そのほかの人々は、敵と組み討ちして死ぬ者もあり、刺し違えて死ぬ者もあっ
た。しかばねは大きな港の岸に散り、血は長大な城の穴倉に満ちあふれた。(忌古戦場文)

残念ながら、現在はマリンパーク駐車場、ホテルなどになってしまっており、當時の
様子を偲ぶことは難しい。

 

[油壺全景]