3.言い方に関する問題

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(正)(許)(△)(誤)のしるしの基準

(正)

規範的、標準的、一般的な形   国語表記の本則

(許)

現代仮名遣い・送り仮名の付け方など、国語表記の許容

(△)

やや一般的でない形  やや適切でない形  

(誤)

表記・用法上の間違い

 

(も)

(347)(正)妄評多罪(もうひょうたざい) (正)妄評多謝(もうひょうたしゃ)

(正)以上、今回の石川様のお作に対し、私の感想を述べさせていただきました。妄評多謝

(コメント:「妄評多罪」(「妄評」は「ぼうひょう」とも)は、「見当違いの批評をした多くの罪をおわびします」の意を表し、自分の批評をへりくだって、文末に置かれることが多い。(同意で、「妄言多罪(ぼうげんたざい)」ともいう。)これを冒頭例のように「妄評多謝」と書く人がいる。この語は「妄評多罪」の誤用から慣用化したものと言われる。「妄評多罪」が本来の言い方であるが、現在では「妄評多謝」も広く使われている。(「多謝」には、「厚く感謝し、例を述べること」と「深くわびること」の意がある。後者の意では、手紙などで、よく「乱筆多謝」とも使う。)

 

(348)(正)(も)え盛(さか)る /(△)燃え滾(たぎ)

(△)作家はその作品の中で、父親に対する燃えたぎる情念を赤裸々に描き出した。

(コメント:「燃え盛る」は、「勢いよく燃える。盛んに燃える。また、(比喩的に)ある種の感情・心情が激しく高まる」ことをいう。「男は燃え盛る炎の中に飛び込み、間一髪で子供を救い出した」「再三にわたって裏切られた彼の燃え盛る怒りは、容易におさまりそうになかった」。冒頭例の「燃えたぎる情念」の「たぎる」(「滾」は常用漢字でない)は、「(感情や意欲が)あふれるほどに強く沸き起こる」の意で「血がたぎる」などと使われることもあるが、本来は、「谷川の水がたぎり流れる」「やかんの湯が(煮え)たぎっている」など、液状のものにいう語である。そうした点を踏まえてか、新聞社発行の用語集には「燃えたぎる→燃え盛る(燃え立つ、煮えたぎる)」とある。「燃えたぎる」は使わないほうがよいということであろう。しかし、現在、「燃えたぎる」はかなり広まっている。)

 

(349)(正)諸手(もろて)を挙げて /(誤)両手を挙げて

(誤)新しい提案に対して、皆は両手を挙げて賛成した。

(コメント:「諸手を挙げて(賛成する)」は、「無条件に、または、心から(そのことに同意する)」ことをいう。これを冒頭例のように「両手を挙げて」と言うと誤りである。もっとも、実際に両方の手を挙げて背伸びをする(あくびをする)ような場合は、「両手を挙げて」でよい。なお、「常用漢字表」には、「諸」に「もろ」の読みは示されていない。)

 

(350)(正)諸刃(もろは)の剣(つるぎ)(正)両刃(りょうば)の剣(つるぎ)

(正)原子力の開発はよく両刃の剣と言われるが、日常私たちの使う薬にも、そうした面のあることを忘れてはならない。

(コメント:この語は「もろはのつるぎ」が本来の言い方である。漢字表記は「諸刃の剣・双刃の剣・両刃の剣」が用いられた。(「常用漢字表」には、「諸」「双」「両」に「もろ」の読みは示されていない。)近年、「両刃の剣」と書いて「りょうばのつるぎ」と読まれるようにもなった。国語辞典にも、「もろはのつるぎ」と「りょうばのつるぎ」の両方を掲げるものが多い。しかし、「もろは(りょうば)の‐けん(剣)・やいば(刃)・かたな(刀)」といった読みは一般的でない。この語の意味は、「(両方に刃のある剣は、相手を切ろうとして振り上げると、自分を傷つける可能性もあることから)相手に打撃を与えると同時に、こちらもそれなりの打撃を被るおそれのあること。役に立つと同時に、使い方によっては危険を招きかねないこと」を表す。)