3.言い方に関する問題

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(正)(許)(△)(誤)のしるしの基準

(正)

規範的、標準的、一般的な形   国語表記の本則

(許)

現代仮名遣い・送り仮名の付け方など、国語表記の許容

(△)

やや一般的でない形  やや適切でない形  

(誤)

表記・用法上の間違い

 

(り)

(369)(正)李下(りか)に冠(かんむり)を正さず /(誤)李下に冠を正す

(誤)「公職にある者は、業者などから贈り物があっても、決して受け取ってはならない。また、そうした業者は近づけぬことだ」「李下に冠を正すということですね」

(コメント:この言葉は中国の古楽府(こがふ)の一つ「君子行(くんしこう)」に見える。そこに、「学徳の高いりっぱな人物は、物事がまだ起こらないうちに気を配って用心し、他人から疑いを受けるような状況には身を置かないものだ。瓜畑(うりばたけ)では、その実を盗むのではないかという疑いをかけられないように、身をかがめて靴を履きなおしたりせず、李(すもも)の木の下では、手を伸ばして実を盗むのではないかとの疑いを招かないように、曲がった冠を直したりはしない」という話が載っている。そこから、「他人から疑われるようなことは、はじめから避けたほうがよい」というたとえに使われる語となった。「瓜田(かでん)に履(くつ)(=靴)を納(い)れず」でも同意となり、「瓜田の履」「李下の冠」や、四字熟語「瓜田李下」でも同意で使われる。例、「代議士たる者、瓜田李下の疑惑をかけられぬよう、慎重に行動しなければいけない」。冒頭例の「李下に冠を正す〜」は、以上のようないわれを知らず、「態度を正す」「誤りを正す」などと同じような感覚で言ってしまったものか。正しくは、「李下に冠を正さず(または、瓜田に履を納れず)ということですね」である。なお、「李」「瓜」は常用漢字でない。)

 

(370)(正)溜飲(りゅういん)を下げる /(誤)溜飲を晴らす

(誤)これまで何度対戦しても勝てなかった相手にやっと勝つことができ、チーム一同は溜飲を晴らした

(コメント:「溜飲」は、「胃の中から出てくる酸っぱい液」をいう。この液を下げることが「溜飲を下げる」で、「(比喩的に)不平・不満・恨みなど、それまで胸につかえていたものをはらい去って、気分をすっきりさせる」ことを意味する。「溜飲が下がる」の形でも使われる。例、「あまりにも態度の横柄な男に対する、彼のきっぷのいい啖呵(たんか)に溜飲が下がった」。これを冒頭例のように「溜飲を晴らした」と言うのはおかしい。「鬱憤(うっぷん)を晴らす」「気を晴らす」などとの紛れによる言い誤りか。なお、「溜」は常用漢字でない。)