1.書き方に関する問題
(正)(許)(△)(誤)のしるしの基準
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(正) |
規範的、標準的、一般的な形 国語表記の本則 |
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(許) |
現代仮名遣い・送り仮名の付け方など、国語表記の許容 |
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(△) |
やや一般的でない形 やや適切でない形 |
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(誤) |
表記・用法上の間違い |
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(け) (126)(正)軽率(けいそつ) /(誤)軽卒 (誤)一社員の軽卒な発言が客との契約を壊してしまった。 (コメント:冒頭例の「けいそつ」は、「軽率(=よく考えないで決めたり行動したりするさま。軽はずみなさま)」と書くのが一般的。「軽卒」は、「身軽な服装をした兵士。身分の低い兵士。足軽」の意。)
(127)(正)経理(けいり) /(△)計理 (△)私は商売上あちらこちらと飛び回ることが多く、店の計理は家内に任せています。 (コメント:「けいり」は、「経理(=筋道を立てて整えること。特に、財産の管理や、会計・給与などに関する事務処理)」が一般的。「計理(=数えて整えること。計算整理すること)」は、昭和初期「計理士法」の制定に当たって造られた語であるが、現在はほとんど使われない。「計理士」も「公認会計士」と呼ばれている。)
(128)(正)劇薬(げきやく) /(誤)激薬 (誤)激薬は慎重(しんちょう)に扱わないと危険である。 (コメント:「劇」は、ふつう「芝居」の意で使われるが、「はげしい。いそがしい」の意もある。「劇臭」「劇職」などがそれであり、現在では「激臭」「激職」と書かれることが多い。しかし、「劇‐」の慣用がいまだに一般的な語もある。「劇剤」「劇毒」「劇物」「劇薬」などがそれである。冒頭例の「激薬」は、まだ標準的な表記として認められていない。)
(129)(正)決着(けっちゃく) /(△)結着 (△)今回の将棋(しょうぎ)名人戦は、両者勝ったり負けたりの接戦を続けたが、第七戦でようやく結着を見た。 (コメント:「けっちゃく」は「決(き)まりが着(つ)く」ことで、「決着」が本来の正しい表記である。「結着」は、「結」に「終える。終わる」の意がある(結論・結末・終結)ところから、「決着」と同じ意味で書かれるようになった語。)
(130)(正)けりを付ける /(誤)蹴(け)りを付ける (誤)私は我々夫婦の問題に蹴(け)りを付け、新たに出直すことにしました。 (コメント:「けりを付ける」は、「なかなか決着のつかなかった物事を、なんらかの結論を出して終わりにする」意。「けりが付く(=決着する)」の形でも使われる。「けり」は、俳句などで最後に置かれることの多い助動詞「けり」を指す。したがって、冒頭例の「蹴りを付け」は誤り。空手(からて)などで「けりを入れる」とあれば、相手を足で突きとばすことであり、「蹴り」の漢字が当てられる。なお、「蹴」は常用漢字でない。追記―平成22年11月告示の新しい「常用漢字表」には「蹴」が追加された。)
(131)(正)巻雲(けんうん) /(△)絹雲 (△)上空高く絹雲が広がっていた。 (コメント:「けんうん(=5千〜1万3千メートルの高空に生じる繊維状の白雲)」は、「巻(ま)き雲」とも言われるように「巻雲」が一般的。「絹雲」は、かつてはよく見られたが、現在ではあまり使われない。しかし、常用漢字表の「巻」には「カン まく まき」とあり、「ケン」は示されていない。)
(132)(正)険(けん)のある目つき /(誤)剣(けん)のある目つき (誤)彼女は確かに美人には違いないが、少々剣のある目つきをしている。 (コメント:「険のある目つき」が正しい。「険」は、顔つきやものの言い方にあらわれる、冷たくきつい感じのこと。「険のある顔」「言葉に険がある」なども「険」であり、「剣(=武器の一つ)」ではない。)
(133)(正)研磨(けんま) /(△)研摩 (△)ダイヤモンドの研摩は高度の技術を必要とする。 (コメント:「研ま(=宝石・レンズ・刃物などをとぎみがくこと。転じて、研究などを深めること)」の「ま」は、「磨」とも「摩」とも書かれる。しかし、「磨」は「砥石(といし)でする」の原義を持ち(「摩」の原義は「手でこする」。「按摩(あんま)」)、「研磨」が一般的な表記である。かつて当用漢字に「磨」がなかったころは、同音の漢字による書きかえで、「研摩」が新聞などでも使われていた。現在の「常用漢字表」には「摩(マ)」も「磨(マ・みがく)」もあり、例欄に「摩擦・摩天楼」「研磨、磨く・磨き粉」が示されている。)
(134)(正)妍(けん)を競(きそ)う /(誤)絢(けん)を競う (誤)女子大の卒業式は絢を競うような華やかさに満ちていた。 (コメント:「妍を競う(=美しさ、あでやかさを張り合う)」が正しい。(「妍」は「顔や姿が美しい。見目(みめ)よい。あでやかである」の意。)例、「さまざまな花々が妍を競って咲き誇る」「世界の美女が妍を競うカンヌ映画祭」。「絢」は「織物の美しい模様。あや」の意で、「豪華絢爛(ごうかけんらん)たる(=はででぜいたくで、非常に華美な)衣装(いしょう)」などと使われる字。また、この語を「力や腕前を争う」意と勘違いして、「大勢の受験者が妍を競う試験会場」「政治家たちが演説の妍を競う」などと誤って用いる人もいるようである。なお、「妍」「絢」は常用漢字でない。) |