1.書き方に関する問題
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(正)(許)(△)(誤)のしるしの基準
| (正) |
規範的、標準的、一般的な形 国語表記の本則 |
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(許) |
現代仮名遣い・送り仮名の付け方など、国語表記の許容 |
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(△) |
やや一般的でない形 やや適切でない形 |
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(誤) |
表記・用法上の間違い |
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(せ)
(211) (正)清栄(せいえい) /(正)盛栄(正) 陽春の候、ますます御盛栄のこととお喜び申し上げます。(コメント:「御せいえい」は「御清栄」とも「御盛栄」とも書く。前者は相手の健康や繁栄などを祝うあいさつ語、後者は相手の事業が発展していることを祝うあいさつ語である。したがって、一般には「貴家(貴社)ますます御清栄の段大慶に存じます」などと「清栄」を使うが、会社・商店などに対しては「貴社ますますの御盛栄、慶賀の至りに存じます」などと「盛栄」もよく使われる。
(212) (正)精彩(せいさい) /(△)生彩(△) 今日のサッカーの試合では、自軍のフォワードが随所に生彩を放つプレーを見せてくれた。(コメント:「せいさい」は「精彩」とも「生彩」とも書くが、本来の表記は前者。しかし、現在では「生き生きとした様子・姿」の意で「生彩」が使われることも多い。新聞では「精彩」を用いる。)
(213) (正)青天(せいてん)の霹靂(へきれき) /(誤)晴天(せいてん)の霹靂(誤) 今回の突然の大幅な人事異動は、社員にとってまさに晴天の霹靂だった。(コメント:「せいてんのへきれき」は、「(晴れ渡った青空に突然とどろく雷鳴の意から)突発的に起こる大事件。予期しない出来事」のこと。「晴天」と「青天」とはほとんど同意の語であり、「晴天の霹靂」も全くの誤りとは言えないかもしれないが、本来の表記は「青天の霹靂」である。なお、「霹靂」はともに常用漢字でない。)
(214) (正)青天白日(せいてんはくじつ) /(誤)晴天白日(誤) それまで疑いをかけられていた彼女も、真犯人が名乗り出たことによって、ようやく晴天白日の身となった。(コメント:「せいてんはくじつ」は、「(青空に輝く太陽の意から)疑いが晴れて無罪になること。人に隠している悪い行いが全くないこと」をいう。「青天」と「晴天」とはほとんど同意の語であり、「晴天白日」も全くの誤りとは言えないかもしれないが、本来の表記は「青天白日」である。)
(215) (正)世界じゅう /(許)世界ぢゅう(許) 地球の環境問題には、世界ぢゅうの人間が関心を寄せる必要がある。(コメント:「世界中」「町中」「今日中」「一晩中」などの「中」を仮名で書く場合、「現代仮名遣い」によると、「じゅう」が本則であるが、「ぢゅう」も許容している。)
(216) (正)籍(せき)を置く /(誤)席を置く(誤) わたしは現在、総務課に席を置いています。(コメント:「ある団体の一員としての資格をもち、そこに名を連ねている」の意を表す「せきを置く」は、「籍を置く」が正しい。「席」は、「席を改めて検討しよう」「席を蹴 (け)って立ち去る」「席を外す」などと使われる語。)
(217) (正)折檻(せっかん) /(誤)折諫(誤) ふだんはおとなしい父だったが、わたしが母の財布(さいふ)からこっそり小銭を持ち出してゲーム遊びをしたとわかった時は、ひどく折諫された。(コメント:「強く諫 (いさ)めること。厳しく叱(しか)ること」の意を表す「せっかん」は、「折檻」が正しい。この語は、中国、漢の成帝(せいてい)の時代、自分が信任していた人物を朱雲(しゅうん)が侮辱(ぶじょく)したため、激怒した帝は、朱雲を引きずり出せと役人に命じたが、朱雲は宮殿の欄干(らんかん)(=檻)によじのぼってつかまり、それが折れてしまったという故事による。なお、「檻」も「諫」も常用漢字でない。)
(218) (正)節句(せっく) /(△)節供(△) 三月三日の節供には、ひな人形を飾り、白酒・菱餅(ひしもち)・桃の花などを供えます。(コメント:昔、人日 (じんじつ)(一月七日)・上巳(じょうし)(三月三日)・端午(たんご)(五月五日)・七夕(たなばた)(七月七日)・重陽(ちょうよう)(九月九日)などを祝って、特別の飲食物をとる風習があった。これらの祝い事をする日を節日(せちにち)と言い、この飲食物を「節供(せっく)」(「節日の供え物」の意)と言った。それから、その日(の祝い)を「節供」と言うようになった。したがって、本来の表記は「節供」。しかし、今では「節句」が一般的である。なお、現在「節句」と言えば、「ひな祭り」と「端午の節句」を指すことが多い。)
(219) (正)折衝(せっしょう) /(誤)接渉(誤) 道路拡張工事に反対する住民は、何度も県庁に出向いて接渉を重ねた。(コメント:「せっしょう」は、「(敵の衝 (つ)いてくる矛先(ほこさき)を折る意から)利害の一致しない相手と交渉すること」をいう。この語源に基づいた「折衝」が正しい表記。「相手に接して交渉すること」と思い、冒頭例のように誤記する人が多い。また、「折衡」と書き間違える人も多い。)
(220) (正)絶体絶命(ぜったいぜつめい) /(誤)絶対絶命(誤) 点差一点の九回の裏、わがチームはノーアウト満塁の絶対絶命のピンチに立たされた。(コメント:「ぜったいぜつめい」は、「体 (からだ)がそれ以上在り続けることができなくなること」の意の「絶体」と、「どうしても逃れられない困難な場合・立場にある状態」の意の「絶命」(ともに九星占いでいう凶星の名)とを合わせた語。「絶対に絶命すること」ではない。)
(221) (正)切羽(せっぱ)詰まる /(誤)切端詰まる(誤) お前のように切端詰まってから試験勉強を始めても、いい点が取れるはずはない。日ごろの努力が大切なのだ。(コメント:「せっぱ」とは、刀の柄 (つか)と鞘(さや)に接する鍔(つば)の両面につける薄い金具のことで、「切羽」と書く。この切羽が詰まると、刀の抜き差しがきかなくなる。そこから、「物事が差し迫って、どうにもならなくなる」ことを「切羽詰まる」と言うようになった。「切端」とは書かない。)
(222) (正)節(せつ)を曲げる /(誤)説を曲げる(誤) 自分の考えが生かされないとして党を飛び出た代議士が、いくらもたたないうちに、説を曲げて復党した。(コメント:「せつを曲げる(=今までの主義・主張を変える。自分の志を曲げて人に従う)」の「せつ」は、「みさお。節操」のことで、「節」と書く。)
(223) (正)千鈞(せんきん)の重み /(誤)千金の重み(誤) 文明が熟し、ただれきっている現代において、ルソーの「自然へかえれ」の一句は千金の重みがある。(コメント:「せんきんの重み(=非常に重いこと。極めて値打ちのあるもの)」の「せんきん」は、「千鈞」(「鈞」は目方の単位で、一鈞は三0斤)が正しい。ただし、「鈞」は常用漢字でない。)
(224) (正)善後策(ぜんごさく) /(誤)前後策(誤) 当初の計画が思いどおりに進まず、関係者は急いで前後策を講じた。(コメント:「ぜんごさく」は、「後 (あと)の始末(しまつ)をうまくつけるための方法。後を善(よ)くする策」のことで、「善後策」と書く。)
(225) (正)前車(ぜんしゃ)の轍(てつ)を踏む /(誤)前者の徹を踏む(誤) 前者の徹を踏んだ独裁者の末路は、実に凄惨(せいさん)なものであった。(コメント:「ぜんしゃのてつを踏む」の「ぜんしゃ」と「てつ」は、「前車」と「轍 (わだち)(=車が通った後に残る車輪の跡)」のこと。その「轍」を、(自己のしっかりとした考えもなく、ただ)たどって行くことから、前の人の失敗を後の人が繰り返すことのたとえに使われるようになったのがこの成句である。したがって、冒頭例の表記は誤り。なお、「轍」は常用漢字でない。)
(226) (正)洗浄(せんじょう) /(△)洗滌(△) 医者は急いで患者の胃の洗滌に取り掛かった。(コメント:「洗浄」は「せんじょう」と読み、「あらいきよめること」の意で、もと仏教語。「洗滌」は「せんでき」が本来の読みで、「あらいすすぐこと」の意。のち、「洗滌」は「せんじょう」とも読まれるようになった。現在は「洗滌」の意も含めて「洗浄」が一般的である。なお、「滌」は常用漢字でない。)
(227) (正)専門(せんもん) /(誤)専問(誤) あの医師は脳外科が専問です。(コメント:「せんもん」は、「専 (もっぱ)らにする部門」ということで、「専門」が正しい。「学問」の「問」などと混同しないように。)
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