3.言い方に関する問題
(正)(許)(△)(誤)のしるしの基準
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(正) |
規範的、標準的、一般的な形 国語表記の本則 |
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(許) |
現代仮名遣い・送り仮名の付け方など、国語表記の許容 |
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(△) |
やや一般的でない形 やや適切でない形 |
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(誤) |
表記・用法上の間違い |
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(す) (197)(正)酸(す)いも甘(あま)いもかみ分ける /(誤)酸いも辛(から)いもかみ分ける (誤)あの方は人一倍つらい人生を歩んでこられ、酸いも辛いもかみ分けた御仁(ごじん)ですから、きっとあなたにも役立つお話をしてくださるでしょう。 (コメント:人生経験が豊富で、世間の微妙な事情や人情の機微に通じ、分別があることを意味する慣用句は、「酸いも甘いもか(噛)み分ける」であり、「酸いも辛いもかみ分ける」とは言わない。)
(198)(正)すがすが(清々)しい /(△)すが(清)しい (△)老夫婦は高原の保養所ですがしい朝を迎えた。 (コメント:「真綿色(まわたいろ)したシクラメンほどすがしいものはない」という歌詞に出てくる「すが(清)しい」は、「さわやかで気持ちがよい」の意で使われているが、まだ一般的とは言えない。「すがすが(清々)しい」が標準的である。)
(199)(正)すっくと /(△)すくっと (△)その初老の紳士は何かにつまずいて転んだが、すくっと立ち上がると、何事もなかったかのように、またすたすたと歩きはじめた。 (コメント:「すっくと(=勢いよく、急に立ち上がるさま。また、まっすぐに立っているさま)」が本来の形(「すくと」の変化した語)。現在、「すくっと」と言う人がかなり多く、この形を付記する辞典もあり、例文の「すくっと」も全くの誤りとは言えないであろう。)
(200)(正)捨(す)てるに(は)忍(しの)びない /(△)捨てるのは忍びない (△)こんなにぼろぼろになってしまった英和辞典だが、受験勉強に励んだ青春の思い出が詰まっているので、捨てるのは忍びない。 (コメント:「忍びない」は、「見るに忍びない」「聞くに忍びない」など、「…に(は)忍びない(=…することに我慢(がまん)できない。それをすることがつらくて、耐(た)えられない)」の形で使うのが一般的である。例文の「捨てるのは忍びない」は熟した言い方でない。「捨てるに(は)忍びない」が適切である。)
(201)(正)すべき /(正)するべき (正)勤務上注意するべき事項を掲げる。 (コメント:「べき」は、活用語の終止形(ラ変型には連体形)に付く文語助動詞「べし」の連体形である。したがって、文語のサ変動詞「注意す」(終止形)に「べき」の付いた「注意すべき」が本来の形である。しかし、「べし(べき)」は口語中でも慣用的な形でしばしば使われ、この場合は口語の終止形に付けることもある。例文の「注意するべき」がその例。他に、「注目す(る)べき現象」「論ず(る)べき事柄。論じるべき事柄」「来(く)(る)べき人」なども、( )中の語を省いた言い方も( )中の語のある言い方もともに使われている。公用文では、サ変に付く場合は「すべき」とする取り決めがある。なお、「べし」を口語の終止形に付けて用いるのは抵抗があるという人も多く、やたらに使わないほうがよい。)
(202)(正)スポイルする /(誤)スポイルさせる (誤)現代では、見境のない親の溺愛(できあい)が子供をスポイルさせるということも多いようだ。 (コメント:「スポイル<英語 spoil>する」は、「親の過保護が子供をスポイルする」など、「AがBを甘やかしてだめにする」と他動詞的意味をもの語である。したがって、自動詞「堕落(だらく)する」「だらける」などと異なり(「堕落させる」「だらけさせる」という言い方がある)、「スポイルさせる」という言い方はしない。)
(203)(正)住めば都(みやこ) /(誤)住まば都 (誤)やって来た当初は東京が恋しく思われたが、住まば都で、今ではこの山村生活が気に入っている。 (コメント:どんなに辺鄙(へんぴ)な、また不便な所でも、住み慣れると都のように住みよくなって、離れがたくなるものだという意味を表す言葉は、「住めば都」である。「住まば都」は、同じ住むなら都がよいという意味の言葉であるが、現在ではほとんど使われない。「住めば都」も「住まば都」も文語形。)
(204)(正)…する前 /(正)…しない前 (正)この本は、教科書に入らない前に読んでおくと役立ちますよ。 (コメント:「教科書に入らない前」は、「入った後」との関連で言えば、「入る前」がぴったりする。しかし、「…しない前」は広く使われており、慣用的な言い回しとして認められている。「雨が降ってきたので、干し物を乾かぬ前(乾く前)に取り込んでしまった」なども同様。なお、「…しない前」は、「…しないうち」と「…する前」との混合による表現と思われる。)
(205)(正)寸暇(すんか)を惜(お)しんで /(誤)寸暇を惜しまず (誤)何事においても、寸暇を惜しまず努力する者が最後には大成する。 (コメント:「寸暇を惜しんで」が正しい。これは「骨身(ほねみ)を惜しまず(=労力やめんどうをいとわず、一生懸命に)」との紛れによる誤りか。もっとも、「寸暇を惜しまずして何をかなさん(=わずかな時間を大切にしないでいて、何をすることができようか。<いや、何もできまい。>)」のような場合は、「寸暇を惜しまず」でよい。)
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