4.意味・用法に関する問題

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(正)(許)(△)(誤)のしるしの基準

(正)

規範的、標準的、一般的な形   国語表記の本則

(許)

現代仮名遣い・送り仮名の付け方など、国語表記の許容

(△)

やや一般的でない形  やや適切でない形  

(誤)

表記・用法上の間違い

 

(て)

(150) 鼎談(ていだん)

(誤)急を要する重大な国際問題に関し、四か国の外相(がいしょう)による鼎談が、予定の三時間を超えて行われた。

(コメント:「鼎談」は、「三人が互いに向かい合って話をすること」をいう。したがって、冒頭例の「四か国の外相による鼎談」は誤りである。「鼎」は「かなえ(=三本の脚〈あし〉のある円形の青銅の器〈うつわ〉)」のことで、古代中国で、食物を煮炊(にた)きしたり盛りつけたりするのに用いられ、また、王侯の祭器・宝器として宗廟(そうびょう)(=先祖の霊をまつったおたまや)などに置かれた。なお、「鼎」は常用漢字でない。)⇒鼎立(ていりつ)

 

(151) 鼎立(ていりつ)

(誤)党内に鼎立する四派閥は、なかなか実質的な解消の方向に進まなかった。

(コメント:「鼎立」は、「円形の鼎(かなえ)の脚(あし)のように、三つのもの、三つの勢力が互いに対立していること(三者対立)」を意味する。したがって、冒頭例の「鼎立する四派閥」は誤りである。なお、「鼎」は常用漢字でない。)⇒鼎談(ていだん)

 

(152) 手が長い

(誤)あの男と将棋を指すのもいいが、じっくり型の彼は手が長くてね、昼休みは遠慮するよ。

(コメント:「手が長い」は、現在はあまり使われない慣用句であるが、意味は「人の物を盗む癖がある。手癖が悪い」ということ。例、「あいつは手が長いから、重要な物はちゃんとしまっておいたほうがいいぞ」。「一手一手に長考する」の意はこの語にない。)

 

(153) 敵(てき)ではない

(誤)プロ棋士は、アマチュアの二、三段の敵ではない

(コメント:「敵ではない」は、「自分と対等に立ち向かうことのできるような、力のある競争相手ではない」の意を表す(「敵」は「つり合う。相手になる」意)。「彼は僕の敵ではない」と言えば、「彼は、僕と対等に戦えるような力を持っていない。彼の力はたいしたことがない」ということ。冒頭例の言い方では、プロ棋士がアマチュアの二、三段より弱いという意味になってしまう。「アマチュアの二、三段はプロ棋士の敵ではない」であれば納得できる。)

 

(154) てっきり

(誤)最初から犯人はてっきりあの男だと思っていたが、案の定わたしの勘が当たった。

(コメント:「てっきり」は、「間違いなく。きっと」の意であるが、多く、確かだと思っていたことが、それとは反対の結果になった場合に用いられる語である。例、「今日はてっきり晴れると思っていたのに、午後から雨が降りだした」「てっきりばれたに違いないと心配したが、相手はまだ気づいていないようだった」「てっきり紛失したと思っていた(実際には後で見つかったということ)」。したがって、冒頭例のような使い方も全くの誤りとは言えないかもしれないが、違和感がある。)

 

(155) 手のひらを返す

(誤)今日(きょう)は早朝からざあざあ降りだったが、午後になると手のひらを返したような快晴となった。

(コメント:「手のひらを返す」は、人間が(他人に対して)態度や言葉を急変させるときに用いる慣用句である。例、「店が思わしくいかなくなったら、それまで頻繁に出入りしていた人々が、手のひらを返したように寄りつかなくなった」。冒頭例のような天候の急変については、「午前とは打って変わって(がらりと変わって。一変して)快晴になった」「午前の大雨がうそのような快晴になった」などが適切である。)