1.書き方に関する問題

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(正)(許)(△)(誤)のしるしの基準

(正)

規範的、標準的、一般的な形   国語表記の本則

(許)

現代仮名遣い・送り仮名の付け方など、国語表記の許容

(△)

やや一般的でない形  やや適切でない形  

(誤)

表記・用法上の間違い

 

(ま)

(342)(正)馬子(まご)にも衣装 /(誤)孫にも衣装

(誤)「孫の七五三でお宮参りですよ」「お嬢ちゃん、きれいに着飾って、孫にも衣装ですね」。

(コメント:「馬子」とは、「昔、駄馬(だば)をひいて荷物や人を運ぶのをなりわいとした者。馬方(うまかた)」のことである。そのような者でもりっぱな衣服を身につければ、ひとかどの人物に見えることから、「どうような(つまらぬ)人物でも、外面を飾ればりっぱに見える」の意で「馬子にも衣装」が使われるようになった。したがって、「まご」を「孫」と書くのは誤り。なお、上司や客など、敬った言葉遣いをしなければならない相手に対してこの言葉を使うと、相手を「馬子」にたとえることになるので失礼に当たる。)

 

(343)(正)交える /(誤)交じえる

(誤)両国はついに戦火を交じえることになった。

(コメント:「まじえる」(下一段動詞)の送り仮名に関する問題。「まじ」が語幹、「える」が活用語尾であるから、活用語尾の「える」を送るのが正しい。しかし、「まじわる」(五段動詞)は、「まじわ」が語幹、「る」が活用語尾であるが、「交る」でなく「交わる」と送る。それは、活用語尾以外の部分「まじわ」に「まじえる」を含むため、その「まじ・える」に準じて「交わる」とする。「交ぜる(ま・ぜる)」と「交じる(まじ・る)」との対応にも同じことが言える。)

 

(344)(正)まにまに(随に) /(△)間に間に

(△)沖に目をやると、波の間に間に小舟が漂っていた。

(コメント:「まにまに」は、「なすままに任せて。なりゆきに従って。ままに」の意を表す。「波のまにまに漂う」「風のまにまにふわふわと飛ぶ」などと使われることが多い。「波間(なみま)に見え隠れする小舟」などの言い方にひかれてか、「間に間に」と書く人が少なくない。これでも全くの誤りとは言えないが、本来は「随に」であろう。しかし、「随」は常用漢字表に音「ズイ」しか示されていないので、「まにまに」と仮名で書くのが適切である。)

 

(345)(正)磨滅(まめつ)(正)摩滅(まめつ)

(正)摩滅がひどくて、碑文の文字がよく読めない。

(コメント:「ま滅(=すり減ってなくなること)」の「ま」は、「磨」(原義は、砥石(といし)でする)とも「摩」(原義は、手でこする)とも書く。現在、ともに常用漢字であるが、当用漢字には「磨」はなかった。そして、「磨滅→摩滅」の書き換え字を使っていた。それに従った新聞は、今でも「摩滅」を用いている。「まもう」の「磨耗→摩耗」も同様。)

 

(346)(正)満場一致(まんじょういっち)(誤)万場一致

(誤)その議案は万場一致で可決された。

(コメント:「満場」は「満場の拍手を浴びる」など「場所いっぱい。場内の人すべて」の意を表し、「一致」は「意見の一致を見る」など「二つ以上のものの形・量・内容などが同じになること」の意を表す。「万」は「数の万(千の十倍)。多数」の意で使われる字であり、「満場」を「万場」とは書かない。)

 

(347)(正)満天(まんてん)の星 /(誤)満点の星

(誤)わたしも少年のころはよく満点の星を仰ぎ見ながら、清純な乙女(おとめ)との出会いなどを夢見たものでした。

(コメント:「満天の星」とは、「星が夜空いっぱいに輝いているさま」をいう。これを「満点の星」や「万天の星」と書くのは誤りである。また、「満天の星空の下(もと)」という言い方もおかしい。「空」が余計である。)