平成15年第4回船橋市議会定例会会議録(第2号・1)
 

議長(早川文雄) 日程に入ります。

 日程第1及び第2の議案9案を一括して議題とします。

 これより、質疑に入ります。

 通告に基づき、順次質疑を許します。

 中村実議員。(拍手)

[中村実議員登壇]

中村実議員 市清会、新風、緑清会、維新の会の4会派を代表いたしまして、議案質疑を行わせていただきます。

 項目が多岐にわたりますので、各議案を順々に、そして簡潔にお尋ねをしてまいります。

 まずは、15年度補正予算の生活保護費に関しましてお尋ねいたします。

 我が国の再生を期して、小泉首相の構造改革は日々断行されつつあります。骨太の景気浮揚政策が成果とあらわれるまでに、我が国全体で痛みを共有すべきである一方で、生活に困窮する方も少なからずおられます。このような現状だからこそ、生活、住宅、医療等々の扶助を履行することは一層重要とされるものであります。

生活保護制度は、憲法25条に明記されている生存権を実現するための制度の1つであります。さらに、生活が困窮となる方々に対し、積極的に自立支援を図ることも目的であります。これらの観点から、次の3点につきましてお尋ねをいたします。

 1点目ですが、全国的に保護者の増加は右肩上がりの状況が続いておりますが、本市に見る増加の傾向と保護が開始される具体的な理由についてお聞かせ願います。

 2点目ですが、保護者の方に地域的な特徴に起因する傾向がある場合、本市の場合はどのような傾向であるのか、特にほかの中核市との比較でお答えください。

 3点目ですが、近年いわゆるホームレスの方の救済として、社会福祉法で定める第2種社会福祉施設に入居し、生活保護の適用を受ける事例がふえておりますが、本市での実情はどのようになっているのかお尋ねをいたします。

 続きまして、予防費補正予算、予防接種費につきましてお尋ねをいたします。

 高齢者の方々がインフルエンザに罹患した場合に、肺炎等重症化の防止の観点から、平成13年に予防接種法が一部改正され、2類疾病の予防接種として実施をされました。今回、実施の増加が見込まれることから、補正予算額4300万円が計上されております。

 そこでお尋ねをいたしますが、本市では接種費用として1人4,500円として、被接種者負担を1,000円としており、残り3,500円を市負担としているが、委託単価と本人負担額の根拠についてお尋ねいたします。

 また、医療機関によって接種費用に開きがあることをよく耳にいたしますが、本市における現状はどうなっているのか、わかる範囲でお答え願います。

 続きまして、国民健康保険事業会計補正予算につきましてお尋ねいたします。

 国民健康保険が国民皆保険制度の根幹として、健康の維持に貢献している現状は言うまでもありません。一方、政府でも景気の低迷や高齢化の進展により、健保財政が危機的状況にあるため、医療制度改革を行い、長期的に安定した制度の創設を期して議論が行われるところであります。

 ところで、今回の補正予算の数字を追ってみますと、25億6630万円もの多額の補正を行うとのことであります。何ゆえに、かくも多額の予算を当初予算に組み込めなかったのか、理由をお聞かせ願います。

 続きまして、国民健康保険事業の財政は、加入者からの保険料が国からの負担金とともに主な財源でありますが、その他一般会計繰入金は今回の補正で6億5300万円、合計で24億9690万円と多額になっております。保険料収納率の低下がこの要因としてあげられます。市としましては、保険料収納に努力されていると思いますが、どのような対策をとっているのかお聞かせを願います。

 続きまして、第7号議案につきましてお尋ねをいたします。

 食品の安全性の確保を目的に、食品衛生法及びと畜場法が改正され、それに伴い条例の引用条項の変更でありますが、飲食店や食品製造業等への食品衛生の監視指導は、食品衛生法や本市の公衆衛生上の措置の基準に関する条例等により実施していることと思います。そこで、今後改正された食品衛生法や条例による監視指導をどのように実施していくのかお聞かせ願います。

 続きまして、第8号議案につきましてお尋ねをいたします。項目が多くなっておりますので、簡潔に質問いたします。

 まず第1に、交通共済・火災共済制度の発足当時に遡って、その目的をお尋ねいたします。

 次に、廃止の理由として、加入率の減少、特別会計の収支、バランスの悪化、民間保険の充実を挙げているが、このような収支はかねてより続いていたことは数字で明らかでありますし、廃止理由にかんがみても遅きに失したと言わざるを得ません。何ゆえもっと早い段階での決断に至れなかったのか、お尋ねをいたします。

 続きますが、加入率がこの10年を見ても、平成9年度をピークに毎年減少傾向にあるとのことですが、加入率向上の対策をどのようにとってきたのか回答をください。

 続きまして、廃止の理由として民間保険の充実があり、商品等もさまざまに展開されていますが、加入の現状等をどのように認識しているのか、回答願います。

 また、全国的にも同様の共済制度を実施している自治体はありますが、全国的な傾向及び近隣市の傾向はどのようになっているのか、回答を願います。

 また、今回の廃止の前提として、市民の方の意見は伺ったのでしょうか。伺ったのであれば、どのような結果を認識したかをお尋ねいたします。関連して、廃止となった場合、市民の方や加入者の方にはどのように広報を行うのかお尋ねいたします。

 続きまして、手数料条例の一部を改正する条例中の千葉県建築基準法施行条例に関しましてお尋ねいたします。

 昭和36年に条例が制定され、その後今日まで42年が経過しております。この間の経済社会の状況変化や建設技術の進歩等に合わせて、何回か条例改正が行われておりますが、今回条例改正となる理由はどのあたりにあるのか、回答を願います。

 また、知事の権限が市に委譲されるとのことですが、その主な内容としてはどのようなものがあるのか、お尋ねをいたします。

 続きまして、谷津幹線管渠築造工事の請負契約に関しましてお尋ねいたします。

 まずは、契約関係につきましてお尋ねいたします。この工事の入札は、談合情報のため入札がやり直しとなり、新たな入札には談合情報の際の入札に参加した企業は参加させないとして入札したと聞きました。入札の結果、契約金額は設計金額より約3億1700万円、また談合情報の際の入札より約2億300万円それぞれ低くなり、経費の節約となりました。営業戦略上とは推察はするものの、工事の中身への心配が頭をよぎります。

 そこで伺いますが、市は低い入札価格のため、調査した上で落札の決定を行ったと聞いておりますが、どのような調査を行ったのか、その内容を回答願います。

 続きまして、実際の工事、とりわけ安全対策に関しましてお尋ねをいたします。

 私自身、谷津幹線管渠に対しましての思い入れが強くあります。船取線沿いの税務署南側から北上、そして中野木交差点を東へと進められた工事を見学させていただきました。私たちの目になかなか触れない場面で、黙々と私たちの生活環境の改善のために進められていく工事に熱い期待を抱きつつ、進捗を追いかけながら今日に至りました。面整備の工事のつち音耳にしながら、工事現場の横を通り過ぎるたびに期待を新たにいたしております。

図面上で見ると、なるほどなるほどで納得する方も多いかもしれませんが、実に遠大なプロジェクトであります。また、工事を行う際の配慮を目の当たりにしながら、ほっとする場面も多くありました。この谷津幹線が上流から接続されようとしているこの工事には、一層の期待をするものであります。下水道事業が果たす生活環境の改善と公共の福祉の実現、そして川と海の水をきれいにする働きは、今後ますます重要であり、普及率と比例しての環境改善に期待するものであります。

 今回の工事地点は、前原東地域でありますが、3丁目周辺は大雨によりしばしば浸水被害を受けている地域であり、谷津幹線、とりわけ上流部の整備は、地域の方にとっては一日も早い完成が待たれている地域であり、私自身3丁目の多くの方々から強力に要請をいただいております。

 そこでお尋ねいたしますが、今回の工事の施工区間は、市道津田沼・前原線を起点とし、主要地方道長沼・船橋線の交差点を右折し、新京成の踏切の手前までの工事延長657.9メートルの間で行われますが、この区間は特に市道については狭隘で、歩行者と車の往来も多いものです。そして、何よりも前原小学校の通学路であります。県道についても、朝夕はもちろんのこと、昼間でも交通量が非常に多い主要幹線道路です。工事についても、現場の条件も非常に厳しいものとなることは明々白々であり、安全対策については特段の配慮が必要と思われますが、どのような対応を考えているかお聞かせを願います。また、工事車両の出入りとなる工事基地を含めた、周辺家屋等への環境対策に関しましてもお聞かせください。

 次に、管渠の整備に当たっては、現場状況を調査し、安全性と経済性を検討の上で工法も決定されるかとは思いますが、今回の工事は2つの工法が採用されております。この工法に決定した根拠と、工事の施工方法についてもお尋ねをいたします。

 最後になりましたが、私もその管の内部を縦横無尽に探検した3,000メートルの谷津幹線が、平成14年度に完了し、今年度より前原西地域については面整備が着手されております。また、今回の谷津幹線上流部の工期については、平成18年3月末と聞いておりますが、前原西及び東地域の整備完了見通しにつきましてお尋ねをいたします。

 以上で質問を終わります。

[福祉サービス部長登壇]

福祉サービス部長(加藤健) 生活保護費に関連しましての3点のご質問にお答え申し上げます。

 まず、生活保護者の増加傾向と開始理由ということでございます。

 本市の保護者の動向についてでございますが、バブル経済の崩壊後の社会経済の影響を受け、それまで減少を続けておりました保護世帯数及び保護人員は、平成6年度から一転増加に転じ、以降今日に至るまで増加を続けておるところでございます。保護率も平成5年の1,000人中3人に対しまして、15年9月では3倍近い1,000人中8.6人と増加をいたしております。こうした傾向は、本市のみだけではなく、全国及び千葉県におきましても同様の傾向を示し、今日では全国平均で1,000人中10人が保護を受けてるという事態となっております。

 こうした増加の理由でございますが、最大の理由といたしましては景気の長期停滞化にあると思っております。企業の倒産やリストラ等の進行は、完全失業率の上昇と、逆に有効求人倍率の低下となってあらわれております。また、少子・高齢化や核家族化の進展、離婚率の増加によります母子世帯の増加などが考えられると思っております。

 次に、本市の特徴についてでございますが、保護世帯数では中核市35市中7番目(12月2日「17番目」と訂正許可)、保護率では21番目とほぼ中間に位置しております。また、保護者の増加率は中核市での比較では高い方に属しますが、千葉県におきましてはほぼ中間となっております。

本市の特徴は一口で申し上げますと、傷病・障害世帯の割合が高く、中核市中3番目に位置しております。また、保護の開始理由では、傷病が原因であるケースが最も多く、全体の半数を占めており、このため医療扶助の受給人員も多くなり、その受給率は85%と中核市平均の80%より高く、さらには県平均の73%をも上回っている状況にございます。さらに、単身、つまりひとり暮らしの世帯の割合も全国や千葉県の平均を上回っており、こうしたことから本市の場合の生活保護を開始する理由といたしましては、リストラや収入減少よりも病気になって働けないという方々の世帯が多く、そうした方々が単身で生活しているということが特徴となっております。

 3番目に、第二種社会福祉施設の実態についてでございます。

 昨年8月、ホームレスの自立支援等に関する特別措置法が制定されたのに伴いまして、本年7月に厚生労働省と国土交通省によりホームレスの自立の支援等に関する基本方針が作成されたところであります。これによりますと、ホームレスに対する生活保護法による保護の実態に関する事項につきましても定められ、社会福祉法第2条第3項第8号に規定する無料低額宿泊事業を行う施設等について、ホームレス等の被保護者に対し、居住生活への移行を図るための支援を行う場所として位置付けられております。

 こうした施設が、千葉県におきましては13市ございまして23施設が開設されており、1,450人が入居してると聞いております。本市におきましても、NPO等2団体により3施設が開設され、現在約230人の方々が生活保護の適用を受けております。処遇に当たりましては、稼働年齢層である50代の世代が最も多いのですが、直前までホームレス状態であったため、心身ともに衰弱しているケースが多く、とりあえず窮迫状態を脱することを優先といたしております。その後、一般社会へ適合させ、かつ就労へと結びつけるなど、自立へ向けた指導、助言を行っております。

 本市が中核市へ移行したことにより、この事業の届け出に関する事務が委譲されたことに伴い、これまで以上に施設の健全運営と入居後の生活保護者の方々への積極的な自立助長を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

[健康部長登壇]

健康部長(金子正雄) 初めに、インフルエンザの予防接種についてお答えいたします。

 予防接種法に基づく高齢者のインフルエンザの対象者は、65歳以上である者、または60歳以上65歳未満の者であって、内部疾患の身体障害者手帳1級を所持している者とされており、市町村が実施主体として行うこととされております。接種費用につきましては、診療報酬点数等をもとに積算するとともに、近隣市町村の委託料等を参考に4,500円と設定させていただきました。

 費用負担に関しましては、予防接種法では実費を徴収することができるとされていること。また、インフルエンザはこれまでの乳幼児の麻疹、風疹等の予防接種とは異なり、個人予防目的に比重を置いた個人の発病、重症化防止とし、接種の努力義務は課されておらず、対象者が接種希望をする場合のみ接種することから、一部自己負担を導入いたしました。本市では、ワクチン代に相当するものとして、自己負担は1,000円と設定させていただきました。

 2点目の対象年齢外の方のインフルエンザ接種に関しましては、保険対象外の自由診療の扱いとなりますので、地域により、また医療機関により接種費用は異なっていると聞いております。

 なお、接種のため初回診察のケースですと、診療報酬点数に基づき初診料加算等考えられますので、5,000円程度の接種費用が予想されます。

 次に、国民健康保険事業の補正予算についてお答えいたします。

 今回の補正の予算を、当初予算に見込めなかった理由でございますが、療養給付費につきましては国民健康保険法の改正に伴う3歳未満児の一部負担が2割負担とされ、これに加えて本市の単独事業として4歳未満までを現物給付といたしております。また、70歳以上の方の一部負担を1割、一定以上所得の方を2割としたこと。加えて、高齢者医療制度の対象が5年間かけて75歳に引き上げられることになったことなどに伴う増加を当初見込んでおりましたが、これを上回る伸びとなり増額補正するものでございます。

 次に、老人保健拠出金でございますが、国から示された平成15年度予算編成方針に基づき予算を決めましたが、平成13年度分にかかわる補正係数が編成後に変更され、また現年度分も増額決定されたため、市としても増額をいたしたものでございます。

 次に、高額医療費共同事業拠出金につきましては、今まで県単独の事業でありましたが、平成15年度から国の制度となり、予算編成時に公金の交付率等、細部が決定されていなかったものが、予算編成後に決定され増額したものでございます。

 最後に、介護納付金でございますが、これも予算編成時には第2号被保険者の1人当たりの納付額が3万7800円と示されておりましたが、予算編成後に3万6513円に減額されたことなどにより、減額補正となったものでございます。

 以上のような歳出の補正額に合わせまして、歳入を見込みました結果、歳入歳出とも25億6630万円の増額補正となったものでございます。今後は、当初予算編成時の積算を十分に精査いたしまして、きちっとした見積もりをしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、2点目の保険料収納対策についてお答えいたします。

 国民健康保険事業における保険料収入は、事業を運営する上で重要な財源でありますが、長期に低迷する経済情勢の影響を受けて、収納率は低下の傾向にあります。このため、歳入の確保につきましては、種々の対策をとって対応いたしておるところでございます。

 初めに、納期限直後の督促状、その後の催告書の発送、夜間の電話による催告、平日・休日の臨戸徴収などを行っております。このような働きかけにもかかわらず、年度当初より第6期まで3期分以上滞納されている世帯を対象に、翌年度短期被保険者証交付対象者であるので相談していただきたい旨の事前警告文書の送付と相談期間の設定をし、その後に相談のなかった世帯、あるいは相談し、分割などによる納付の約束をしたにもかかわらず納付がなかった世帯などに対し、短期被保険者証を交付。期限の切れる前に再度相談期間を設定し、通知をしております。なお、この期間以外にも随時相談を受けて対応いたしております。

 これらの働きかけをしたにもかかわらず、全く接触ができなかった世帯に対しては、医療費を一たん全額負担していただき、後日払い戻しという被保険者資格証明書を一定の所得者以上の世帯に対し、これも発行の事前に弁明書の用紙を同封した警告文書を送付し、相談を受けております。しかし、これにもかかわらず相談のない世帯に対して、被保険者資格証明書を発行しております。

 なお、短期被保険者証の期限が切れたままの世帯、被保険者資格証明書の世帯で経済的な事情等により滞納したままの世帯で被保険者証が必要な世帯に対しましては、事情をお聞きした上で必要と認めたときは被保険者証を交付するなどの対応をとっておるところでございます。

 このほか、平成14年度からは習志野台出張所におきまして臨時窓口を開設し、納付相談と保険料の徴収を行っております。今年度に入りましてからは、4月に船橋駅前総合窓口センターが開設され、国民健康保険の窓口で保険料の徴収を行っております。また、被保険者が納め忘れることなく納付でき、あわせて確実な徴収手段である口座振替による納付推進を受付窓口などで継続的に勧めております。

 以上のようなものが、主な保険料収納対策でございますが、今後も負担の公平と適正な国民健康保険事業の運営のため努力してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 次に、議案第7号についてお答えいたします。

 食品衛生の監視指導についてということでございますが、改正前の食品衛生法では施設の種類ごとに立入検査の回数が定められており、食品衛生法や本市の条例の公衆衛生上の措置の基準等の項目について監視指導を実施してまいりました。今後は、地域の特性を踏まえた食品衛生監視指導計画を策定し、立入検査を実施していくことになります。

 なお、監視指導計画の内容は、厚生労働大臣が定める監視指導指針に基づき作成することになり、重点的に監視指導を実施すべき項目や食品等、事業者に対する自主的な衛生管理の実施についての指導などを定めることになります。

 また、計画策定に当たっては、その内容や必要な事項を公表し、広く住民の意見を求めることが食品衛生法に規定されました。本市におきましても、平成16年度の監視指導計画の策定に当たり、計画原案をホームページや広報を活用して広く市民の皆様からの意見を求めて計画を策定する準備を進めております。

 今後とも、食品の安全性の確保のため、監視指導計画に基づき監視指導に努めてまいりたいと思います。

 以上でございます。

[市民生活部長登壇]

市民生活部長(石井てる子) 議案第8号のご質問にお答えいたします。

 交通共済・火災共済制度の発足当時の目的についてでございますが、交通災害共済事業は昭和42年に発足いたしました。当時は、自動車損害賠償責任保険で救済を受ける場合、障害の程度に応じて加害者との示談、和解がスムーズに行われず、交通事故被害者の家族が入院加療の費用を一時的に用意しなければならないなど、悲惨な状態も多かったことから、そこで当面の生活費の窮状を打開、救済する方法としてこの制度が発足されました。

 また、火災等災害共済事業につきましては、生活様式の変化により都市ガス、プロパンガスが広く利用されるようになり、ガスに起因する被害も出てきたことから、交通災害共済と同様に被災直後の緊急的な資金とするため昭和54年に発足されました。

 次に、廃止の遅きの感についてでございますが、平成7年10月、行政改革推進委員会が取りまとめた「船橋市の行政改革の推進について」の意見書では、「事務事業について行政の責任領域に留意し、行政関与の必要性、受益と負担の公平確保、行政効率、効果等を十分吟味して、引き続き事務事業の整理合理化を図る必要がある」としており、この中で「交通災害共済事業は見舞金が会費収入を大幅に上回っているので、会費の見直し等を検討し、収支バランスのとれた健全な運営を目指す必要がある」、「火災等災害共済事業は、民間の保険が充実してきたことに伴い、加入率が低く横ばい傾向にあることから、廃止の方向で検討する必要がある」との意見が出され、平成8年2月に、船橋市行政改革大綱で業務内容を検討する事業の中に交通災害共済の見直し、火災等災害共済事業の見直しが表記され、この時点に事業廃止も考えられましたが、交通災害共済事業については共済見舞金の算出基準を療養に必要とする医師の証明日数から診療実日数に改め、また火災等災害共済事業については加入申込書及び啓発チラシを全世帯に交通災害共済事業と一緒に送付するなど、事業の健全化に努めてまいりました中で、今日に至っているのが実情でございます。

 しかしながら、交通災害共済事業の健全な運営に充てるための基金も、平成4年から9年度まで8000万円ありましたが、その後の取り崩しで現在は4720万円となり、今後の収支の改善も見込めないと考え、このたび廃止をお願いするものでございます。

 次に、共済の加入率アップにつきましては、見舞金の引き上げ、育英一時金の設置並びに引き上げ、加入申込書及び啓発チラシを全世帯に配布、加入金の受領行為を本庁及び各出張所の分任出納員制度から近くの市指定金融機関でも納付できる制度に改めるなど、市民の利便を図り、また、広報ふなばしや市のホームページにも掲載し、加入率のアップに努めてまいったところでございます。

 次に、民間保険の充実につきましては、社団法人日本損害保険協会の損害保険に関する全国調査報告書、2001年11月版でございますが、これによりますと、任意の自動車保険の加入率は、自家用車所有世帯の85.7%であり、その中で東京30キロメートル圏では、91.2%となっております。火災保険全体の世帯加入率は59%でございますが、また、持ち家世帯では67.7%となっております。持ち家世帯の中で、東京30キロメートル圏の世帯は特に加入率が高く、82.5%となっております。

 また、加害者からの補償の適用のないと思われる自転車の転倒や自転車相互の事故につきましては、事故の負傷に民間損保で市の災害共済制度と同程度の補償を得るには、月180円、年間2,160円になりますけれども、この程度の保険料となるとのことでございます。

 次に、全国的にもこのような共済制度を実施している都市があると思うが──全国的な傾向、近隣市の傾向についてでございます。

 交通災害共済の加入状況は、ここ10年間では平成9年度をピークに減少傾向が続いております。これは、全国的な傾向でございまして、平成15年6月1日現在で社団法人地方行財政調査会が交通災害事業について調査したところ、153市から回答があり、事業を実施している市が127市、既に廃止した市が21市とのことであります。21市のうち、ここ2年間で11市が事業を廃止しております。また、127市のうち、8割強の102市が12年から14年の3年続けて加入率が減少しており、全体に事業を運営していくには厳しい状況が続いているとのことから、札幌市、富山市など15市が廃止を検討中、廃止を含めた見直しの検討は、千葉市、横浜市、春日井市など6市とのことであります。

 次に、県内の近隣市のことでありますが、成田市は平成10年度に、習志野市は平成12年度に廃止しております。また、市原市は廃止を検討しております。廃止の理由といたしましては、民間保険制度の充実による加入率の減少、収支のバランスの崩れとなっております。市川市では、平成12年度より交通共済と火災共済と24時間対応の健康医療相談をセットにした「市川市あんしん共済」に制度を変更いたしましたが、加入率が平成11年度26.9%から12年度16.99%と大幅に減ったとのことでございます。

 次に、市民の意見といたしましては、加入率のアップの啓発を兼ね、毎年全世帯へ加入申込書及び啓発チラシを送付しておりますが、「郵送料がもったいない」、「税金のむだ遣いだ」、「民間の保険に加入しているのだから、このような制度は必要ない」とのご意見が毎年十数件寄せられております。

 そこで、本年7月に市民意識調査を実施いたし、無作為に抽出した3,000人にご意見をお尋ねいたしました。回答のあった1,463人のうち、共済に加入をしていない人は73.8%で、「共済制度を知らなかった」が28.3%、「両方の共済に加入していない」が45.5%と、加入率のアップのために加入申込書及び啓発チラシを全世帯に送付しても効果はあらわれないなど、関心の薄さが見られます。

 また、両方の共済に加入していない理由は、「他の保険等に加入している」が72.8%、「加入手続が面倒」4.2%、「見舞金が少ない」3.8%、その他15.9%、無回答3.2%となっております。「廃止した方がよい」が、合わせて39.7%と、「存続した方がよい」と回答された人の38.6%より若干上回っております。その他で回答された中でも、「独立採算で事業ができないのであれば廃止すべき」とのご意見もありました。

 最後に、今後、市民及び加入者に対する周知につきましては、市民全体には広報ふなばしでお知らせをし、また加入者につきましては、幼児から高齢者まで幅広いことや経費面の関係上、世帯主に事業の廃止、今後の対応等のお知らせをする方向で考えております。

 以上でございます。

[建築部長登壇]

建築部長(北村耕二) 議案第9号船橋市手数料条例の一部を改正する条例に関する所管事項についてご答弁させていただきます。

 議員ご指摘のとおり、千葉県建築基準法施行条例は、昭和36年11月10日に制定され、建築基準法改正の都度、条例改正が行われてきたところでございます。

 この一連の改正によりまして、規制緩和の一環といたしまして建築確認・検査業務の民間開放が行われてきたわけでございます。すなわち、民間の指定確認検査機関でも建築確認・検査業務が行えるようになったものでございます。このことにより、千葉県建築基準法施行条例の中で、多くの条文に見られます「その規定を適用しない」、あるいは「緩和する」などの例外規定の適用につきましては、民間の指定確認検査機関が行うのではなく、知事が認定する旨、明確にする必要性が生じたため改正されたものでございます。

 そして、2点目の千葉県知事から移譲される権限の主な内容につきましては、例えば大規模な建築物の敷地と道路との関係に関する制限の適用除外にかかわる認定、あるいは学校、体育館、病院等の敷地の接道幅に関する特例の認定等、知事が認定することとなっております12の項目でございまして、千葉県知事の権限に属する事務処理の特例に関する条例に基づき、船橋市ほか5市の特定行政庁を対象に平成16年4月1日から移譲されることとなるものでございます

 以上でございます。

[財政部長登壇]

財政部長(足立敏夫) 低入札の調査に関する質問にお答えいたします。

 この工事は、予定価格と低入札価格調査制度の調査基準価格の設定率85%を事前公表し、ダイレクト型一般競争入札として実施いたしました。入札の結果、低入札価格調査制度の調査基準価格の設定率85%を下回ったため、低入札価格調査実施要領に基づき、次の項目に従い調査をいたしました。

 初め、その価格により入札した理由、契約対象工事付近における手持ち工事の状況、契約対象工事に関連する手持ち工事の状況、契約対象工事箇所と入札者の事業所、倉庫等の関連、いわゆる地理的条件でございます。手持ち資材及び手持ち機械数の状況、資材購入先及び購入先と入札者との関係、労務者の具体的供給見通し、過去に施行した公共工事名及び発注者、経営状況及び信用状態等について、またその他の必要事項としてございます。

 低入札価格での理由といたしましては、大きく分けて2点ございます。

 まず第1に、営業戦略上の理由として、代表構成員の協和エクシオは、県内ではシールド工法の元請実績がなく、県内の受注機会の拡大を図りたいとしたもの。

 超急曲線工事の施工実績が平成18年3月で10年を経過するので、本工事により超急曲線工事の実績を確保したい。

 次に、シールド工事受給件数が極端に減少しており、社員間の技術の継承、技術力確保を主体とする。

 第2に、安価施工の可能な理由として、協和エクシオと構成員1の機動建設工業は、多くの推進工事の実績及び技術力を有していることから、安価な施工が可能である。

次の4点としまして、使用メーカーとは継続的に取引があること。シールド工事用資機材については、一通りの物品を保有していた経緯、また支払い条件等から安価調達が可能であること。使用物品については子会社であるエクシオ物流サービスを介することで、安価納入が可能であること。本JVは、推進工事を最も得意とする企業体で、施工ロスも少なく、安価な施工が可能で、本工事の完成後は営業PRとして使いたく、一般管理費も最低限に抑えたと、このような理由でございました。

 これらの事項について、低入札価格審査委員会において審査した結果、当該契約の内容に適合した履行がされないこととなる恐れがあるとは認められないという判断のもと、落札決定をしたものでございます。

 以上でございます。

[下水道部長登壇]

下水道部長(野村武明) 議案第10号にかかわりますご質問にお答えいたします。

 まず、通勤通学等の保護者及び車両通行等への安全対策についてでございますが、谷津幹線管渠築造工事の工事区間につきましては、ご質問者のおっしゃられるとおり、JR津田沼駅、新京成電鉄新津田沼駅に近接していることから、朝夕の通勤通学の歩行者、自転車、車両等の交通量が多い地域でございまして、主要幹線道路上での工事となりますことから、施工に当たりましては非常に厳しい現場条件にあると認識をしております。特に歩行者、通行車両への安全対策につきましては、作業基地を含めた立坑の設置の際に、市道津田沼・前原線の一部が通行どめとなりますことから、周辺住民には事前に工事の方法、交通処理方法などの説明を行い周知に努めるとともに、工事予告板、工事表示板、案内板などの設置、また交通整理員の適切な配置などを行いまして、歩行者、車両等の安全な通行を確保し、緊急車両などの対応につきましても注意しながら施工してまいります。

 次に、工事基地周辺家屋への環境対策につきましては、近接してマンションや住宅が建っておりますことから、特に夜間作業時におきます騒音による環境対策について、工事基地を高さ12メートルの防音フェンスで囲みまして、工事による騒音の低下を図ることとしております。また、工事基地への工事車両の出入りにつきましては、交通整理員の誘導によりまして第三者への安全対策と事故防止に努めてまいります。

 次に、工法決定根拠及び施工方法にかかわるご質問でございますが、下水道工事の工法につきましては、開削工法、推進工法、シールド工法の3工法に大別することができます。今回、この工事でシールド工法、推進工法の2つの工法を採用することとしましたのは、地域住民の主要な生活道路上に計画しておりますことから、歩行者、車両などの通行、地下埋設物のふくそう、また施工につきましても長距離となること、さらには曲線部があることなどの条件に加え、経済性、安全性を考慮いたしまして、条件を総合的に検討し、地域の生活環境に最も影響の少ないシールド工法、推進工法を採用したものでございます。

 また、シールド工法、推進工法の施工方法でございますが、本工事におきましては、民有地を借地いたしまして工事基地をつくります。この基地に立坑を築造いたしまして、立坑にシールド機、また推進機を設置いたしまして、油圧ジャッキにて推進させて道路地下にトンネルを築造する工法でございます。

 次に、前原西・東地域の下水道整備完了の見通しのことでございますが、ご質問者のおっしゃるとおり、平成14年度に谷津幹線が完了したことから、今年度から前原西地域の面整備に着手しております。引き続き本地域の面整備拡大を図り、浸水被害の早期解消に努めてまいります。

また、本議会に上程いたしました谷津幹線上流部の完成予定が平成18年3月となることから、その後上流域の面整備に着手する予定でございますので、前原西・東地域全体の整備完了予定につきましては、今後の財政状況などによりますが、おおよそ平成22年度ぐらいになるものと考えております。

 以上でございます。

議長(早川文雄) 中村実議員。

[中村実議員登壇]

中村実議員 1点だけ、国民健康保険事業会計補正予算に関しましてですが、保険料収入の確保のためのご尽力を改めて認識はいたしましたが、今後もまじめに納めている方々との公平を実現するためにも、一層の努力をされることを要望いたしまして、質疑を終わります。

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