18時48分開議

議長(早川文雄) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 日程第33の議事を継続します。

 中村実議員。(拍手)

[中村実議員登壇]

中村実議員 いろいろ、先番議員の質疑の中での重複の部分を避けまして、詳細な確認といったものは機会を改めて、またとらえて詳しく伺うこととさせていただきまして、若干視点といいましょうか、観点を変えまして、お尋ねさせていただきます。お世話さまでございます。

 今回は、監査を実施をされました作業の過程におきましてお感じになった点、大変漠とした内容になってしまうかと思うんですが、実際にその監査を実施をされた作業の過程でお感じになられたこと3点のみを簡潔にお尋ねさせていただきます。

 1点目は、資料の過不足といったものをお感じになるようなことはありませんでしたでしょうか。

 また、2点目は、資料の出し渋りといったものをお感じになるような場面はありませんでしたでしょうか。

 3点目は、継続性なき単年度主義会計につきましては、私自身も素人ではございますが、問題意識を有するものであります。公会計の監査を現状の体系を変えないままで、実施をされてのご所見をお聞かせいただきたいと思います。

 以上です。(「明瞭簡潔に質問してる」と呼ぶ者あり)

[包括外部監査人登壇]

包括外部監査人(前田勝己) お答えいたします。

 資料の過不足はなかったかと、作業の過程でですね。そういう大変ありがたいご質問なんですが、これは結果的にはなかったということです。というのは、やはり私どもが1人でやったわけじゃなくて、何人かのチームでやりましたので、やはりその多少なれてないというか、そういうこともあって、資料の要求が不十分だったんじゃないかと。それが後になって、いろいろこう不足分が出てきまして、追加でお願いするということはかなりありました。それは、市の方の責任ではなくて、私どもの責任だというふうに認識しております。したがって、提出資料の過不足はなかったというふうに思います。

 それから、出し渋りはなかったかと、出し渋ってから出してきたのか、気持ちよく出してきたのかわかりませんけれども(笑声)、とにかく結果的にはきちっと出していただいて、そういう意味では出し渋りはなかったというふうに私も認識しております。

 それから、公会計の監査をしてどう感じたかということですけど、どう感じたというか、やはり、やっぱりなという感じがちょっとありまして、企業会計をずっとこう見てきた人間としては、今の自治体の状況なり、その資料を見ると、やはりその大事な点がこう欠落しているというか、今はですね、そういう感じがします。ただ、問題は、それを補おうと思うと、これはまあちょっと大変なパワーが要るということだと思うんですね。

 ですから、その辺を、行政コスト計算書のようなものをつくって、ある程度その企業会計的な発想を織り込んで、それで計算してお示しするということになるんですけど、本来は、やはりまあそういうことじゃなくて、その計算体系そのものの中に、例えば減価償却費の問題とか、それから実際の資金の支出を伴わないような、そういうコストの問題を織り込んで計算するというのが本来のあり方だろうと思うんですけれども、そうなってくると、体系そのものをかなり根本的に変えてこないとできないし、簡単にはいかない話ですね。ですから、それの経過期間をどうするかということになっていくと、今よく言われる行政コストの計算で、その収支の中に入ってないものを織り込んでやってくると。ただ、その行政コスト計算書のやり方は、ある程度その前提条件をつくってやってますので、実際と結構違うんですよね。ですから、実際の計算をやった結果、例えば償却の年数とか、そういうのも結構荒っぽい計算で入れてますので、実際のところは、絶対的な真実性がそれで出るかということになると、やはりちょっと限界がある。やはり、実績の計算を集計してくる、その体系そのものが変わってこないと、なかなか正確なものが出ない。じゃあ、まあそういう体系は今あるのかというと、ちょっと今のところ、そういう形にはなってないというふうに言わざるを得ないと思うんです。

 それで、その辺のことを時は待ってくれないんですね。やはり、補完的にとりあえず対応しているというのが、今の状況です。

 それで、今のやり方だと、現状についての認識が非常にしにくいというか、それから収支の管理というものについて、予算がつけば、予算を実行するということでいきますので、やはりその辺のところはコントロールが非常にしにくい。予算の段階でコントロールはするんだけれども、それが終わっちゃうと、後は実行しかないということになる。その状態の悪さが企業の損益計算なんかだと、その都度出てくるわけですけれども、それが出てこないというような形になるので、やはりその辺のところは、今の体系の中では非常に限界があるということだと思うんですね。

 それから、先ほどご質問の中にも、他の先生のご質問の中にもあったんですけど、バランスシートの問題というのをやっぱりあわせて理解していかないと、本当のところはわからないということだろうと思うんですね。ですから、そういう意味からいくと、公会計の監査をしてどう感じたかというのは、やっぱり収支の会計そのものの限界を非常に感じたというか、ということだと思いますね。ですから、今やはり高度成長の時代からこういう時代になってきて、そのまあ右肩上がりというのがなくなってしまって、非常にそういう意味では厳しい財政運営をやっていかなくちゃならないというような時代になっていくと、やはり将来を楽観的に見てやっていくという方策は非常にとりにくい状況なんですね。ですから、そうなってくると、今の自治体の会計そのものだけでは、やはりその正確なところはわからないだろうということが、まあ正直言って、実感としては感じているということですね。

 そんなことで、よろしいんでしょうか。


最初の頁へ