平成11年第4回船橋市議会定例会会議録

1.行政改革について
 ・恩田木工「日暮硯」に学ぶ
2.人事制度について
3.公会計制度変革について
4.公共バス制度について
5.通学路安全確保について
6.中山地域の振興について
7.学校教育について
 ・学習指導要領について

●議長(米井昌夫君) 中村実君。(拍手)

[中村実君登壇]

中村実君 大変外も暗くなってまいりまして、皆さん、お帰りになりたいという顔をしていらっしゃる方もたくさんお見受けできますが、いましばらくおつき合いお願いいたします。本日のトリを務めさせていただきますふなばし21の中村でございます。前回は時間が足りなくなりましたので、今回はゆっくり質問させていただきます。

 それでは、通告に従いまして質問させていただきます。

 第1問目といたしまして、行政改革に関しましてお尋ねをいたします。

 船橋市におきましても、行政改革を実現するために、藤代市長を先頭に進行しつつあることは、だれもが周知のことでございます。費用対効果、すなわちコスト意識というものに疎いとしか思えない職員の方を探すということは、決して難しいことではありません。私の記憶が定かであれば、昨年の10月だと思いますが、「船橋市の財政状況」そう題しました文書が配付されたかと思います。この文書には、副題といたしまして「財政課から職員の皆さんへ」とあったと思いますから、全職員の方に配付されたのではないかと思っております。この文書、私も拝見いたしましたが、簡潔にわかりやすくデータを提示する内容でして、とても勉強になったことを記憶しております。私この文書を配付したことに関しまして、とてもその意義があると思っております。

 私もかつて会社勤めをしていた時分に、会社の、それこそ貸借対照表であるとか、損益計算書、あるいはその他もろもろの決算資料に目を通しているような人間というものは、確かに少なかったように思います。そういった人間というのは、大抵、例えばそういった自社株の持ち株会なんかに入っておりまして、自分がその重役になったり、役員になるときに、おれはこれだけ株を持ってるぞと、そんなことを言うための手段というふうな感じでしかなかったようでして、決算の内容といった、そういった内容自体には関心が余りなかったように覚えております。

 そしてまた、1つの会社の中が、いわゆる事業部制をとっていたために、自分のテリトリーを守ることに精いっぱいとなっておりまして、全社的な視点で数字というものをとらえることができなかったように覚えております。会社の業績よりも、例えば今夜、何を食べようか、何を飲みに行こうか、そういったことの方が大切だという方、これも決して悪いことではございません。しかしながら、会社の業績に貢献している人間がそう思うのは、これはいいことでありますが、利益をもたらさない人間が固定費や人件費を食いつぶす、そういう人間が確かにおりました。そして、今でもいるように聞いております。そういった人間ばかりだと、恐らくその会社は命取りになりかねない、そう思うのであります。(「今どき海外視察なんか行くのは、本当にコスト意識ないんだ」「気にしないでやった方がいいよ」と呼ぶ者あり)

 昨今のご時世かと思うんですが、これは民間企業も、役所とても全く同じであると、私思います。経営者や財務部門の人間や、そして前向きな社員だけが会社の財務状況を把握している会社が続々と、現在、倒れているわけでございます。「船橋市の財政状況」という文書があれば、例えば「船橋市の財政状況」ならぬ「我が社の財政状況」などという文書がもし配付されていたならば、危機感を抱く社員もふえ、何とかなっていたような会社も少なくなかったのではないかと、私思うものであります。

 平成10年度の性質別の歳出の構成を見てみますと、人件費が約409億円と、3割を占めているわけでございます。私は何も人件費を目のかたきにしているものではございません。しかしながら、409億円という数字は、前年度比マイナス0.61%でございます。このことは行政当局の尽力であることは、その尽力の結果であることは明々白々でございます。ご努力に対しまして敬意を表しながら、さらなる努力を期待するものでありますが、ここで改めて行政改革への意気込みと決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。

 先日、久方ぶりに岩波文庫の「日暮硯」を読み直してみたのでありますが、信州の松代藩を財政破綻のふちから救った恩田木工民親の政策とは、偉大なる行政改革であった、そのように思いますが、恩田木工の政治姿勢につきまして、どのようにお考えでいらっしゃるか、ご所見を伺いたいと思います。

 豊臣時代20万石を有しました真田家と申しましても、関が原の以降は外様大名の宿命をたどることになりまして、約30年の間に日光東照宮の修復やら、善光寺本堂の造営やらやら、さまざまな課役を命じられまして、幕府によって力をそがれていったわけでございます。弱り目にたたり目とばかりのたび重なる水害にも見舞われ、寛永4年の大地震がとどめを刺すことになりパンクをしてしまったわけでございます。そのさなかに財政再建を期するも、失敗に終わりまして、藩政は乱れに乱れた結果、足軽が1人残らず3カ月間近くも職務放棄をするなんていうことにまで至りまして、いわば無秩序と無気力が蔓延したわけでございます。それを見かねまして、第6代藩主の名君真田幸弘は、末席家老の恩田木工を、いわば行革特命大臣に起用したのでございます。その意気込みたるや、恐ろしいばかりでございます。妻には離縁、子供には勘当を申し渡し、親戚縁者と絶縁し、すべてを忘れて行政改革に取り組んだのでありました。確かにこれは現在の目線で物を言いましたら、やり過ぎにすぎない、やり過ぎにほかならないという意見も確かにございます。しかしながら、私、とてもすごい人だったんだなと思うのであります。

 全権を委任されまして、一切を自分の指揮下に入れることをだれもが認めると、やはりさぞかし人というものは張り切っちゃうんじゃないかなと思ったものでもございます。

 そこで、まずは今日、議場にこうしておそろいの執行部の皆様方に、私は何が何でも平成の恩田木工になっていただきたい、そう決意をいたしながら、そのように決意をいただきたいと、私、念願いたしながら、ご所見を伺うものでございます。(「自分がやった方がいい」と呼ぶ者あり)

 続きまして、公会計制度変革についてご所見を伺います。

 これは先番議員の質問にもありましたように、行財政改革の一環として公会計制度の見直しが叫ばれております。内容の重複が幾分ございますが、どうかご勘弁のほどお願いいたします。

 このテーマは、大変に奥の深い中身でもございます。私自身の不勉強を白日のもとにさらしかねないことでもありますので、今回は複式簿記制度の結果であります貸借対照表の導入、そして発生主義会計導入の2点に絞りまして、お尋ねをしていきたいと思います。

 収支会計というべき単式簿記と対比いたしまして、1つの取引を原因と結果の両面でとらえながら、いわゆる貸し借り理論に基づきまして仕分け処理する複式簿記を、自己検証能力を有する観点から、正規の簿記という言い方も確かにございます。その昔、ゲーテも人間の編み出した知恵の中で、最もすぐれたものの1つであると称賛するほどだったと、私かつて物の本で読んだことがございます。企業にとりましては、財政状態や経営成績を一覧表化して把握するための手段でもございます。それらの一覧表、いわゆる財務諸表の中で主なものが貸借対照表であり、損益計算書であるかと思います。我が国の公会計は、明治以来、単年度主義会計をベースとして収支計算の方式で歩んだわけでありまして、近代日本の発展に寄与したことは事実である一方で、発生主義に基づく複式簿記導入の是非の議論を、このところ多く耳にいたすものであります。

 先番議員の提案趣旨にも、私も大賛成でありまして、なおかつ私の持論でもございます。しかしながら、いざバランスシートを整備しようとなると、膨大で、そしてまた遠大な作業が待っているわけでございます。とりわけ資産の価値額をどうするかとなると、これはえらいことだと思いますし、減価償却の問題等々、障壁も確かにございます。さらにまた、大分県の臼杵市や福岡県の宗像市等々、実際にバランスシートの整備に着手している自治体もありますが、悩みは確かに尽きないようでございます。現在のバランスシート整備は、まちまちの判断基準によりまして、まちまちのフォーマットでなされております。このことは実にもったいないことであります。そしてまた、趣旨を損ねかねないことではないかなと、私思うものであります。やはり比較対照して初めて何ぼのものであると、そう私思うものであります。

 現在、国も前向きな方向性を打ち出しているときでもあり、こればかりは全国共通のものであってほしい、そう思うのであります。共通の様式であれば、移換用のソフトといった、そういったものも続々出てくると思います。にぎやかな商戦が繰り広げられるだろうなと、私その様子を思い描いたりもしているものであります。

 さらにまた、実際にバランスシートを作成しております宗像市では、残念なことに公表を控えているそうなのであります。それと申しますのも、市民の方はどうしても負債の方だけを見て判断して、不満に思われてしまう、それが原因であります。それゆえ、もう少し客観的、合理的に説明できるようになった時点での公表を考えているとのことであります。

 導入に向けましては、確かに障壁がございます。しかしながら、私個人的に導入すべしと考えるものであります。

 そこで、お尋ね申し上げます。仮定が前提となる話で、まことに恐縮ではありますが、国が共通のルールを整えた暁には、そしてまた、その移換用のソフトが町にはんらんするような事態になったならば、どのように対応されていくかにつきまして、お聞かせをいただきたいと思います。

 そしてまた、公会計の財務諸表として、貸借対照表が含まれてしかるべきかにつきましても、ご所見をお伺いしたいと思います。

 さらにまた、現行の現金主義会計に関しまして、発生主義と対比して……。

[発言する者あり]

●議長(米井昌夫君) お静かにお聞きください。

中村実君(続) どのようなご所見をお持ちかも、あわせてお聞かせいただきたいと思います。

 続きまして、人事制度につきましてお尋ねをいたします。

 船橋市には5,000人もの職員の方がおられまして、会社で言えば立派な大企業と言えますが、世帯がこれだけも大きくなりますと、組織として切り盛りしていくことは、並大抵のことではないと思っております。組織の力をどのように活用していくのか、その方向次第で、極めて有効な成果を生み出すか否かが決まってくるものと思います。費用対効果という観点から言えば、最大の効果を出していただきたいと、市民の1人として、納税者の1人として思うのでありますが、よい結果が生じていく過程には、職員1人1人のやる気と申しましょうか、士気といったものが、私大きくかかわっているものと考えております。そして、そのやる気といったものが、どのように醸成、醸し出されていくかということは、すなわち一層の勤労意欲の動機づけといったものが、どのような形でなされていくかが問われるものではないかと思うのであります。

 市民の方の信頼にこたえるときに、たまらなくやる気を感じる方も多いようであります。しかし、文字通りの官僚制であるわけであります。昇進できてうれしくないという人はそうはいないと、私思うのであります。組織で行動する一員であれば、その組織体の中で自分の動きが正当に評価され、認められたいと思うわけでして、認められると、俄然張り切ってしまうものであると思います。そうなりましたら、当人も充実して楽しく働きますし、そしてまた組織にとっても大変有益なことであると思います。市民の方の信頼や、上司や同僚や部下の信頼にもっともっとこたえていきたいと思うようになるものでありまして、実にすばらしい循環となって、いい結果を出してくれるものであると考えております。

 しかしながら、そういった評価のシステムというものがうまく機能しないというか、自分の努力とアウトプットというものを周囲がわかってくれない、評価されないとなると、士気はおのずと減退してくるものであります。もちろん評価というものは客観的になされるものでありまして、当人はどれだけ頑張っているつもりでも、結果が問われるものでありまして、その評価をする、その評価役こそが管理職であるわけでございます。

 そこで、お尋ねいたします。人事考課、その人事考課を行う上での理念とは何かということをお聞かせいただきたいと思います。

 さらにまた、昇進の問題についてお尋ねいたします。

 年功序列、いわゆるところてん式という言葉どおり、能力といった基準とは別に、ある一定のペースで昇格していくといった時代の常識が通用しにくい世の中に移行していくとは思うのであります。えらく出世が早い人もいれば、そうでない人もいるわけであります。早い人は、それはそれでおめでたいということになりますが、そうでない方の場合、本人もつらいでしょうし、経済的にも苦しくなりかねない問題であります。

 そこで、今後の行政運営を行うに当たりまして、その担い手となる職員の育成を図るとともに、その士気を高めることは必要不可欠であることは周知の事実であります。お尋ねいたしますが、この方法として、職員の昇進が大きな役割を果たしていると考えます。これを行う場合の理念や実態について、お聞かせをいただきたいと思います。

 これにて1問を終わらせていただきます。

[企画部長吉岡忠夫君登壇]

●企画部長(吉岡忠夫君) 行政改革につきましてご答弁をいたします。

 行政改革を遂行するに当たっての決意ということでございますけども、ご承知のとおり、本市の財政は、歳入の根幹でございます市税収入が大変、景気の低迷等によりまして影響しております。そういうことから、増収が期待できない状態になっております。一方、歳出におきましても、高齢化人口の増加、介護保険事業の開始等によりまして、今後も多額の財源が必要となってまいります。大変厳しい状況が続くことと見込まれております。

 このような状況下で、将来のまちづくりを着実に進めていくためには、職員1人1人がこうした状況をよく理解をしまして、日常業務の中でコスト意識を持って、費用対効果等の観点から事務事業の見直しを図るなど、より簡素で効率的な行財政運営を行っていくことが必要であろうと考えております。そのため、第3次行政改革大綱の目的達成に向けまして、全職員一丸となって行革を推進しているところでございます。

 次に、恩田木工の政治姿勢につきまして、執行部の全員の所見ということでございますけども、行革の所管でございますので、私から代表して答弁をさせていただきますけれども、恩田木工につきましては、人には寛容で思いやりの深い人であり、自己に対しましては極めて厳格な人であったというように理解をいたしております。本市の行政改革につきましても、恩田木工に学ぶべきものもございますので、参考の1つとさせていただきますけれども、妻の離婚であるとか、あるいは子供の勘当等につきましては、これは別だということでご理解いただきたいと思っています。

 以上でございます。

[財政部長織戸雅夫君登壇]

●財政部長(織戸雅夫君) ご質問いただきましたバランスシートに関するご質問にお答えをしたいと思います。

 バランスシートを導入するにつきましては、いろいろ問題があるということを、先ほども先番議員のご質問に対してお答えを申し上げました。最大の問題は、我々は資産をどう評価するかというところに1番最大の問題があるというふうに考えております。特にコストが余りにも膨大にかかるだろう。時間もかかる。そういうところに1番問題があるというふうに考えております。ただ、バランスシートの中では一覧性がありますから、非常に中身がわかりやすいというメリットがあるわけで、そういったメリットをどう公会計の決算をやりながら生かしていくかということが、今後の課題ではないかというふうに我々は考えております。

 それで、ご質問でありますけれども、国が共通のルールを整えたならば、そしてまたソフトが登場したならば、どのように対応していくかということでございます。これは本年度末に予定されております自治省の研究会、これは地方公共団体の総合的な財政分析に関する調査研究会というのが正式な名前でございますけれども、この報告、さらには2000年度に予定されておりますガイドラインの内容を十分吟味し、判断したいというふうに考えております。

 それから、財務諸表として貸借対照表が含まれてしかるべきかどうかということでありますけれども、貸借対照表につきましては、複式簿記との関連性が非常に、もちろん強いわけでございます。公会計については複式簿記は採用してないわけでございまして、この貸借対照表をそのまま持ってくるということは非常に難しいというふうに思っておりますが、ただ、この中で負債の部分について、一覧性がない今の公会計ではわかりづらいという問題がございます。したがいまして、既に船橋市としては、起債の残高についてはコンピュータで処理しておりますから、常時把握しておるわけでございます。そういったものを決算の附属書類として添付する、そういうのは法律上義務づけられておりませんけれども、そういったメリットを生かした形で取り入れていくということは可能であろうというふうに考えております。

 いずれにせよ、報告書を見た上で考えていきたいというふうに考えております。

 それから、現行の現金主義会計に関しまして、発生主義等を対比してどのような所見を持っているかということでございます。

 予算の確実な執行を第1といたします国や自治体にとりましては、現金主義は最も堅実な会計手法として大きな役割を果たしてきたところでございます。現行の現金主義と発生主義とを対比して、どのような所見を持つかということでございます。

 他方、発生主義といいますものは、利益を目的として、複雑な経済活動を行う企業の会計手法として発展してきたものでございます。状況と場合により、それぞれの長所が生かせるものと考えます。

 現金主義にはフローはあるけれども、ストックがないと言われるのに対しまして、発生主義では資産の状況がすべて記載されるという長所がございます。他方、発生主義では、資産の過大評価や収益の過剰見込みといった危険があるのに対しまして、現金主義ではそのような危険は少ないという長所があると言われております。(「そんなことないよ」と呼ぶ者あり)

 いずれにせよ、今後、引き続き国の動き等について検討してまいりたいというふうに考えております。(「滞納金出てるのは発生主義だよ」と呼ぶ者あり)

[総務部長川名部正一君登壇]

●総務部長(川名部正一君) 職員の人事考査、あるいは昇進の理念とその実態というふうなご質問にお答えさせていただきます。

 職員の昇任につきましては、地方公務員法や船橋市職員の任用等に関する規則に基づきまして、勤務成績や平等取り扱いの原則を基本理念といたしまして、能力の実証に基づいて運用しているところでございます。人事考査も客観的に正しい評価をしなければならないということは当然なことだというふうに思っております。行政運営というのは、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないものとされておりまして、この効率的な行政運営を行うためには、優秀な人材を育成しまして、公務能率の推進を図ることが不可欠であるというふうに考えております。

 こうしたことから、職員研修所での職員研修、あるいは職場研修を通しまして職員の育成に努めるとともに、人事異動等を通し、行政組織上の必要に応じまして、優秀な職員の登用、いわゆる昇任を行っておるところでございます。

 昇任の実態としましては、若年層の職員につきましては、職務とその責任の程度によって、一定期間を良好に勤務したことにより昇任することになっておりますけれども、病気等によりまして勤務を欠いたような場合には、昇任に個人差が生じる場合がございます。

 また、中堅以上の職員につきましては、世代別の職員数が偏重しておりまして、加えて市民ニーズの多様化、複雑化に伴う、より一層高い能力が求められておりますので、一定期間の勤務成績に加えまして、職務と責任に応じた業績等を考慮しまして、その昇任を行っておるところでございます。これらの勤務成績や業績等につきましては、所属長とのヒアリング、さらには報告等をもとにしまして判断しておるところでございますが、今後もより一層高い評定者の勤務能力が求められますことから、その方法につきましては、さらに研究してまいりたい、このように思っております。

[中村実君登壇]

中村実君 それでは、若干時間を見誤りますとえらいことになりますので、時間配分の関係で、項目7の学校教育に関しましてお尋ねをいたします。

 まずは、学習指導要領に関しましてお尋ねをいたします。

 昨今の教育の荒廃を目の当たりにしましては、秩序の大切さというものを、私思うものであります。やはり教育というものは、国家百年の計である、そう思うのであります。1つの国家を滅ぼそうとするとき、教育に照準を定めるということ、これというものは定石でございます。しかしながら、みずからの手でこの国を滅ぼそうとしか思えないような教育の実態というものをマスコミ報道で知るたびに、船橋では果たして大丈夫なのだろうかと心配になるのも、これまた事実でございます。立派な先生方がたくさんおられる船橋でありますから、杞憂にすぎないと言われるかもしれません。

 かつて、うちの子に限ってというような言い回しをよく耳にしたものであります。私、あの言い回し、どうも好きになれないものであります。子供に限らず、自分の会社や、自分の身内や仲間に使う人もよく見かけますが、果たして、限ってなど断言できるものなのかなと思うものであります。

 先生方に、私お会いいたしますと、よく先生方個人個人の教育指針といったものをお尋ねいたします。指針だなんてお尋ねいたしますと、逆におちょくっているのではないかと思われかねないものでありますが、皆さん言葉にされなくても、びしっとした指針というものを持っておられます。行動を見ておりますと、その先生方の立ち居振る舞いや、子供に対する接し方を見ておりますと、その指針というものは、黙っていても伝わってくるものでございます。そういった先生とおつき合いをいたしておりますと、船橋の教育というものは、実にすばらしいなと、私思うのであります。そして、そういったすばらしい先生方の周りには、常に子供たちが取り巻いておりまして、その先生の周りには、実に温かい空気といったものが包まれて流れているのであります。何とも言えないうれしい気持ちになるものでございます。

 指針を持っているような先生方に限りまして、指針だなんて、そんな大層なものはないよと、皆さんおっしゃいます。先生方は、皆さんそれぞれが自分の教育的な思いというものを実現しようとするために、子供と向かい合われているわけでありますが、どの先生方にも共通した指針であるというものが、私これが学習指導要領ではないかと思うのであるのでございます。私は学習指導要領が大嫌いだと、そんなふうにおっしゃる先生方も見かけます。しかしながら、私やっぱり守っていただかないと、この国の教育というものは空中分解してしまうじゃないかなと心配にもなるのであります。

 そこで、本日は学校教育現場におきまして、憲法に次いで大事な決め事であると言えましょう学習指導要領に対しましてのご所見をお聞かせいただきたいと思います。

 続きまして、日の丸・君が代の問題を申し上げます。

 続きまして、学校現場における国旗・国歌の取り扱いについてお尋ねをいたします。

 私、近ごろ、最近とても気になるのでありますが、外国の知人、友人と話しをいたしておりますと、自分自身というものが国旗や国歌というものに対して、大変な音痴であるということを思わざるを得ないのであります。外国の方とのおつき合いの上では、思わぬエチケットの落とし穴といったものもよくあるものでございます。公式なところであればあるほど、国旗や国歌の登場というものがございます。ちょっとしたパーティーなんかでも、その辺に転がっているような紙を切ってきて日の丸をこさえてくれたりするようなときがございます。そんなときに、私とってもいいなと思うわけでございます。やはり外国の方から見れば、私と言えば日本人、そして日本人と言えば日の丸と、世界の人は認識しているのであります。

 例えばそういうシチュエーションのようなときに、日の丸嫌いな人は、こんなときに、例えばそういう外国人に対して食ってかかるのかなとか、私思ったりもいたします。逆に、そういった外国人相手に文句を言って食ってかかるようであったら、私、見上げたもんだと、後になって思ったりもするのでございます。(笑声)

 いわゆるプロトコルとでも言うのでありましょうか、例えば外国のお客さんを迎える場合、相手の国旗はテーブルにどんなふうに置いたらよいのか、意外とわからなかったりするのでございます。これからの子供たちは、日本人、外国人の区別なく接することができないようじゃ、話にならないわけでございます。こういうマナー、エチケットというものを心得ておかないと、世界に出て外国に行ったとき、その子供たちが笑われちゃって、私、実にかわいそうなことになってしまうのではないかと思うものであります。(「日の丸は関係ないんじゃないの」「今まで笑われたのか」と呼ぶ者あり)

 以前、かつて、以前、とある、名前はあえて申しませんが、日本を本当に代表する大企業の工場に、ドイツの方と私、お邪魔をしたことがございます。先方は、歓迎の意味で日本とドイツの両国の国旗を、ちょうど玄関のところのポールに掲揚していてくれたのでありますが、国旗の掲げ方にルールといいますか、そういったマナーがありまして、そのやり方が違うらしい、そのように、私言われました。私はそのとき、そんなふうに言われましても、全然気がつきませんでしたし、一々細かいことで、まあいいじゃないかと思ったのでありますが、見ている人は確かに見ているんだなということを気づかされたものでありました。

 そんなこんなもありまして、最近は割と国旗・国歌というものを気にするようになったものであります。私、各国の事情を聞いてみたりもいたします。外国人をつかまえては、あなたの国ではどんなふうにやっていますか。よく聞いたこともございます。例えばアメリカ人なんて、子供もとっても立派なものでありました。小さいころからちゃんとした考えを持っておりますし、例えば日本の国歌であります君が代と比べたら、えらい勇壮な歌詞を――アメリカの国歌なんて、大変勇壮なものであります。日本の国歌と比べれば大変反平和的であるような、そういうふうに私など思ったりもいたしますが、そういった勇壮な歌詞というものを大変誇りにしているわけでございます。私そういった子供なんかと接しますと、とてもある意味で恥ずかしくなってしまう、そんな思いがしたわけでございます。

 私も日本の子供たちとそういった話をするということは、まず機会がないんですが、やはり国旗・国歌というものを認識する機会が、身の回りを通しまして非常に少ないと思うんですね。確かにここの船橋の市議会の中にも国旗というものはございません。広島の県議会の中で、国旗を掲揚すべし。それで国旗が掲揚されたと新聞報道で読んだこともございます。大分県の別府の市議会でもされたというふうに聞いております。私、これ実に望ましいことではないかと思います。やはり自分の国の人間が自分の国の国旗というものを認識できない、これというのは非常に不幸なことであると思います。

 それで、やはり国旗・国歌を認識する機会というものが、こうも少ないと、やはり歌詞の内容も知らないまま大きくなっていきかねない。そしてまた、そういった子供たちが外国へ行ったとき、日本の国の国歌の歌詞を聞かれても、わかんないなって言っても、これは本人に私は罪を問えないんではないか、そう思うのであります。(発言する者あり)

 せんだっての長野オリンピックにおきまして、名前は忘れましたが、スキーの跳びはねるような競技だったと思うんですが、長野オリンピックで国歌の演奏中、表彰台の上で帽子をかぶったまんまの人間がいて、世界の笑い者になっておりました。しかしながら、私、彼女がとても、実に気の毒なのであります。それは、やはり学校の現場において、そして家庭教育において、国旗や国歌というものを教わらないで来てしまったことの、私はある意味ではとばっちりというものを、いい年した、世界の前で、世界に衛星中継されて、世界じゅうに放映されてしまったという、実に気の毒な事件であったと考えております。今となっては、島国根性といったものは通用しない時代でございます。世界に通ずる教育というものを受けられなかったことの悲劇だったように、私思えております。

 例えば、サッカー場でなければ国旗や国歌に触れられないようだとしたら、手痛いしっぺ返しを将来的にこうむってしまうことは目に見えております。学習指導要領の中には、式典等に際しまして、国旗・国歌を教える必要性をうたったくだりがあったように、私記憶しております。

 そこで、お尋ねをいたします。市内の各学校におきまして、国旗や国歌というものがどのような形で教えられているかについて、お聞かせいただきたいと思います。

 さらにまた、式典等の際の国旗掲揚・国歌斉唱の実情といったもの、そしてまた日常的な国旗の掲揚状況といったものにつきまして、お聞かせをいただきたいと思います。

 以上で2問を終わらせていただきます。(「いい質問だ」と呼ぶ者あり)

[学校教育部長皆川征夫君登壇]

●学校教育部長(皆川征夫君) 教師に共通する指針として学習指導要領があるのではないかというご指摘について、ご答弁を申し上げたいと思います。

 学習指導要領は、学校教育法、学校教育法施行規則に基づきまして、文部大臣が教育課程の編成の基準として公示したものでございます。学習指導要領の内容は、教育における機会均等の確保と、全国的な一定の水準を維持するものとして定めた大綱的基準を示したものでございます。したがいまして、各学校では学習指導要領に準拠して教育課程を編成していくことが大切であると考えております。

 今回の学習指導要領の改定に当たりましては、特にゆとりの中で特色ある教育を展開し、生きる力を育成することが強く求められております。これにより、各学校が地域や学校の実態、児童生徒の発達段階や特性を考慮しながら、創意工夫ができるよう、各学校の裁量権が拡大されてまいりました。この運用に当たりましては、教師の力量が一層問われるものと考えております。今後とも各学校では学習指導要領の趣旨に基づき、各教師の創意工夫を生かし、開かれた特色ある学校教育が一層推進されるよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、市内各学校において、国歌・国旗がどのような形で教えられているのかというご質問でございますが、現在、小学校社会科では、4学年の国土の位置の学習の際に、また6学年の国際理解・国際交流の学習の際に、我が国の国旗と国歌を尊重する態度を育てるとともに、諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を育てております。

 中学校の社会科の公民的分野におきましては、国旗及び国歌の意義並びにそれらを相互に尊重することが国際的礼儀であることを理解させ、それらを尊重する態度を育てるようにしてございます。

 小学校の音楽科では、国歌を学年を通じて、児童の発達段階に即して指導をしております。特別活動におきましては、入学式や卒業式などにおいて、その意義を踏まえて国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するように指導をしております。

 次に、式典等の際の国旗掲揚・国歌斉唱の実情につきましては、昨年度、本年度とも、入学式、卒業式等の儀礼的行事において、市内のすべての小中学校が国旗を掲揚し、国歌を斉唱しております。

 また、日常的な国旗掲揚につきましては、一部の学校で国旗の掲示をしているところもございますが、日常的に掲揚しているような学校はほとんどないんじゃないか、このように把握をしてございます。

 以上でございます。

[中村実君登壇]

中村実君 まだまだ質問申し上げたいことはたくさんあるんでありますが、時間の関係で要望のみとさせていただきます。

 現在、船橋市にはバス路線におきまして、東西方向の運行といったものが少なく、移動手段たる公共交通の利便性を供用できないでいるとの声も大きいわけでございます。このことは我が会派の先輩議員が、前回議会で指摘したとおりでもあり、公共バスの運行も期待されている以上、実施を強く要望したいものでございます。

 さらにまた、船橋市西部、西船5丁目から7丁目に至ります葛飾小学校通学路には危険箇所もあり、安全確保と改善の要望書が、保護者より校長経由で教育長あてに出されているものでございます。この区間というものは、いわゆる中山競馬場、行田地区から国道14号へ出る抜け道となっていることもありまして、大変な交通量と、子供たちが危険にされているものでございます。本日はこの場におきまして、その交通取り締まり及び路面改良を強く要望したいものであります。

 さらにまた、この7月に中山の連絡所が開設されまして、5カ月がたったわけでございます。その利用件数は5,000件を超えまして、地域の方、中山地域の方々、大変喜んでおられます。下総中山駅のエスカレーター工事も着工いたしまして、完成が望まれてはおりますが、北口の開発も予定より大幅におくれてはございますが、いよいよ動き始めているものであります。中山地域といったものは、あくまでも船橋市の西部地域の拠点でもあり、駅前広場の設置を含めまして、中山地区の再開発に対しまして、全力で取り組んでいただきたいことを要望いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。(拍手。「いい質問だったな」と呼ぶ者あり)

●議長(米井昌夫君) 以上で、本日の一般質問は終わりました。