平成12年第3回船橋市議会定例会
 平成12年9月13日

1.電子市役所構想について。また、その行革的効果はいかに。
2.コミュニティバスについて
3.児童・母子福祉に関して
4.放課後ルームの現状について
5.防災対策について
6.会計制度の動向について
7.教育問題について
  教科書採択に関し、教育長のリーダーシップと感性について

 

●議長(田中恒春) 中村実議員。(拍手)

 ここで、議事の都合により、会議時間を延長します。

[中村実議員登壇]

●中村実議員 ふなばし21の中村実でございます。外も大分暗くなってまいりましたが、本日、一般質問初日のトリを務めさせていただきます。いましばらくおつき合いのほどよろしくお願いいたします。

 思い返しますと、初回の一般質問からちょうど丸1年が経過いたしまして、何分私も欲張りな性格がありまして、今回もテーマがなかなか絞り切れずに欲張ってしまっておりますので、若干ピッチを上げて進めていきたいと考えておりますので、そのため大変不本意ではあるのですが、若干その内容を一部割愛または要望とさせていただくかもしれませんので、そのあたりご理解いただきたいと思います。

 それでは、早速第1問といたします。

 まずは、電子市役所構想の今後の動向につきましてお尋ねをいたします。また、関連いたしまして、電子化ないしいわゆる情報化の暁には行政改革的な効果といったものが期待できるのではと考えます。どのような期待をされておられるか、お尋ねをしたいと思います。

 このところ、昨今、猫もしゃくしもIT、ITと大変かしましい世の中ではあるのですが、私個人といたしましては、ITといったものに依存した人との対話というよりは、極めて原始的な、本当に向かい合っての対面的な対話といったものが自分としては好きなものですので、過ぎたるは及ばざるがごとしといった感じをするときがよくあるのでありますが、しかしながら、やはりいわゆるITもしくは電子化といったものによりまして、世の中は確実に便利になっていると私は考えております。しかしながら、すべてが効率を優先するような、そういった世知辛い世の中になってしまっては元も子もありませんし、大変これは問題ではあるのですが、現段階におきましてはまだまだ推進すべき段階であると私は考えております。

 船橋におきましても、ローカル・エリア・ネットワークの整備を初めといたしまして、市を挙げて推進に向かっているわけであります。先日は企画調整課の主催で電子市役所推進に向けました勉強会がありましたので、私も先輩議員と一緒に参加をいたしました。その会場には、それこそあらゆる部門の職員の方が駆けつけておられまして、横須賀市の情報政策を担っておられる職員の方のお話をご一緒に伺わせていただきました。

 私はいつも思うのでありますが、先進自治体の模倣といったものは必要でないのではないかと思うわけであります。土地柄や歴史も全く違うような自治体の猿まねだけをしていても仕方がありませんし、費用対効果といったものもさほどの期待ができないのではないかと思います。あくまでも進んだ、いいところだけを、いわばいいところ取りしていけばいいのではないかなといつも考えているのですが、今回のお話は大変私、感銘したといいますか、すごかったなと思っております。

 この横須賀という町は、私も以前、会社勤めをしていたときの造船所がある町でして、そういった関係で、大変私、興味のある町で、何度足を運んだか、本当に数知れずであるのですが、この横須賀という町は、かつての海軍の鎮守府、軍都としての横須賀という側面もあれば、何とも言えない風情のある町でして、それゆえに、やはり今、京浜急行の1番終点にあります浦賀という町がございまして、この浦賀の造船所の再編といったものが、けさの朝刊にも出ていたとおり、大変構造改革といったものを余儀なくされている自治体でもあると思います。それゆえ、そういった自治体のかじ取り役、いわばそこのお役人さんといったものが一体何を考えているのかということを知りたくて、私も楽しみに会場入りをいたしました。

 その会場に入りますと、まずパワーポイントの機械がありまして、そのパワーポイントを巧みに駆使されての軽妙洒脱なお話に私も大変引き込まれていったのでありますが、それはそれは中身としては大変すばらしい勉強をさせていただきました。これら参加者の各位の方々が今後の業務の中でどのように、存分に生かしてくれることを私、願ってやまないものでありますが、講師の目のつけどころの鋭さには本当に恐れ入った次第でございます。

 また、驚いたことには、そのお話を聞くに及びまして、どうやら大変少数の精鋭の方々がこれらのシステムを立ち上げて、今日に至っているのではないかということを実感したのであります。それも大変なかなか理解といったものを得られない中での努力があったように私、感じました。いわゆるシステム化といったものを遂げるに際しましては、膨大な労力と時間とエネルギーが費やされ、並々ならぬ努力があったといったことがひしひしと伝わってまいりました。

 我が船橋におきましても、企画調整課の中に情報班がいよいよ発足をいたしました。今後の情報班の成果に熱く注目をする者の1人ではあるのでありますが、心配なのは配置のことであるのであります。それはもちろん大変有能な方でいらっしゃいますでしょうから、おまえになんか心配してもらう必要はない、余計なお世話だと言われちゃうかもしれないのではありますが、やはり負担が過重になってはいないかが、私、大変心配であるのであります。ぜひ負担を分散していただきたいものではあるのですが、今後、船橋市も電子市役所化の方向を探るに当たりまして、構想を着々と練っておられることと私、考えております。

 それからまた、同時に霞が関WANといったものもこれからおもしろい展開が予想されております。霞が関WANと申しまして、霞が関には海がないとおっしゃるような方もいらっしゃると思いますが、このWANというのは東京湾や伊勢湾の「湾」ではありませんでして、WANですね。ワイド・エリア・ネットワークの略でありまして、霞が関を核といたしましての電子政府に船橋市が直結する日は、遠からぬ現実であるといったことを私は大変期待しているものであります。

 それと同時にまた、住民基本台帳のシステムにも画期的な変革が期待されていると思うのであります。そういった暁には、例えば市長であるとか担当の方であるとか、そういった方々が直接、例えば自治大臣であろうが総理大臣であろうが、おれはかくかくこう思うからああしてくれとか、これこれああいう事業をやるから国の補助金がこれこれ必要だから、それを出してほしい、そういった通信をばんばん私はやりとりできるようにきっとなると考えております。その日のための準備でもありますが、今後の情報化推進に関しまして、現状の青写真を見せていただきたいといいますか、お聞かせをいただきたいと思います。

 関連いたしまして、行政改革にも直結して効果が期待できると思うのでありますが、いかがお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。私も大変たどたどしいものではあるのですが、世に言う電子メールなどというものをやっております。これは会社勤めしていた時分に初めてこういう、当時Eメールと言っていたかどうかは定かに覚えていないのですが、初めて出会いまして、その威力には大変驚いたものであります。それこそ本当に社長にだってだれにだってメールを送れてしまいますし、一斉に北海道から沖縄だろうが、ニューヨークだろうが、ボタン1つでファックス何十枚もの情報量を簡単に送れてしまうことに、本当に驚いたものでありました。

 これを例えばファックスでやっているようなのであれば、例えば設計のここのボルトを1本変える、そういった設計変更の連絡1つにも一体何十枚、何百枚もの紙が消費されていたかと考えるものであります。紙の大量消費であるとか大量廃棄であるとか、そんな時代はもはやとっくに終わっているわけであります。

 そしてまた、これら公文書の――例えば公文書を電子化した場合、保存するときに当たりましても、場所は非常に少なくなります。それこそフロッピーディスクの中にどれだけ閉じ込めるか、そういったこともできますし、例えば情報公開の請求があった場合にも迅速に対応できるのではないか、私は素人考えではありますが、思うのであります。

 電算化を進めていく中で、官民問わず、画期的な合理化を遂げていったのは大分前の話と聞いております。次の段階といたしましては、電子化によりましてダイナミックな行政改革と資源保護、そして何よりもあらゆる意味でのエネルギーの有効活用を私は期待したいと思います。そういった意味で、現状でどのような行政改革的な効果を期待されているか、お考えになっておられるか、お聞かせをいただきたいと思います。

 続きまして、コミュニティーバスに関しましてお尋ねをいたします。

 船橋市内はバスの便がいいと言われる方と、そうではないと言われる方がとかく相半ばしております。それというのも、やはりバス路線の方向によって見解の相違が生じているのではないかと思います。そもそも朝夕の時間帯を除いた日中にバスに乗りますと、年配の方々や赤ちゃんを抱っこしたお母さんといった方の割合が多いのではないかなと私、感じております。そういった方々も毎回外出するたびにタクシーに乗るわけにはいかないけれど、外出の用事の多い方、とりわけ医療センターを初めとした医療機関への足として利用される方というのはとても多いのではないかと思います。

 車の免許がない方や車を所有していない方の割合も、これらの世代の中の方にはとても多いと思いますし、バスの果たす役割というのは本当に大きいものであると私、思います。直線距離で言えば、そう大したことがない距離であったとしても、家の方がいつもいつも送り迎えできるとも限りませんし、また車やバイクや自転車などで行くわけにもいかない。そうなると、こんなに地図で見ると近いのに、何でこんなに遠回りしなくちゃいけないのかしらと、よくお話を伺うのであります。

 しかしながら、確かに距離的には近くても、道は狭いですし、営業収益的にもどうかなといった気がしてしまう区間も確かにございます。企業には企業の論理がありますでしょうし、緩和の方向といいましてもたくさんの規制に束縛されております。

 しかしながら、公共の福祉という観点に立ったとき、およそ看過できない状況であると思わざるを得ないのは明々白々な事実であると私は思います。そういった意味でも、私はかねがね、いわゆるコミュニティーバスといったものに関しまして注目をしてまいりました。こればっかりは頭でだけ考えていても何も始まりませんので、私もコミュニティーバスの走っている実例をよく勉強しに出かけたものでありました。

 まず、私が最初に出かけたのは武蔵野市の吉祥寺でありました。この町というのは私の親の実家の町でもありますし、小さいころから本当になれ親しんだ町でもありましたので、ある程度は勝手が承知がついていたからであります。

 吉祥寺を中心といたしました武蔵野市の特徴の1つといたしまして、高齢者の率の高さがあると思うのであります。コミュニティーバスの構想といったものを聞いたとき、吉祥寺の道を私、当時思い浮かべまして、はたと思ったのであります。あの界隈でよくありがちな道路というのは、車がぎりぎりすれ違えるかどうかといったような道路を一方通行にしているつくりが非常に多いのであります。また、碁盤の目とまでは言わないまでも、垂直に交差する交差点が多くて、こういった交差点を果たしてバスが行けるのかどうかなということを非常に心配しておりました。

 しかしながら、これはまさに本当に杞憂と申しましょうか、その目の当たりにしたバスの形といったものが、マツダのデミオという車がありまして、そのデミオという車のコマーシャルで外形部分を刀で切り刻んでいくといった、コンパクトにしていくといったコマーシャルがあるのですが、そういったえらくそぎ落とされていった車種を使っているのでありました。動きを見ておりましても、実際に交差点も難なくこなしておりまして、静かな住宅街にとてもお似合いな姿でありました。

 そしてまた、これらコミュニティーバスに乗っている方々の多くは高齢者の方でありました。吉祥寺の駅の近くに「小笹」という大変おいしいもなか屋さんがあるのですが、この駅から「小笹」のもなかの袋を下げて延々と歩いている高齢者の方の姿が非常に少ない。といいますか、少なくなったような気がしたわけでありました。この「小笹」のもなかといったものをとってもとっても楽しみにしている方、高齢者の方々が多いのでありますが、その一方でバスはほどよく、ちょうど定員を超えたぐらいの感じで穏やかな車内であったのを私もよく覚えております。

 私も大抵徒歩で20〜30分ぐらいの距離でありましたら、急がないときはぶらりそぞろ歩きという感じで大抵歩いて出かけるのでありますが、昔の人といいましょうか、高齢者の方の中にはやはり鍛え方が違うといいましょうか、自分の足でかなりの距離を往復されてしまう方も見受けられます。しかしながら、やはり寄る年波といったものには勝てないと申しましょうか、足腰がどうもという方もとても多くいらっしゃるわけであります。しかしながら、やっぱり私はこれじゃないかなととっさに思ったのであります。

 その後、コミュニティーバスおたくというわけではありませんが、私も調べに歩いたものでありました。既に走っているバスとの競合といった問題が深刻な問題として懸念されているようなところもありましたし、本来の趣旨を外れまして、もはや通学のときの通学バスと化してしまっているような例も確かにあったわけであります。しかしながら、やはりこれは急ぎ整備すべきテーマであるという認識は全く変わってはおりません。だからこそ、私もかねてより要望を続けてきたものでありますが、そこでお尋ねをさせていただきます。

 全市的に交通網を張りめぐらせることは、確かに理想ではありますが、技術的にも財源的にも不可能であります。しかしながら、既設の公共交通機関にとって手の届きにくい部分に対しましては、市として公共の福祉のために積極的に乗り出すべきであると私、思います。現時点におきまして、市として、行政としてどのような構想をお持ちであるか、その構想につきましてお聞かせをいただきたいと思います。

 続きまして、児童福祉、母子福祉に関しましてお尋ねをいたします。

 まずは、保育園の入園を待っている、いわゆる待機児童に関しましてお尋ねをいたします。

 市内の保育園、そしてまた保育所が果たしております子育て支援の役割といったものは、極めて大変大きいものであります。日夜従事されておられます関係者の方々に対しまして、まずは敬意を表するものであります。やはり仕事を持つ親にとりましては、子育て支援たる保育行政といったものが充実していてこそ、安心して子供を託し、仕事に出かけることができている現状といったものを、年を追うごとに多く耳にするにつけまして、私も当年とって年が32になるんですが、やはり子育て世代の真っただ中にいるんだなといったことを改めて感じるものであります。

 先日には、ある保育園で手づくり紙芝居が上演されている様子を見まして、カリキュラムに関しましても先生方が知恵を絞っておられることの努力をかいま見るものでありました。園児にまじって見せてもらうわけにもいきませんので、機会があれば、大人にもこういったものを見る機会が与えてもらえれば、大変おもしろいものであるなと思ったのでありましたが、やはり保育を取り巻く環境といったものには大きな変化が生じているわけであります。

 その1つが、子育て世代人口の地域的な偏りではないかと私、思うものであります。私の友人もマンションが建つたびに船橋にやってくるといいましょうか、別に私が船橋に住んでいて、船橋の市議会議員をやっているからというわけではないのですが、さまざまな条件を勘案いたしまして船橋に移り住んでくるわけであります。

 大変うれしい話ではあるのですが、その地域といったもの、どこをねらって引っ越してくるかということに関しましては、かなりの偏りが生じてしまっているわけであります。大抵同世代の大手町ですとか日比谷あたりまで通っているような人たちが、同じ発想で同じような物件を選んでしまっている現状がありますし、例えば物件の紹介を頼まれたりいたしましても、意向を優先していきますと、結果的にそのようになってしまうのであります。この結果が地域的な偏りを生じさせてしまうのではないのかなと、因果関係を実感することもございます。

 そうなりますと、結果としての深刻な問題、子供を保育園に預けることができるのかどうかという大問題がクローズアップされてくるわけであります。芝山第一保育園の分園といったものは、まさに子育て世代の期待にこたえたものでありますが、今後同様のケースが市内で要請されてくることは火を見るよりも明らかでありますし、充実した体制の整備を強く要望するものであります。地域の議員の働きかけもあって、今こうして実現しようとしているこの分園といったものは、1つのモデルケースとなることが予想されるものであります。そしてまた、その効果が私は強く期待をするものであります。

 今回、特に公設民営という形になったわけでありますが、二宮・前原地区の待機児童解消策として前原保育園の保育室等の別棟建築への補助に向けた補正予算案、この補正予算案は民間との協力関係の知恵とノウハウをうまく活用すべきである、そういった考えがいわば体現された1つの考え方であると思っております。

 今後の待機児童の解消策は待ったなしの側面も見受けられております。そしてまた、今後の児童数の推移と関連した対応のあり方につきまして、事態が今後ますます頻発していくことは明らかでもある以上、迅速な意思決定、そして行動が要求されてまいります。この期に及んでの保育行政を担うに当たりまして、昨日、我が会派の会派代表の議案質疑に対しましての回答のとおり、鋭意さらなる努力を要望するものでございます。

 関連いたしまして、簡易保育所、これはいわゆる無認可保育所と言われるものでありますが、無認可保育所の果たしている役割につきましても、その役割の重要性もクローズアップされていると言えると私、思います。市といたしましても、簡易保育所通園幼児・乳児補助という形で支援を行っておりますが、給食費、バス代等を除いた保育料の2分の1で3歳児未満は2万2,000円、3歳児以上は4,300円の限度額があります。保育手当の関係で減額の場合もありますが、行政改革を断固たる決意で行い、この制度のさらなる拡充を望んでいたものではありましたが、この4月から対象枠の拡大も実施されておりまして、動向が大変気になるものであります。

 そこで、お尋ねをいたしたいと思います。拡大後の本年12年度の仮に4月から6月、4月から8月、そういった実績の対象者数、そして金額をお聞かせいただきたいと思います。

 続きまして、関連いたしまして子育て支援センターの果たすべき役割につきまして、これは若干重複がありますので、要望とさせていただきたいと思います。

 船橋市内の子育て世代の中には、それぞれ個々の考えや、また事情によりまして、自宅で子育てをするというお母さんもたくさんいらっしゃいます。船橋に新しく越してこられた方の場合、周りに友達もなかなかいないため、ともすればこもりがちになってしまう方もいるように聞いております。生活のノウハウでありますとか地域情報の収集であれば、さほどの難しさはありませんが、事子育てとなりますと、これは本当に大事業でありますから、身近にそう簡単に相談する相手がいない場合もありまして、ややもすれば育児ノイローゼになりかねないのであります。いわばひとりになりがちなお母さん方に対しまして、積極的に支援していくべき拠点であるべき以上、十二分にお母さん方の期待にこたえていただきたいと、私も強く要望するものであります。

 続きまして、母子等家庭児童養育手当に関しましてお尋ねをいたします。

 私の周りにも、事情がありまして子供と離別を余儀なくされるような友人たちが出てきております。当人同士がとことんまで話し合った末の結論の大変苦渋の判断でもありますので、その段階まで来てしまいますと、こちらといたしましては何とも口を挟むことができなくなってしまうものであります。何ともやり切れない思いになるわけであります。そういった場合、新しい生活が待っているわけでありますが、苦難の道が待っている方が圧倒的に多く、毎日の生活に追われまして、立ちどまって物事を考える余裕のない姿を見ていると、本当に心苦しい限りであります。

 周囲の支援と同様に、行政による施策は大切なものであると考えます。その1つといたしまして、船橋市独自の制度であります母子等家庭児童養育手当がございます。この制度に関しましては、市独自の考え方でもありますので、ほかの近隣の自治体と比べますと、けた違いであるとの指摘も確かにございます。やはりその内容と数字とを精査して、じっくり考えることも必要と考えるものではありますが、実際に11年度中におきましてどれだけ活用されていたか、その実績をお聞かせいただきたいと思います。

 また、この制度といったものを知らない対象者の方も随分おられます。今後この制度の広報に関しまして強化をいただきく、要望を申し上げたいと思います。

 続きまして、放課後ルームに関しましてお尋ねをいたします。

 念願の公設公営化が実現いたしまして、5カ月が経過いたしました。初めての夏休みも終わったわけであります。休みの期間中は、それこそ指導員の方々が朝早くから子供たちを迎え入れておられましたが、本当にそういった方々というのは子供を思う意思があってこそできることだと思います。外からこっそりのぞいただけではあるのですが、朝通っても夕方通っても疲れた顔一つ見せず、子供たちと向き合っておられる、何とも私、頭の下がる思いでありました。

 何せ子供と接するということは、本当に物すごいエネルギーを必要とするわけであります。昔から本当に疲れを知らないからこそ、それこそが子供たるゆえんではないかと言う人もいますが、本定例会の議案の1つでもありますが、西海神放課後ルームが西海神小学校内に移動するなどの動きがありますが、子育て支援の学区拠点とも言える放課後ルームのますますの充実を心より願うものでありますが、5カ月が経過いたしまして、子供も、そして指導員の方々もある程度ペースをつかんでこられたのではないかと思います。市内東西南北にあります放課後ルームの現状とそして問題点、そして何よりも今後の充実した放課後ルームの実現に向けましての意気込みと所感をお聞かせいただきたいと思います。

 以上をもちまして、1問を終わらせていただきます。

[企画部長登壇]

●企画部長(菅谷和夫) それでは、私の方から所管事項2件についてお答えしたいと思います。

 まず、電子市役所構想についてということでご質問でございますが、いわゆる現在言われておりますITを活用いたしましての市役所運営、特に市民と市役所を迅速につなぎまして、正確さをもって行政事務事業を執行するということが電子市役所というものだろうというふうに私は思っております。

 お話がございましたように、国におきましては、平成6年度に国の事務事業を対象に情報化基本計画を策定いたしまして、省庁内のLANの構築、あるいは霞が関WANですね、いわゆるワイド・エリア・ネットワークの構築を実現いたしまして、行政の情報化を推進しているところでございます。平成9年度の改定におきましては、電子政府の実現を目指しまして、申請、届け出等、手続の電子化、あるいは電子商取引の実現等が盛り込まれているところでございます。

 こういった中で、本市におきましても今年度に情報化推進会議を発足させまして、情報化基本計画、情報化推進計画を現在策定しているところでございます。その中で地域の情報化ということとあわせまして、簡素で効率的な行政、それから利便性の高いサービスを提供できる行政、それからもう一つ、市民に開かれた行政という、この施策を展開し、行政の情報化によります電子自治体の実現を目指すことを検討しているところでございます。ご質問で、青写真をということでございますが、いましばらくお時間をいただければと思います。

 さらに、ご指摘の行政改革的効果ということにつきましては、庁内のイントラネット・システムの構築が全庁的に共通利用できます情報のデータベース化等を推進いたしまして、それに対応してまいりたいということでございます。こういうことを行うことによりまして、さまざまな情報が円滑にやりとりされまして、ひいては適正な政策決定が迅速に行えることができるということになろうかと思います。

 さらには、1カ所の窓口で各種手続が可能となりますワンストップ・サービス、それから時間や場所の制約を受けないノンストップ・マルチ・アクセス・サービス、それからインターネットとICカードを活用いたしました公共施設の予約や申請、届け出等手続のオンライン化等を行うことによりましてのペーパーレスということ、そういったことを行うことによりまして、簡素で効率的な行政運営が期待できるものというふうに認識しております。

 それからもう1つのご質問でございますが、コミュニティーバスということでございますが、これについてお答えしたいと思います。

 船橋の交通体系につきましては、現在のバス路線は西船橋駅、船橋駅、あるいは津田沼駅といったJR主要駅へ集中しているのが多くございます。南北方向の路線は充実しておりますものの、路線相互を結節いたします東西方向の路線が希薄であるということが1つの課題となっております。このことは、平成10年度に実施いたしました公共交通計画調査におきまして、市内の東西間の公共交通ネットワークを確立するため、市民等の要望の強い医療センターにアクセスするような東西方向のコミュニティーバスの構想として位置づけられているところでございます。

 さらには、これからの高齢化社会に対応するため、高齢者が通院や買い物、公共施設への移動等、外出の機会の増加を促しまして、高齢者の社会参加や日常生活の利便性を高めます生活支援を目的といたしまして、特にご指摘がございましたように、医療センター等への交通弱者の利便性を確保するために、新しい運行形態のバスの導入が必要ではなかろうかというふうに考えているところでございます。

 こういう中で、現時点での検討状況をちょっと申し上げますと、去る8月4日、本市の道路事情を考慮いたしました小型のノンステップバスが急遽借りられるということになりましたことから、バスの走行状況等を把握するという観点から、試乗会といいますか、試乗を実施しているところでございます。

 それから、運行ルートにつきましては、現在いろんな角度から検討を進めているところでございます。

 それから、あわせまして道路運送法を所管いたします運輸省の千葉陸運支局、あるいは道路交通法を所管いたします船橋警察署、さらに船橋東警察署、それから既存バスの路線を運行しております京成バス、それから新京成バス等と協議しているところでございます。そういった状況になっておりますので、ご理解いただきたいと思います。

 以上でございます。

[福祉サービス部長登壇]

●福祉サービス部長(海老根幸男) 児童・母子福祉についてのご質問にお答えいたします。

 まず、簡易保育所通園幼児・乳児補助金の拡大分についてのことでありますが、今年度から個人立の簡易保育所に通園する児童の保護者ばかりではなく、子育て支援の充実を目指して、法人立の簡易保育所――これは事業所内の保育所は除いております――に通園をいたします児童の保護者に対しましても、支給ができるように制度の拡大を図ったわけでございます。

 この4月から6月までの支給対象者数でございますが、この拡大ということじゃなく、全部では95人というふうになっておりまして、396万7600円となっておりますが、拡大分で見てまいりますと、この95人のうちの57人が拡大分になっております。この拡大した57人の補助金の支給額は209万3700円というふうになっております。

 次に、母子等家庭児童養育手当についてのご質問にお答えいたします。

 母子等家庭児童養育手当は、児童福祉の増進を目的といたしまして、母子家庭等の児童の保護者に対して手当を支給する事業でございます。支給する手当の額は、乳幼児に対して月額7000円、小学生に対しましては7500円、中学生に対しましては8000円でございまして、平成11年度は延べ3万2347人に対しまして、総額2億4290万円を支給をいたしております。

 次に、放課後ルームの現状と今後の充実した放課後ルームの実現に向けての所感ということでございますが、この事業はことし4月からスタートした事業でありますが、当初は新規事業ということもあり、皆様にはいろいろご心配をおかけした点も多々あったわけでありますが、初めての夏休みも大きな事故もなく、無事2学期を迎えております。この間、ご指摘にもありましたように、各ルームの運営につきましては、指導員の児童の育成に対します熱意と情熱に負うところが大きいのは事実でございます。

 5カ月を経過した今日、事業はおおむね順調に進んでいるわけでありますが、放課後ルームの公設公営化の目的は、行政サービスの機会の公平性を確保、それから地域格差の解消を図り、この事業をよりよい状態で平準化をするということにあります。そして、何よりもこの事業は現在の深刻な少子化傾向の中にあって、子育てと母親の就労支援に寄与する事業でありますことから、早期に全小学校区に放課後ルームを開設できるよう努力するとともに、今後とも大勢の市民から喜ばれるような事業となりますよう最善を尽くしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

[中村実議員登壇]

●中村実議員 大変失礼いたしました。若干時間がないものですから、大変気がせっておりまして、ご無礼いたしました。

 続きまして、防災対策につきましてお尋ねをいたします。(「2問じゃないんだ」と呼ぶ者あり)2問を始めさせていただきますと申し上げるんでしょうか。済みません。続きまして、2問を始めさせていただきます。

 防災対策につきまして、お尋ねを申し上げます。

 先週には市内の各学校区で防災訓練が行われました。備えあれば憂いなしと申しましょうか、消火器の操作1つとりましても、1回でも実際に自分で操作したことがあるかないかで、災害時には大きな差が出るものであると私は思います。そういった意味でも、実際の災害に備えることのできる訓練に来年も私も参加したいと思っております。

 本日は、議長から向かって左側といいましょうか、あちらの方から、またかと聞こえてきそうではあるんですが、改めて災害時の初動体制、とりわけ最前線であります消防と自衛隊の協力のあり方につきましてお尋ねをいたします。

 ことしも7都県市合同防災訓練が行われまして、広域緊急援助隊の堂々たる雄姿とバイク部隊の活躍を新聞等で私も拝見いたしました。いざというときに本当に頼もしい限りであると思います。

 その2日後の3日には船橋で、そして東京都で訓練が実施されました。町会を初めといたしました民間防災組織に、消防力、警察力、そして自衛隊と行政の力量が統合されたとき、実力といったものが遺憾なく発揮されるものであると考えます。

 ことしの防災訓練で特に目を引いたものは自衛隊の活躍でありました。船橋の上空も西船橋の上空も陸上自衛隊の輸送ヘリコプターが飛び交いまして、その機動力と頼もしさといったものを目の当たりにしたものでありました。今回、市長は大穴の会場に陸上自衛隊の輸送ヘリコプターで到着されたとの話を聞きまして、私も見に行きたかったなと大変後悔していたのではあったのですが、町会での訓練と重なっていたため、同じく見学に行けなかった東京都の「ビッグレスキュー2000、首都を救え!」、これはまたぐっと現実的な訓練であったようでして、本当に残念でありました。

 先輩議員の中には見学に行かれた方もおられたようでして、来年こそは何がなんでも銀座へ行ってやるぞと私は決意をしているものでありますが、防災を考えるとき、自衛隊との適切な協力体制の構築といったものは欠かせないものであります。自衛隊も法定手続、行政手続なしには動けない。だからこそ、自衛隊の方にどのように動いていただくか、はっきり申し上げておかねばならない。それは助けていただく側からすれば当たり前にやっておくべきことであります。国の安全を保障するために有事立法を整備する必要があるということと、考え方は全く同じであるわけで、ちゃんとしておかなければ、いざというとき、えらいことになってしまうのであります。

 船橋港には、護衛艦が接岸できる設備も整っております。何せすぐ近くの薬円台におきましては、第一空挺団の方々が訓練に励んでおられます。いざというとき消防の方々、そしてこの方々がきっと助けに来てくださると思います。そしてまた、木更津にはヘリコプターの部隊が駐屯しているわけであります。信頼にこたえてくださる方々がこんなに近くにいても実感できない、これは私、非常に奇怪なことではないかと思うわけであります。

 今回、藤代船橋市長はホバリング中のヘリコプターから降りられたのでありましょうが、薬円台で訓練されているように、市長が空挺降下、落下傘降下ですね、そんなことをやられましたら、まずそれはどんなに運動神経がよくていらっしゃっても絶対大けがされてしまいますし、そこまで求められることはないとは思うんですが、有事の場合、例えばヘリコプターからロープで現場へ降下するような場面だって、私は十分あり得ると思います。

 そしてまた、道路網の中で自衛隊の車両がいかに効率的に運用されるために、そのために訓練していただいたりすることも必要となりますし、例えば生活の中に自衛隊、消防、警察の方に入ってきていただかなくてはならないと思うけれども、その体制を整備していくのは市民の義務であると思います。

 そこで、お尋ねをしたいと思います。今回の防災訓練におきましての協力体制の状況と、今後、船橋市といたしまして整備していくべき条件は何か、ご所見を伺いたいと思います。

 また、今回の訓練を通じまして、今後教訓として生かすべき課題があれば、そのあたりもお聞かせをいただきたいと思います。

 そしてまた、東京都の石原都知事はまたまたやってくれたなと、私などその都知事の政策を高く評価する者の1人といたしまして感激したのでありますが、あの極めて責任感にあふれた知事の意気込み、そして実戦的な訓練といったものをテレビ等でごらんになられまして、同じ首長といたしまして藤代市長はどのような感想を持たれましたか、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。

 以上をもちまして、2問を終わらせていただきます。

[市長登壇]

●市長(藤代孝七) 中村実議員のご質問にお答えをいたします。

 このところ、伊豆諸島におきます火山性地震が連日のようにマスコミなどで報道されておりまして、改めて防災意識の重要性が高まっているところであります。ご案内のとおり、私どもは9月3日に総合防災訓練を実施いたしたわけでありますが、同日に東京都においても訓練があったわけであります。

 その感じということでございますけれども、実は私もヘリに乗った訓練は初めてでありまして、先生おっしゃるようにホバリングで降りたわけでございませんで、ちゃんと着陸して降りたわけでありますけれども、実際、船橋市を上空3回ほど回らせていただきまして、地上200メーターから250メーターで見させていただきましたから、その様子というものは重々わかったわけであります。東京都とは全く違った感じではございますけれども、市民の皆様方が今実際に起きた場合を想定した訓練でありますので、各町会自治会、連合自治会等による自主的な訓練であったわけでありますし、それなりの効果はあったものと、このようにも考えております。

 災害、特に地震そのものをとめるというようなことはでき得ませんが、日ごろの心構えが訓練などによりまして被害を最小限に食いとめることは可能であろう、このようにも考えているわけであります。住民、行政、医療、ライフライン関係を含めまして、あらゆる防災関係機関の総力を上げることにより可能となるものであり、中でも地元自衛隊の支援が人命救助に大きな支えになるもの、このようにも考えております。

[市長公室長登壇]

●市長公室長(小池忠良) それでは、所管の防災対策についてお答えいたします。

 今回の防災訓練での消防、自衛隊との協力体制についてとのご質問でございます。消防局とは防災本部の主体的な構成をしておりますので、特に自衛隊の協力体制ということで述べさせていただきたいと思います。

 今月の3日に実施いたしました総合防災訓練でございます。陸上自衛隊の第一空挺団から炊飯車による非常炊き出し訓練、また人命救助システム機材及び災害派遣の写真パネル等の住民への啓蒙展示の参加、ご協力をいただきました。また、先ほど市長からもご紹介がございましたけれども、災害対策本部長である市長が市内の被害状況を上空から視察するという訓練において、自衛隊のヘリコプターの飛行などご協力をいただきました。

 なお、市では平成8年3月に地元の陸上自衛隊習志野駐屯地と災害派遣、訓練等に使用できるチェーンソー、エンジンカッター、オイルジャッキなどの資機材の使用及び管理に関する協定を結んでおりまして、本市災害時における受援の体制を整えております。

 次に、船橋として整備していくべき条件は何かというご質問でございますけれども、さらに今回の訓練を通じまして、今後教訓として生かすべき課題があればというご質問がございました。災害時における自衛隊の人命救助活動は不可欠であろうというふうに考えておりまして、今後とも連携の強化に努め、対応してまいりたいというふうには考えております。

 また、新規に取り入れた地域防災懇談会、先ほど先番議員にもご紹介いたしましたけれども、その中で住民、それから学校関係者、それから医療、消防団などの協力関係機関のさまざまなご意見、またご要望等出ておりますので、そういうものを今後の教訓として生かしてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

[中村実議員登壇]

●中村実議員 それでは、3問を始めさせていただきます。

 これですね、ちょっと時間がなくなってしまったので要望とさせていただきます。

 自治体会計制度の動向につきまして、若干要望があります。当初、フライングといいましょうか、早まったと言ってしまっていいのか悪いのか、自治体会計制度の中に自治体独自で企業会計制度を盛り込んだ自治体が結構見受けられていたのですが、東京都の石原知事も前向きな姿勢を示しておりまして、私もさすがとほれ直していたのでありますが、何だかんだいって財務諸表といったものは比較対照できて初めて何ぼである以上、気がせって、つい手がけてしまった自治体も、早まったなと今ごろ若干後悔している向きもあるようでございます。

 そのさなか、いよいよ自治省も動き出したという感じが随所に見受けられております。地方公共団体の総合的な財務分析に関する調査研究会、これの3月の中間報告の中でのバランスシート作成マニュアルの公表から半年が過ぎまして、着々と検討と取り組みが行われていることでありましょう。資産の評価につきまして、取得原価主義を用いる考え方や、土地以外の資産の減価償却といった考え方や、そしてまた退職給与引当金といった費目のようなものをあえて負債の項目に計上する考え方を初め、非常に期待にあふれているものであると思います。

 私も虎視眈々とその動向を新聞等で注目してきたのでありますが、情報を得るにはやはり官報を毎日見ていればいいのでしょうが、私も官報を見るようになって結構おもしろくて好きなのですが、どうもなかなか毎日というわけには続きませんでして、続々届く通達に関しましても、財政部で毎日毎日見せてもらうわけにもまいりません。そうなりますと結構時流におくれてしまいまして、あれ、そんなことも知らないのということになりかねないわけでありまして、行政の情報収集能力に追いつけ追い越せをモットーとしている私ではありますが、いつの日か我が家にも霞が関WANが張りめぐらされたらいいなと思いながら、今後の財政部の働きかけにつきまして熱い期待を寄せるものでございます。よろしくお願いいたします。

 続きまして、最後になりましたが、教科書採択に関しましてお尋ねをいたします。

 先月、13年度の中学校教科書の採択が終わったと聞き及んでおります。今回の採択に当たりまして、教育委員でもある教育長はどのような基準で教科書の採択を行ったか、お聞かせをいただきたいと思います。また、各教科書に目を通されていく中で、特に印象に残った記述に関しまして、その内容をお聞かせいただきたいと思います。

 また、採択を行う前に、教育委員さんの間で勉強会が行われたかと思います。どのような勉強会が行われたか、そしてその中身と交わされた意見に関しまして、具体例を交えてお聞かせいただきたいと思います。そしてまた、その勉強会の成果が採択を決定した教育委員会会議において反映化されていたかどうかにつきましても、お聞かせをいただきたいと思います。

 また、採択に関しましての審議が行われた教育委員会会議は秘密会とされてしまったわけでありますが、昨年の同じ審議はわずか20分で終わってしまったと聞いております。今回に関しましても、開かれた時間ぐらいは教えていただいても、私、差し支えないと思いますので、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。

 そしてまた、人事案件が議題でもないような例年の審議といったものを秘密会にした理由といったものは、教科書会社からの働きかけ云々があるからと私も聞き及んでおりますが、あえて秘密会にすることで、そういった忍び寄る営業攻勢から身を守ろうとお考えということは、今まで熾烈な売り込みの場面といったものにさぞかしかいま見てこられたのかもしれません。営業活動の内容といったものはどのようなものであるか、ご存じであれば、お聞かせをいただきたいと思います。また、営業活動が行われているのであれば、だれに対して、どのような働きかけが行われたかについてもお聞かせをいただきたい。

 続きまして、県教委発行の県教育便覧をごらんになられたことがおありかと思います。その中で、本来別々のくくりで扱われるべき地理と歴史と公民の3科目が社会という一くくりにされております。どうも私など素人考えでも、やはりこれはおかしいな、不健全な姿だなと思うわけであります。それと申しますのは、地理、歴史、公民の3科目セットで初めて市場に参入できるという、どれか1科目でも欠けていたら参入することすらできない。およそ市場原理の機能していない姿だと私は思いますが、この現状をどのように思われるか、ご所見を伺いたいと思います。

 そしてまた、この一くくりにされました社会科に関しまして、県内の各採択地区での採択の結果、どこの会社がどれだけを占めているかにつきましても、お聞かせをいただきたいと思います。今回のデータがまだお手元にないようであれば、前回の結果でも結構です。

 そしてまた、国語科の教諭であります白井義章先生というお立場にお伺いしたいと思います。

 独占とは何か、そしてまた、いわゆる寡占とは何かということであります。厳密な経済用語といたしましての意味と、通常の言語空間で用いられる意味とでは意味合いが異なってくると思います。双方の観点からの解説をお願いすると同時に、今回のこの採択の結果を表現するならば、今ご解説をいただいた語句に相当するものが果たしてあるかないか、お聞かせをいただきたいと思います。

 ちなみに、言葉にはこだわりを持っておられる白井先生という、ぜひとも国語の先生にご教示をいただきたいのでありますが、私でありましたら、先生がお使いになられる、こだわりを持っている表現というのは余り、どうも違和感がありまして、強いて言えば「一家言を持っている」とでも私であれば申し上げると思います。ぜひ国語のことに関しましてもご指導くださいますようお願い申し上げまして、私の3問を終わらせていただきます。

[教育長登壇]

●教育長(白井義章) 初めに、各教科書に目を通す中で特に印象に残った記述に関してのご質問について、お答えをいたします。

 71種137点の教科書に目を通しましたが、そこから受けた印象について、概括的になることをお許しいただいて、1〜2申し上げたいと存じます。

 1つは、それぞれの教科書が子供の意欲を引き出したり、課題解決力の向上を図る工夫がされていること、従前のものに比べて、写真、図版、色使い等に関して子供の興味関心を引く表現や工夫がされていることであります。また、内容面で、例えば歴史の教科書の中で日本史に登場する代表的なさまざまな人物が取り扱われていること、このことは人物を通して時代を知ることから、これからの時代に生きていく子供たちにとって大変よい参考になるという印象を受けました。

 次に、独占、寡占の意味に関するお尋ねですが、おっしゃるように、かつて一国語教師ではあったものの、通常の言語空間で用いられる意味も、まして厳密な経済用語としての意味もご満足のいくような解説ができる自信はありません。歯切れの悪い物言いがあってもご容赦いただきたいと存じます。

 さて、独占は普通一般的にはひとり占めすること、すなわち物や場所、あるいは権利、愛情、利益といったようなものを自分だけのものにするといったような意味であるというふうに解しております。寡占については、日常生活では余り使われていないというふうに理解しております。

 産業の競争状態を言う言葉としてとれば、独占はある商品の供給について競争者が存在せず、その市場がひとり占めされている状態。国の専売品である塩であるとか、あるいはたばこ――外国たばこが入ってきてから競争が多少働いているかもしれないのですが、たばこ。

 寡占について言えば、少数の供給者が市場を支配している状態であり、したがって、少数供給者相互間に競争が行われている状態だというふうに理解しております。例えて言えば、先進国の自動車産業などはこれに該当するのかなというふうに考えております。

 教科書は文部大臣の指定する発行社に限り発行できるとされていることなどから、他の産業における競争と同列に議論できるかどうかはわかりませんが、地図、音楽、技術、家庭がそれぞれ2社、美術、保健体育がそれぞれ3社の供給によることから、これらをあえて供給複占、もしくは供給寡占と言えるかどうかと考えておるところでございます。なお一層勉強させていただきます。失礼しました。

 失礼しました。残余の答弁は所管の部長にいたさせます。(予定時間終了5分前の合図)

[学校教育部長登壇]

●学校教育部長(皆川征夫) それでは、教科書採択に関しまして、残余の質問についてお答えいたします。

 最初に、どのような基準で採択を行っていたかというご質問でございますが、教科書の採択につきましては、千葉県教育委員会教育長からの義務教育諸学校における平成13年度使用教科書の採択についての通知の中に、学習指導要領の趣旨を踏まえること、本県の教育施策に適合していること、採択地区の実情、特に施設設備が考慮されていること、並びに児童生徒の生活体験及び学習能力に適合していることという採択の基準が示されております。これに従うとともに、さらに船橋市の教育施策や学校教育指導の指針及び児童生徒の実態等を考慮し、採択をしております。

 次に、勉強会のご質問でございますが、教育委員会といたしましては、教科書に関する勉強会を行い、平成13年度に中学校で使用予定候補とすべての教科書の見本本を手に取って、先ほど申し上げました採択の基準に従いまして、その内容等を検討しております。その検討内容は、船橋の教育施策や生徒の実態に適合しているかを視点に据えて、各会社の教科書を比較検討し、自由に意見や感想を出し合ったものでございます。主な意見には、写真、挿絵が美しく、かつ製本がすばらしく、子供の興味、関心を引きやすく工夫されている等の意見も出ていたと記憶しております。そうした話し合いは採択に反映されたものと考えております。

 また、採択に関しての審議時間はおよそ30分ぐらいでございました。(「内容は」と呼ぶ者あり)

 次に、船橋地方出張所内での教科書会社の営業活動についてでございますが、文部省初等中等教育局長からの「平成13年度使用教科書の採択についての通知」及び「教科書の採択に関する宣伝行為等についての通知」の中の公正確保に関する規制一覧にある限度数を超えた教科書見本本の検本や、発行社が主催をし、または関与する講習会、研究会の開催及び自宅訪問等の宣伝活動については禁止されており、それらに該当する行為については聞いておりませんので、公正かつ適正であったというように把握をしております。

 地理、歴史、公民の3分野が社会科という一くくりになっているというご指摘でございますが、これまでは地理、歴史、公民のそれぞれの内容構成や表現等の関連性を考慮したとき、編集意図が同一の教科書を使用する方が生徒にとって学習しやすいという観点から、社会科として一括採択となっておりました。しかし、ご指摘のとおり、教科書の採択に当たっては、今後種目ごとに十分審議していきたいと考えております。

 平成13年度使用の社会科に関する県内の12採択地区での採択結果は、東京書籍が10地区、教育出版及び日本文教出版がそれぞれ1地区という採択結果になってございます。

 以上でございます。

●議長(田中恒春) 以上で、本日の一般質問は終わりました。