平成13年第3回船橋市議会定例会  平成13年9月10日

 

●議長(千葉満) 日程に入ります。

 日程第1、一般質問を行います。

 通告に基づき、順次質問を許します。

 中村実議員。(拍手)

[中村実議員登壇]

●中村実議員 初日のトップバッターということで、ただでさえ緊張して、いても立ってもいられないところが……。かなりドキドキしております。本日、私も床屋に行き、そして懸命にひげをそってきたんです。きょうも砂田委員長がいらっしゃるものですから一番きれいにしてきたかったんですけど、どうもかみそりのぐあいが悪いのか、何だかよくわかりませんが、ちょっと濃いんですが、これは敬意を表しまして、一応きれいにそってきているということだけはご理解いただきたいと思います。

 それでは、本日は、ようやく今になって晴れてきましたけど、本当にお足元の悪いところをお出かけいただきましてありがとうございます。ご足労、恐縮です。砂田教育委員長さん、9月30日までの任期でいらっしゃいますが、この1年間振り返られまして、いろんなことがおありだったと思います。そういったことも振り返られましてお聞かせをいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 今回、簡潔にいきます。まず第1、教育行政とはどのようにあるべきとお考えかお尋ねいたします。

 その上で、今の船橋市の教育行政といったものがその目的どおりに機能しているかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。

 そしてまた、私は、やはり教員主導の教育委員会といったものには未来がないと思っております。だからこそ、民間の立場で、それも大変激しい生き残り競争の最前線におられる砂田教育委員長に対しまして、私も大変厚い期待を寄せて今日に至っております。民間の常識、感覚、そして発想こそが、教育委員会の起死回生につながると私も期待してまいりましたが、これまでの任期の中で教育委員会の責任者といたしまして──これは最高責任者ですね。教育長はあくまでも事務局長というお立場ですから、教育委員会の最高責任者といたしまして、どのような施策を展開し、そしてその存在の意義といったものをあらわにしてこられましたか、お尋ねをいたします。

 そして、私、思うんですが、占領政策といたしまして、いろんな制度が登場いたしましたし、決まりごとといったものも決められてきたんですが、やはり半世紀近く、50年近くもたちまして、制度疲労を起こしているといったものがたくさん見受けられます。時代の要請についていけてないものの最たるものが日本国憲法であると私は思うんですが、教育委員会という制度といったものが現実に見合っているかといいますと、これ、大変厳しいものがあるのではないかと思います。かたくなに大変旧態依然な発想で、今の教育委員会の制度といったものを守り抜こうという人たちも確かにいることはいますが、そういう考えがまかり通っているからこそ、信頼が損なわれていく一因となってしまったのではないかと私は思います。

 議案質疑におきまして先番議員の指摘もあったんですが、教育委員会という組織の中で横領といった、そういった事件を起こす者が出るといたします。こういう場合、その横領といったものをやった本人が一番悪いんですが、指揮命令系統──組織の中で考えましたら、要はその組織の中で見る目がなかったというのが常識であります。そういった常識が全く通用しないわけでありますが、先日のその議案質疑の中で、要は教育委員会の管理能力といったものが、これが顕著にあらわれてしまった感がございます。あそこの議席から私も見ていたんですが、あちら側の理事者の方々の中には、本当にあいた口がふさがらない、万歳しちゃっているようなあきれていた方が何人かいらっしゃいました。

 こういった中で、これでは人間関係がうまくないといったような理由程度で異動させてくれるというのもあり得るのかなという気がいたします。東武百貨店のお店の中に従業員の方は何人ぐらいいらっしゃるのか、私、知りませんが、例えば教育委員会の常識といったものを東武百貨店の船橋店の中に持ち込みましたら、これ、お店は10時には絶対開店できなくなってしまうわけであります。でも、こういったものが今の教育委員会の現実であることから目を背けるわけにはいかないと思います。

 そして、報告を受けられまして、その後の動き等もお聞き及びとは思いますが、常識を備えられた民間出身の教育委員長といたしまして、今回のお粗末ぶりをどのように思われたかお聞かせ願いたいと思います。

 そしてまた、紋切り型の改善策ではなくて、実効性のある改善策といったものを私も望むわけでありますが、こういったことをどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

 そしてまた、関連いたしまして、民間の出身であるか否かといったものを問わず、教育委員に求められる役割といったものは、従来までの発想ではとても対応できない、そういった内容が登場してはきていると思います。ところが、教育委員会の制度そのものを今すぐ変えることができない以上は、教育委員さんにはやはり責務といったものを果たしていただかなければ困ってしまいます。

 そこで、これからの教育委員さん──船橋の教育委員であれば5名ですが、それぞれその教育委員に求められる役割とは何か、お聞かせを願いたいと思います。

 そしてまた、項目の・、・、・は通告の項目・に内容が重なっておりますので、項目・へと移ります。

 先月、14年度使用の中学校教科書の採択が終わりました。砂田委員長はその過程に深く参画されてこられたわけですが、船橋市の教育委員会段階でのやりとりといったもの──いろんな会議がなされ、勉強会とかされたと伺っております。そういった船橋の教育委員会段階でのやりとりから、8月8日の日の船橋採択地区協議会ですね、この協議会で事実上教科書を決定したというふうに聞いておりますが、こういった、ずっとそれまでの経緯の過程の中でどのような考え方でそういった会議に臨まれて、ご自分のお考えを開陳される機会もおありだったと思うんですが、どのような発言を通じて生かしていかれたかをお聞かせ願いたいと思います。

 そして、私も教科書採択協議会の議事録といったものを拝見させていただきたかったものですから、資料請求したわけであります。(議事録を示す)ご存じかと思いますけど、こちらが会議録なんですが、どのようなやりとりがあったかというのは、これだけで見るとさっぱりわかりません。これは平成13年度第1回教科用図書船橋採択地区協議会会議録、期日5月22日、開会10時、閉会11時20分。出席者は、船橋からは教育長、教育委員長、教育委員会参事、指導課長、塚田小学校校長と、あと古和釜中学校校長、船橋PTA連合会会長とあるんですが、市川、浦安の方々も同じようにして来ているんですが、その中で出席者とあって、初めに会長より、本会議の進行を会長が行うことを確認した。1、開会の言葉、会長。2、来賓あいさつ、千葉県教育長、船橋地方出張所長。3、教科用図書船橋採択地区協議会委員の自己紹介。協議会の成立を確認。4、説明・協議。これは、要は事務的なことがずらずらと書かれているだけです。5番、その他、なし。6番、閉会の言葉、会長。こうして、実に1時間20分程度で終わってしまったわけであります。

 第2回の方が午前9時10分に始まって、午後4時まであります。このときの出席されているメンバーも、ほとんど全く同じです。この中で、要はあいさつとかがあって、第1回の採択協議会の会議録の承認についてとありまして、こちらを承認ということになっています。そしてまた、研究調査委員報告──これは調査委員報告書という形でまとまっていると思うんですが、これらのうち、小学校11種目、中学校16、養護学校、特殊学級用教科書及び107条本についての研究調査結果報告があった。そして、閉会となっているわけであります。

 そしてまた、7月にもあって、このときにも、要は会議録の承認ですとか、そういったことが書いてあります。

 また、一番気になるのが、これが一番最後になると思うんですが、8月8日、第4回教科用図書船橋採択地区協議会並びに採択関係3市事務局担当者会議会議録、開会午後2時、閉会午後3時とあります。この中では出席者──このときには砂田委員長はいらっしゃってないようですが、教育長と委員といらっしゃいます。

 そしてまた、これは、私も伺ってもなかなか教えていただけなかったんですが、教科書の展示会があったんですが、そのときに私もあそこのららぽーとの先の出張所に行ったんです。そのとき会議を、何の会議ですかということで私も知りたかったんですけど、一切厳戒体制ではじかれちゃったんですが、そのときに行われた会議といったものは何だかよくわからないんですが、どういう会議といったものが行われていたかということにつきましても、1問目に重なってしまいますが、お聞かせをいただきたいと思います。

 そしてまた、8月15日以前であれば、私もその中身につきまして、とやかくお尋ねするようなことはないんですが、16日以降であれば、そういったお尋ねも重要ということで、よろしくお願いいたします。

 やはり今回のこのやりとりといったもの、そしてまた今回の一連の動きを見まして、およそ知る権利の意味といったものがわかっていないといったことは、私もよくわかりました。やっぱりそのお粗末ぶりといったものは、これはもはやあきれを通り越している段階であると思うんですが、かくなる上は、やはり教育委員会の方々も、例えば議会事務局に修行にでも行きまして、市民の知る権利にこたえるということはどういうことかといったことをしっかりと教えてもらうことを、私はお勧めしたいと思います。

 そしてまた、今回は教科書採択に関しましての情報公開に限ってはおりますが、こういった情報鎖国──情報公開に対しまして非常に後ろ向きであるような姿勢といったものが、私、これが一事が万事であるような気がしてなりません。

 そこで、お尋ねいたしますが、今回の教科書採択に関しまして、余りにも情報を閉鎖しようというような姿勢がうかがえたわけですが──閉鎖するといいますか、決して積極的ではなく、情報を極力公開しない方向でいたような対応を、私、目の当たりにしたんですが、こういった対応に関しましてどのようにお考えかお聞かせを願いたいと思います。

 済みません、ちょっと暑いので上着を脱いでいいでしょうか。お待たせいたしました。

 それで、教育行政といったものに対しまして、保護者といったものが非常にないがしろにされてしまっている。保護者が積極的に教育行政に参画をしていくべきではないかと私は思います。採択協議会の委員の中にPTA連合会の会長さん、たしかいらっしゃったと思うんです。PTA連合会の会長さんが就任されていますが、やはり今後の教育行政の発展には、保護者の意向といったものを反映しなければ、これは絶対前に進まないと思います。今後の保護者の教育行政への参画推進に向けましてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 そして、最後になりましたけれど、教科書の内容に関しましてお尋ねをいたします。

 私も、この間の出張所に行ったときに全部の教科書を拝見しまして、幾つかコピーをとってきたんですけど、今回中学校の歴史教科書なんですが、この船橋出張所管内で採択された歴史教科書の記述に関してなんですが、「広島は軍都だったから被爆をしてしまった」といった、結論付けるような記述があったことは、ごらんになられてご存じのとおりだと思います。

 しかし、昭和20年の8月6日に投下される前の5月の10日と11日に、アメリカ側で目標選定委員会といったものが開かれた経緯があります。これは、要は日本の中でどこの都市に原子力爆弾を投下していこうか。その都市を、どこに落とすかといったことを決めた会議であるわけですが、その中で原爆投下都市の基準といたしまして、直径3マイルを超える大きな都市。1マイルというのは約1.6キロですから、直径が大体4.8キロ前後ということが1つの基準となっているわけであります。そしてまた、爆風によって有効に損害を与えられること、8月まで通常爆撃をする予定がないことなどが挙げられています。

 これは、要は軍需産業といったものが、国内、横須賀ですとか、舞鶴ですとか、名古屋ですとか、いっぱいあったわけであります。そういったところは、やはりそういった都市の中で空襲を受けているわけですが、要は8月まで通常爆撃をする予定がない都市ということが1つの基準となっていたそうです。

 そして、こういう事実関係といったものを確認してまいりますと、「軍都だから原爆を投下された」という論理といったものは、これはおかしいんではないかと私は思います。そして、このことに関してはこういう指摘があって、取材に対してコメントされているのが原水爆禁止日本国民会議(原水禁)の話──この記述も含め、検定を合格した各種の教科書が核の問題をどう考えているのか慎重に検討したい。そして、原水爆禁止日本協議会(原水協)の話──確かに広島は軍都だったが、爆心地は繁華街で、市民の殺傷を目的としている。日本が戦争を始めたから原爆投下があったという歴史的背景はあるが、原爆投下はどのような理由でも正当化できない。核兵器禁止平和建設国民会議(核禁会議)の話──核兵器は非人道的な兵器であり、いかなる理由でも使用は許されない。それを強調せず、広島が悪かったから原爆を落とされたと生徒に教える教科書記述は、原爆の容認につながり問題だ──とあります。

 そもそも国際法に完全に違反しているような、こういった内容がまかり通ってしまっていること自体、私は問題だと思うんですが、こういった記述があるような教科書を採択されるに至りました経緯といったものをお聞かせいただきたいと思います。

 そしてまた、今、私、指摘させていただきましたが、こういった矛盾といったものをどのようにお考えになるかお聞かせをいただきたいと思います。

 そしてまた、第3回の採択協議会におきまして、公民分野の中で、現在採択された教科書を、これは内容が適切で幅広く取り上げられ、社会的な問題に着目している。学び方が身につくよう、興味、関心を体験的な学習を通してできるようになっている。こういうやりとりが報告がされているわけでありますが、社会的な問題に着目しているというふうな報告があるんですが、今回採択されなかった教科書の中には、北朝鮮によります日本人拉致問題といったものを取り上げた教科書といったものが1社だけあったわけであります。そして、この教科書は採択されることはありませんでした。こういった教科書のその姿勢に対しまして、どのように思われたかにつきましてお聞かせを願いたいと思います。

 以上で、1問を終わらせていただきます。

[教育委員会委員長登壇]

●教育委員会委員長(砂田清子) 皆様、こんにちは。それでは、お答えをいたします。

 お答えをいたします前に、一言お話をさせていただきたいと思います。プロでいらっしゃる皆様方の前に改めてこのようなことを申し上げることを少し迷いつつ、けれども、ご存じのとおり、私はきょう、教育委員長としてお答えをしなさいということで、ここに伺わせていただいております。教育委員会というところは合議制の執行機関でありまして、私がただいま教育委員長という職にありますけれども、教育委員長としてお答えをする場合に、おのずとそこにはお答えできる範囲というものがございます。ぜひそのことをご理解いただきたいと思います。

 最初にお尋ねの、教育行政とはということでございますが、教育基本法にその目標が──ここは読ませていただきます。「不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行うという自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件を整備確立すること」と定められております。あらゆる場面において、この定めを物差しにして、一生懸命自分の責務を果たすというふうに私は理解をいたしております。

 2番目に、順序があちらこちらにいきましたら申しわけありません。メモが少し追いつかない部分もあります。民間企業出身委員長として、教育行政をどのように展開したかというご質問でした。私といたしましては、これは私だけではなく、他の委員も皆そうでありますが、教育委員は教育に素人である人をもって民意を反映させるというところに今の教育委員制度があります。私も、これまで自分が身を置きました民間企業での経験ということを、それぞれの場面で意見なり、または態度を含めましてあらわすことによって、船橋市の教育行政にいささかなりとも寄与できればというふうに考えております。

 次に、同じお答えになってしまいますでしょうか、教育委員に求められる役割はというものもあったかと思います。教育委員会の役割というのが地方教育行政法にあるとおり、国や知事、市町村長に留保されたものを除き、地方公共団体のすべての教育行政事務を管理、執行することというふうになっていることは承知しておりますが、教育行政というのは、まことに膨大、多岐にわたっております。また、現在は改革ということで、教育行政もその改革の波の中にあるわけで、非常に広い範囲の事柄についてさまざまなことが求められる役割であるというふうには、重く受けとめております。

 ただ、先ほども申し上げましたとおり、教育委員は、今までの生活全般の見識を持って教育行政に寄与するという基本的な使命を帯びておりますので、そのことを再度自分の心に確認し、役割を遂行していることが肝要ではないかというふうに思っております。

 次の質問では、新聞等で報道されております前御滝中学校の教頭による不祥事についてのご質問でありました。この件につきましては、まことに残念です。この件だけではなくて、けさの新聞紙上は一面全部が本当に残念な記事で埋め尽くされております。いろいろな思いの中で、私がまことに残念で申しわけないと思いますことは、今回のご質問にありました事件によって、父兄はもちろん、特に子供たちに、先生に対する信用の失墜を招いたことは否めないというふうに考えます。今後、私を含めて教育委員といたしまして、服務監督の任に当たる者として、今までにも増して、その責務をよく果たすべく努力してまいりたいと思います。そして、信頼の回復を早い時期にというのはなかなか難しいものがあるやもしれませんが、信頼回復のために全力を尽くしたいと思います。

 次に、教科書採択の質問をいただきました。採択に関して、教育委員長としてどのような役割を果たしたかという質問であったかと思いますが、教育委員会は合議制の行政執行機関です。私は教科書の採択委員として、一委員として採択会議には出させていただいておりますが、その果たすべき役割は他の委員と異なるものではありません。1人の委員として、教科書の採択会議に参加をいたしました。戻りまして、教育委員長として委員を招集し、会議を開催し、教科書を採択しているというところでございます。

 今回の採択は文部科学省の検定を経た──もちろん当然ですが、文部科学省が、この教科書はすべてよろしいというふうなことで採択会議に提示したものの中から、すべての教科書を対象に厳正に意見を交わしつつ採択をいたしました。

 それから、次に教科書の内容について、るる質問をいただいておりますが、これも重複になりますが、文部科学省の検定を経た、皆それぞれ特徴を持ちつつ、どの教科書もよい教科書である教科書として適切であるということのもとに提示されたものの中から、今、子供たちに大きな目標は、生きる力をつける、みずからが学ぶということを大きな大枠の目標にありますので、その目標に沿った教科書をというふうなところで厳正に討議を重ねた結果、採択は行われております。細かな1つ1つの教科書について私の意見を申し上げることは控えさせていただきたいと思います。

 続きまして、この教科書採択につながってということもありましたが、教育行政に関する情報公開についてどう思うか、保護者が教育行政に参画する仕組みについてどうかというふうに質問をいただきました。情報公開、情報開示につきましては、教育行政のみならず、すべての者に、これは大きな流れです。船橋市教育委員会におきましても、情報の公開、開示には精いっぱい努力をしております。今後もそのような流れの中で取り組んでまいりたいというふうに考えております。保護者が教育行政に参画する仕組みについては、これは教育委員会会議での合意をもってのお答えといたしたいと思います。この場では、この件につきましてはお答えを差し控えさせていただきます。

 以上、私のお答えといたします。

[中村実議員登壇]

●中村実議員 ご回答ありがとうございました。私もお話を伺いまして思うんですが、合議制だからどうこうというのは、私、これ、余り妥当だとは思いません。合議制で教育行政としての意思決定をされていく中では、合議制というのは、私、これは正しいと思うんですけれど、果たして合議制というのを、例えばこういうところで質問があって、私はかくかくしかじか、こう思う。それをおっしゃるに当たって、合議制だから私は答えられないというのは非常に不適切じゃないかと思います。そのあたり、特に教育委員会の方からどういうふうな……。そういう質問が来たら、合議制だから答えられないというふうに言ってしまえば大丈夫だからというふうに言われたのかどうかは知りませんけれど、大いに言っていただいちゃって結構だと思います。

 例えば教育長にお伺いしても、学校教育部長にお伺いしても、ぜひそのあたり、お答えもいただきたいと思うんですが、教育委員長がご自分の考えをこういう議会において発表する。例えば教科書採択に当たって、自分はこういう姿勢で臨んで、私はこの記述がどうしてもよかった。この記述が悪いから、あの教科書は悪かった。あの教科書を採択すべきだと思う。そういったことの意思表示をすることは何ら差し支えないと思いますので、教育委員会といたしまして、教育委員長がそういう意思表示または発言をすることをどのようにお考えでいらっしゃるか、お聞かせをいただきたいと思います。

 そして、(「教育委員会の責任者が答弁しているんだよ」と呼ぶ者あり)委員長として1年間にわたったと思うんですが、やっぱりいろんな春夏秋冬あったと思うんですが、それぞれの場面でこれはといった出来事がなかったと言った方が……。例えば私なんかは各学校とかにお邪魔をしたりしても、そのお邪魔をするたびに子供たちと話したり、親御さんと話したり、学校の先生と話したりして、やっぱり行くたびに新しい発見ですとか、感動ですとか、そういったものは、私、確実にあるんです。委員長としていろんな学校に行かれたり、会議に行かれたりされるかと思うんですが、そういった場面で何にも覚えてないというわけではないんでしょうけれど、特に何もさしたることはなかったというようなお答えをいただいてしまうとちょっと寂しいなという気がいたします。何か、これはという、私が委員長在任の期間でこんないいことがあった。例えば私はこんなことを子供に教えて、子供がこういう反応をしていたとか、そんなことでも構わないと思いますので、お聞かせをいただきたいと思います。

 そして、(「目の前で言っていたじゃない。専門的な話をしていたよ。あんた、聞いてなかった」と呼ぶ者あり)さっきのお尋ねの件なんですが、要は御滝中のことを特に限定したわけではなくて、教育行政全体に関しましてお尋ねしたことでありますので、その辺、念のためご了解いただきたいと思います。

 あと、お答えいただけなかったんですけれど、教育委員会という制度ですね。これはもう戦後のものだと思うんですが、こういう教育委員会という制度が、これ、現実に見合っているかどうかといったことをお聞きしたんですが、その制度の中身といったものは、やはり中にいらっしゃる方が一番よくおわかりだと思います。

 教育委員会の制度って、いろんなお考えがあったと思うんですね。やはり教員出身者独特の世界といったものがありまして、私はそういう考え方というのは全く通用しないと思うんですけれど、東武百貨店の広報部門という、戦略を練り上げていく中でいかに売り上げを確保していくか、いかにお客さんを自分のお店に引っ張ってくるか、そういう戦略を立てていくという、戦略といったものがなくても、いわば構わなかったような部門である部分ですが、しかし、私は情報公開にいたしましても、例えば保護者を積極的に教育行政の中に参画していただくようなことに関しましても、やはり戦略的に攻めの行政の姿勢でいかなければ、本当にこれ、孤立してしまったりするんじゃないかなと思います。ですので、今の教育委員会という制度に関しましても、どのようにお考えかお聞かせをいただきたいと思います。

 これは教育長か、教育次長か、どなたかがお答えいただいた後の話になっちゃうかと思うんですが、要は委員としてどういう意見を開陳されたのか。教育委員として、教科書採択に当たって、さまざまな主張やお考えがあったと思います。その内容につきましては、会議に関しましては一切シャットアウトですし、私どもは知るよしもございません。

 ところが、これはまさに市それぞれの対応によりまして、例えば杉並区の教育委員会は、これはもう公開でして、何だかテレビで見たら、押すな、押すなの大騒ぎをしていまして、例えば北朝鮮に拉致された日本人の問題に関しまして、その中の教育委員さんが、私は、それはどういうふうに発言されたのかわかりませんけれど、要は事実関係が定かであるのかどうなのかわからないからというような趣旨で発言をされておられます。

 そういったものは公開されて、それは教育委員さんそれぞれのお考えですから、どのような発言をされても、私は一切構わないと思うんですけれど、やっぱりそれは教育委員としての責務だと思いますし、発言をしていく、それを公開されても構わない。私は、そういう姿勢で教育委員会に臨むべきだと思うんですが、これは教育委員会の教育委員長ではなくて、ほかの方から話してしまっても構わないよという、いわばお墨付きがなければなかなかおっしゃりにくいことだと思いますので、その前段階といたしまして、教育委員会のどなたかに、教育委員長がその中身につきまして発言することが適切か否かに関しまして、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

 それと、あと教育行政の知る権利に関しましてなんですが、努力をしていこうというのは私もよくわかります。ただ、努力するというのはだれでも言うわけでありまして、要は今の現状に対しまして、どういう問題の意識を持っていらっしゃるか。本当に閉鎖的な密室教育行政といったもの、これは知る権利に対しましての応対1つとりましても、これ、本当、一事が万事なんですけれど、このあたり、今の教育行政の情報公開といった面とかでの現状に対しましての問題意識に関しまして、お聞かせをいただきたい。それが私の先ほどの申し上げた意味でありますので、よろしくお願いいたします。

 これもちょっとワンクッション置かなければいけないんですが、要は教科書の中で文部省が検定を通したどうこうというのも、これは大きい、大事なことではあるんですけれど、検定を通った教科書が何冊も出てきているわけですね。その中で区別を行っていくというのが、これが教育委員会の仕事ですから、そのあたり、区別をしていく上でいろんな根拠があったと思います。そして、それぞれの記述に関しまして、これはとてもすばらしい、これは明らかに不適切である、さまざまなお考えがあったと思います。このあたりもお聞かせをいただきたいと思います。

 以上で2問を終わります。(「中村さんはどういう教科書が欲しいの」と呼ぶ者あり)

[管理部長登壇]

●管理部長(鈴木有年) 再質問にお答えを申し上げます。

 まず、1点目の合議制の件でございますが、教育委員会は合議制の執行機関であるということはご案内のとおりであります。それによりまして、その意思は委員によって構成されます会議で決定をされてまいります。そういう意味からしましても、委員長が発言するについては、当然内容によっては教育委員会会議の中の議を経て開陳しなきゃならない問題もあるだろうというふうに考えております。

 次に、教育委員会制度ということでございますが、教育委員会は地域の実情や住民の要求に基づく教育行政を行うことによって、教育の民主化を進める任務、役割を持っております。したがいまして、大局的立場で教育行政の方針、重要事項の決定を管理、執行するものでございます。その機能には内部組織権、規則制定権、行政執行権、事務配分権等があるわけであります。

 そういう意味で教育委員会としましても、地方公共団体内の事務の統一的な処理、また効率的な均衡のとれた運用を図るとともに、地方公共団体の長が教育についても財政の面から責任を有することとして、教育行政と一般行政と調和を図っていくということもございます。そういうことで、地方公共団体の職務権限とされているものを除きまして、教育に関する事務はすべて教育委員会にゆだねているということでございます。そういうことの中で教育委員会制度というのが成り立っているというふうにご理解いただければ大変ありがたいと思います。

 以上でございます。

[学校教育部長登壇]

●学校教育部長(皆川征夫) それでは、私の方から、質問の中の知る権利に関することの開示についてご説明をしていきたいと思います。

 教科用図書の採択が公正かつ適正に行われるために、教科書採択関係につきましては、8月15日までは非公開でございます。ちょうど中村議員がお尋ねになられました第2回の採択協議会は、その8月15日前でございましたので、会議内容についてはお答えできなかったものでございます。したがって、その後、現在は、できるだけ市民に内容を開示するために、広範にわたりまして開示されてございます。

 ご質問の中で、教科用図書船橋採択地区協議会の会議の記録につきましては、審議の内容が十分示されていない、情報開示に消極的ではないかというご質問でございました。この協議会の記録につきましては、協議会の中で承認されるものでございます。議員のご質問につきましては、この協議会の方に、その記録についてもう少し開示すべきでないかということのご意見を伝えまして、今後検討していただくようにお伝えしてまいりたいと思います。

 以上であります。

[教育委員会委員長登壇]

●教育委員会委員長(砂田清子) 再質問が2つありました。教育委員会の現状に対してということと、教科書それぞれについての感想ということであったと思います。

 教育委員会制度の現状についてということでありますが、これは教育委員会のみならず、すべてのものが長い歴史の中で時代とともに変化も求められますし、よりよい役割を果たすためには、変革を重ねてよいものにたどり着くということだと思います。教育委員会も、その意味では時代とともに、その時代の中で生きている子供たちのために、子供だけではありませんけれども、教育行政全般について、よい役割を果たすためにはどのような形がよいのかということは日々研さんを重ねて、よいものに向かってまいりたいというふうに私は考えております。

 教科書につきましては、ここで議員の質問に私の意見をお答えするのには適切ではないというふうに考えますので、お答えは差し控えさせていただきます。

 以上です。

[中村実議員登壇]

●中村実議員 お答えありがとうございました。合議制の意義に関しまして、またちょっとくどいようで嫌なんですけど、要は私がここでお尋ねをした内容の程度といったものが、合議を経なければ、そういった中身に対しては回答ができないというような内容ではないと思います。このあたりは理事者の方にも、私が今お尋ねした内容が、果たして合議制で判断を経て回答できるものであるのか否かといったことに関しましてはお答えをいただきたいと思います。私は個人的に思いますには、全く合議の必要はないと思います。

 あと、情報公開のことに関しましてですが、先ほども申しましたけれど、杉並区の教育委員会なんかでは、要は傍聴の人がいっぱいいて、テレビカメラも、最初だけ入っていたのか、ずっと入っていたのか、よくわからないんですけれど、けんけんがくがく議論が行われていて、その議論といったものを極めてオープンにしていっているわけであります。私は、別に杉並のまねをしろと言うわけではないんですけれど、1つの情報公開の開示の例といたしまして、これは極めて適切だと思います。そのあたりに関しまして再度お答えをいただきたいと思います。

 以上です。

[管理部長登壇]

●管理部長(鈴木有年) 再々質問にお答えを申し上げます。

 合議制の内容等は言えないのではないかということでございますが、教育委員会会議の各委員さんの意思をお聞きするかどうか。また、その判断につきましては、教育委員長がそう判断されたことでございますので、私の方からその辺についてお答えをすることはできないと思っておりますので、ご理解をいただきたいと思います。