平成14年第3回船橋市議会定例会   平成14年9月12日

 

●議長(千葉満) 中村実議員。(拍手)

[中村実議員登壇。「頑張ってよ」と呼ぶ者あり]

●中村実議員 激励をいただきまして、ありがとうございます。大分日も落ちてきたんですが、いましばし、おつき合いをよろしくお願いいたします。

 早速始めますが、船橋市のまちづくりに関しましては、分野を問わず、民間活力の導入が求められていると思います。行政改革との両立あってこそ、福祉先進都市も実現に近づくものであると私は思います。

 そしてまた、先番議員の指摘にありましたとおり、子育て支援政策たる保育政策にも、民間活力の導入が求められ、行政改革と両立しつつ、新たな手法の船橋の保育政策が展開されていくことを願いまして、そしてまた、地域の期待にこたえる施策の早急な展開を強く要望するものであります。

 保育政策の新機軸が打ち出されようとしている地区の1つとして、西船・行田地区があります。この地域は、まさに現在進行形で、町が大きく変化しつつあります。西船橋駅の乗降客数が目に見える形でふえていることに、その実感を私もいたしております。西船橋駅の今後といったものは、この地域の今後といったものを映し出すものであるとも言えると思います。まちづくりの一環といたしましても、今後のさらなる尽力を強く要望するものであります。

 ちなみに、本日、項目2の医療センター、4の外郭団体、5の学校教育につきましては、次回以降の提起とさせていただきます。

 まず、動物愛護行政に関しましてお尋ねをいたします。

 人と動物との共生を実現すべく、物を言えない動物の分も、我々人間には問題を提起する義務があります。法律や条例といった規範が求められる背景及び原因は、多くは我々人の側によるものであると思います。動物とのすばらしい共生を実現するためには、愛護の精神や気風を高めることや、飼い主の責務の明確化、そして、いわゆる適正飼養が求められると思います。実現に向けての1つの規範こそが動物愛護条例でありますが、今後の推移に関しましては、前回定例会におきまして確認いたしました。あくまでも日本一の動物愛護条例をつくる気構えで、条例制定に臨むことを強く要望するものであります。

 さて、中核市移行の暁には、市が主体となって動物愛護事業を展開していくこととなりますが、担うべき役割の中には、動物そのものを理解する機会の提供があるのではないかと思います。生態や習性、そして生理の理解に欠けているがための不幸な事態を防ぐことで、動物がみずからの意でないままに、厄介者とされてしまう事態を防ぐことにもつながると私は思います。

 本来、飼い主に求められていることは、事前の学習ではありますが、現状に照らしてみますに、まずは施策を展開することで、正常化を実現しなければなりません。普及啓発といった活動も、行政に求められるかと思いますが、今後どのような施策を展開するのか、お聞かせを願います。

 また、昨今の殺伐とした世相におきましても、動物が人をいやしてくれる効果も注目されております。特別養護老人ホームにおきまして、いわゆるアニマルセラピーの効用といったものが著しいとの報告もあります。現代人と動物とのかかわりといったものは、時代の要請に伴いまして大きく変化していると思います。しかしながら、あくまでも飼育の前提には、愛護思想と適正飼養が求められるわけであります。

 一方、飼い主のやむにやまれぬ理由や断腸の思いで、または場合によっては、極めて理不尽な理由で生存を脅かされかねない動物が保護されていることも、また事実であります。

 行き場を失った動物と、愛情を注ごうとする方が、めでたく出会えることがあればいいのですが、なかなか意思の疎通を図る機会がないままに、すれ違いが多く生じております。

 そこで、行政として、その仲立ちといった役割も求められるのではないかと思います。里親と動物を引き合わせることができれば、めでたしめでたしであるわけです。お見合いの場を設営したり、ホームページを活用しての伝達も期待できるかと思います。行方知れずになってしまった動物の行動範囲と、人が探し回ることのできる範囲には大きな開きがありますし、個々人の限界もあります。会合を設営したり、ホームページ上での情報交換の場の設営といったものは、まさに我々市民が頼りとする行政の役割ではないかと思います。今後の取り組みに関しまして、お聞かせを願います。

 捕獲された犬の掲示を見ましては、私自身心が痛むと同時に、大変腹の立つ思いであります。動物には罪はありません。とがめられるべきは飼い主である人間である以上、基本規範たる動物愛護条例のもとで、動物愛護の施策を展開することを改めて要望するものであります。

 続きまして、男女共同参画についてですが、女性センターに関しましてお尋ねをいたします。

 男女共同参画の時代に、なぜ「女性センター」なのか、これは私の率直な疑問であります。名称はさておき、問われるのは、事業の中身との意見もありますが、やはり名は実をあらわすべきものでありますから、男女共同参画理念の実現が目的ならば、「男女共同参画センター」であってしかるべきではないかと思います。現行の名称が現実にそぐわないものと思われますが、ご所見を伺いたいと思います。

 続きまして、男女共同参画に関する条例につきましてお尋ねをいたします。

 条例制定に当たっては、機運の高まりといった要件があるかと思います。本市におきましての現状をお聞かせいただければと思います。男女の違いといったものは尊重されるべきものであるからこそ、ある時期からは、着替えも別にするべきだと思いますし、体育の授業なども、性差といったものを尊重して、別に行うなどの当たり前の配慮がなされているわけであります。

 私は、男女の差別といったものは不公平だと思います。しかしながら、男女の区別をなくすことは、生理的に不可能だと思うのです。それぞれの持てる特性を生かし合いながら、向上していく姿こそ自然体だと思います。女の人が重い荷物を持っていたら、手を貸すのが当たり前であり、区別であります。そういう区別がなくなるなど、あり得ないとは思いますが、あったら、まことにもってそら恐ろしい話であります。

 男女の区別というものは、男らしさ、女らしさという言葉に端的にあらわれるのではないかと私は思います。その男らしさ、女らしさを否定する考え方があまねく受け入れられるものであるかどうか、また条例の中で否定されるべき考え方なのか否か、ご所見を伺います。

 続きまして、図書館についてでありますが、いわゆる平和図書展示に関しまして、お尋ねをいたします。

 子供たちが夏休みの期間、私も中央図書館での展示を見学に参りました。並べられている本に目を通したわけですが、歴史に関する図書や、非武装中立云々といった内容の書籍が並んでおりました。

 平和と一言に申しましても、どうすれば平和を実現することができるのか、人それぞれで意見が分かれる問題であります。一切の軍事力を有しないことが平和につながると考える方がいる一方で、必要な防衛力を国家が有してこそ平和が実現できると考える方もいるわけであります。何をもって平和図書と認識をするのか、まさに意見が大きく分かれるところではないでしょうか。

 図書館の自由に関する宣言を、ここ数カ月、幾度となく目にされてきたかと思います。かような対立する意見のある問題については、それぞれの観点に立つ資料を幅広く収集する、これはごくごく当たり前のことでありますが、今回展示された図書に目を通した限りにおきましては、およそ宣言の趣旨とかけ離れた印象を受けたわけであります。やはり宣言を体現する資料提供といったものがあってこそ、図書館は図書館としての責務を果たすことができるのではと私思います。

 今回の展示は、宣言に照らしてみますと、反対側に位置すると言える資料の提供がないがしろにされているようで、いかがなものかと戸惑うばかりでありました。この実情をどのように認識されるのか、ご所見を伺います。

 以上です。

[保健福祉部長登壇]

●保健福祉部長(金子正雄) 動物愛護についてお答えいたします。

 初めに、動物愛護事業を展開するに当たり、飼い主等に対する普及啓発活動についてのご質問にお答えいたします。

 動物愛護行政については、動物の虐待の防止、適正な取り扱い、愛護に関する事項が規定されている動物の愛護及び管理に関する法律の趣旨を踏まえ、本市においても動物の愛護に関する条例を制定し、人と動物との共生を実現できるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 具体的な取り組みといたしましては、飼い主に対しては、飼い方やしつけ方教室の開催、不妊・去勢手術の励行、相談業務等の実施など、飼い主の責任を明確にすることを含め、動物との適正なあり方や、終生飼養意識の高揚のための普及啓発活動を実施してまいりたいと考えております。

 また、国が設定した動物愛護週間の趣旨を踏まえ、子供たちに対する動物の触れ合い教室等の開催を検討してまいりたいと考えております。

 次に、里親探しの場や情報交換の場の設営についてお答えいたします。

 この世に生を受けた動物が、終生にわたり飼養されることは、犬猫の殺処分を減らすために大きな意味を持つと思われます。したがいまして、飼い主に対する適正飼養の指導だけではなく、やむを得ない理由により引き取られた犬猫のために、里親を探すことが有効な手段となりますので、市といたしましても、里親をあらかじめ登録し、市が仲立ちとなって犬等を紹介する里親登録制度の実施について検討してまいりたいと考えております。

 また、子犬の譲渡会の実施、また市のホームページを活用して捕獲犬の飼い主探しや、引き取った犬猫の里親探しのための情報交換等の実施について検討してまいりたいと思っております。

 以上でございます。

[企画部長登壇]

●企画部長(菅谷和夫) それでは、私の方から男女共同参画についてのご質問にお答えしたいと思います。

 まず、最初に女性センターの名称ということでございますが、このことにつきましては、昨年の平成13年第4回定例会におきまして、現在検討中であるということでお答えしたところでございます。内部的には昨年の4月の課名変更にあわせまして変更すべきとの意見もあったわけでございますが、市民の中には、男女共同参画社会の女性問題の解決拠点である「女性センター」であるべきとの考え方も、一方では非常に根強いものがあるということでございます。

 また、男性も気軽に利用できるように愛称を募集し、もっと親しみやすい施設名にしたらどうかというご意見もございます。こういうことから、もう少しお時間をいただきまして、男女共同参画社会の形成のための施設としての名称ということで検討してまいりたいというふうに考えております。

 それから次に、男女共同参画条例につきまして、現状ということでございますが、昨年、船橋市男女共同参画計画、いわゆるfプランがスタートしたばかりでございますので、現在は、この計画の啓発・推進ということで業務を進めておりますので、条例制定につきましては、今のところ未着手でございます。

 そういった中で、男らしさ、女らしさというご質問がございましたが、条例の中で否定されるべき考えか否かということを言われました。ただいま申し上げましたように、条例化については未着手でございますので、この件についてはお答えできませんことをご理解いただければと思います。

 以上でございます。(「さっきのチラシの件についてもちゃんと答えた方がいいよ」「関係ねえよ、うるせえな」「関係あるじゃない」と呼び、その他発言する者あり]

[生涯学習部長登壇]

●生涯学習部長(石井英一) 平和図書展示会に関しましてご答弁申し上げます。

 本市は、昭和61年12月に世界の恒久平和を願い、核兵器の廃絶を目指して平和都市宣言を行って以来、さまざまな平和啓発事業を実施しているところでありますが、図書館といたしましても、平和図書コーナーを設置し、平和に対する市民意識の高揚を図っているところであります。

 ご指摘のように、だれしもが平和を望むものでありますが、日本の平和、また世界の平和を実現していくためにはどうしたらいいか、人それぞれに考え方も違うものと思います。図書館のあり方として、図書館の自由に関する宣言が日本図書館協会からも出されており、その趣旨を踏まえ、図書の選定につきましては、十分に配慮してまいります。

●中村実議員 了解しました。

●議長(千葉満) 以上で、本日の一般質問は終わりました。