by 手塚
名乗りをあげてかれこれ十年以上。一時はもてはやされたけど、今となっては誰も知らない、将棋界の影のお話です。
第一回 基本知識
登場!そして沈黙……
四人将棋の存在が一般に知れ渡ったのは平成5年の秋ごろだったと思います。プロ棋士が指しているところがテレビのニュースで放送されたことで一気に名前が知れ渡りました。当時はまだ本などは手に入りにくい状態だったので、並べ方くらいしか分からずに、とりあえず少しやってみて飽きてやめるという人が多かったと思います(私もその一人です)。
実に華々しい登場でした(将棋にしては)。しかし四人いないと出来ないことや駒を2セット使うことが煩わしいため、あまり流行らずに消えていくんだろうなぁ…と言うのが私の予想でした。
実際その後3年間は四人将棋を見かけることは全くありませんでした。
並べ方
四人将棋の歴史や何かについては段々に書いていくとして、先ずは気になる並べ方から。並べ方は下の図の通りです。決して「こち亀」で両さんが考えたような並べ方ではありません。覚え方は簡単。王と金銀は同じで飛車が中央。飛車が動けないように歩で囲ったら完成です。桂、香、角は四人将棋では使いません。
見て分かるように本将棋(普通の将棋)と比べるとかなり奇妙な格好をしています。ピラミット型のコンパクトな陣形、陣を切り裂くような×字の空間、上下左右に対称の美しい配置……などと誉められなくもないですが、やはりただのダンゴ四つです。
将棋盤一つと駒が二セットあれば出来ますが、専用の盤駒セットも売っています。これは盤やマスが正方形なので左右の人からも見やすくなっています。もちろん駒の数もピッタリ!おまけにルールや解説集もついてお値段何と3000円!!…だったと思う。ただし、滅多に手に入らないのが難点ですが…。
一応3年くらい前に将棋会館で売られていたのを確認しています。今もあるのだろうか? それと、もしかしたら島根県平田市の土産物屋にあるかも知れません。
ルール
四人将棋のルールは基本的には本将棋と同じ部分が多いですが、四人将棋特有のルールもあります。
まずは駒の動かし方ですが、これは本将棋と全く同じです。自陣の反対側の3段目に入れば成ることも出来ます。そして手番についてですが、これは四人将棋独特で(麻雀のパクり??)手番は基本的に時計周りで周っていきます。ただし、王手がかかったときは王手をかけられた人の手番となり、王手をかけられた人が王手を解除したらその左の人の手番に…と言う感じで、麻雀のポンと同じように王手によって手番を飛ばされる人も出てきます。
以上簡単過ぎる説明でしたが、これだけでとりあえず四人将棋を指すことが出来ます。勝ち負けの決め方は主に2種類ありますが、それは次から説明するとしてしばらくは自分達で考えてください。ルールを自分で考えるのも意外と楽しいものですから。
日本大学理工学部将棋研究会