〜2006年12月 挨拶履歴



2006/7/4

浜名湖花博から2年(肝心の花博へは足を運ばなかった)、入場無料が気に入って、昨年、今年と2年続けて同じ時期に、その花博跡地である浜名湖ガーデンパークを訪れたのですが、昨年より、かなり人影が減っていると実感しました。

昨年ならば、公園内のどこへ行こうが、必ず人影が見えたし、展望エレベーターにも少ないながら人の列ができていました。今年はと言うと、まさに、自分だけの庭と錯覚するほどの寂しさで、展望タワーに至っては、横を通るだけで、係員(ボランティア?)が、「いかがですか?」と声を掛けてきます。広さが広さだけに、園内の植生整備も人手(ボランティア?)が追いつかないようで、昨年、花を咲かせていた場所が更地になったり、ところどころ、雑草も目立ち始めていました。

平日のせいなのかも知れませんが、ここも、ご多分に洩れず、『夏草や』状態になりつつあります。自分にとっては、この寂しい風景のほうが好きですが、この施設を維持するために・・・、はぁ〜、何となく気持ちも寂しくなります。

そんな中、起死回生を狙って?なのか、サザンオールスターズをメインとするアーチストたち(福山雅治、ポルノグラフティ、BEGIN、Dragon Ash、Mr.Children、GRAYほか)のコンサート『THE 夢人島Fes.2006』が8月26、27日とぶっ通しで行われます。その中でも異彩を放つのが、『加山雄三』・・・(この意図がどうしても理解できません)。そのチケット、1日券で12,000円が安いのか高いのかは、そもそも、行く気の無い人間には分かりませんが・・・

それにしても、デジカメに収まる風景に猫の子1匹いないと言うのも・・・ 
えっ? 『左隅の日傘は?』ですって。確かに生き物ですが、
残念! 妻です。



2006/7/6

とある金融機関駐車場での、ドアのアタック攻撃を受けてビクともしなかった我が愛車、よく見ると凹んでいます。かなり鋭角に見なければ分からないほどの、ほんのわずかな凹みで、正面から見る分には、それほど気にはなりません。逆に、はっきり分かる傷であったならば、勇気を奮い立たせ、かの屈強オバタリアンの責任を追及するところでもありました。

しかし、感心したのは、凹むほどの衝撃を受けたにも関わらず、下地にまで傷が及ばなかったことです。半分は眉唾物と疑っていた『ガラス繊維ケイ素ポリマー』なるコーティング剤、衝撃に対し、しっかり、塗装面を保護しているようです。それとも、車体の塗装技術自体が進んだせい?なのかも知れませんが。



2006/7/10

昨日から大相撲名古屋場所が始まったのですが、相撲部屋(都内)から離れた場所(大阪、名古屋、九州)中、力士たちを含めた相撲関係者は、仮の居を構え、それ以上に力士たちが稽古をするスペースが必要になってきます。短期地方巡業ならば、宿泊施設や、あるいは、それも無い場合は、民家にお世話になったりなどする訳なのですが、年3回の地方場所は長期間になります。資金力のある部屋であれば、各地にそれなりの施設を設ければ事は足りるのですが、そうも行かない部屋もあります(今はどうなのか?)。で、どうするのか(どうしたのか)と言うと、目を付けたのが『お寺』、それも、名古屋市内に限りません。土地を借りるに当たってお金が掛からず(タダ?)、あとは、敷地にゆとりがあり、交通の便がよければ、多少、遠距離であっても問題はありません。

30年近く前になりますが、名鉄犬山線、木曽川を越えれば岐阜県と言う、犬山遊園駅前の小さな喫茶店で彼女を待っていると、大男たちが、5、6人、ぞろぞろ、入ってきました。彼らが店に入ると同時に、いっぺんに空間が狭まったような圧迫感を感じ、酸素が薄くなったような息苦しささえ覚えました。一目瞭然、浴衣姿の彼らは、力士たちです。その店の近くには、犬山周辺の初詣で賑わう、犬山成田山(千葉県成田市成田の大本山成田山新勝寺の別院で、正式には大本山成田山名古屋別院大聖寺)と言う、大きなお寺があります。たぶん、そこに宿泊して、場所に通っていたものと思われます。

そして、オーダーしたのはアイスコーヒー。いつものことのようで、店主も慌てることなく、注文の品を持ってきました。


・・・・ 大ジョッキで。



2006/7/13

カーナビゲーションの目的地ルート検索は『推薦ルート』、『一般道ルート』、『最短距離ルート』など5つのルートから選べるようになっています。『推薦ルート』と『最短距離ルート』が、いったい、どう違うのか確かめようと、最短距離ルートをセットしたのですが、とんでもなく狭い農道を走る羽目になり、おまけに一旦停止標識のおかげで、結局、時間的には長くなってしまいました。どうも、『推薦ルート』は優先道路を優先的に選ぶようになっているようです。場合によっては、時間的に『最短距離ルート』の方が優る場合もあるとは思いますが、安全(狭い抜け道を走ったが為に人を撥ねたり、自損事故を起こす)のことまで考えるならば、やはり、『推薦ルート』を走ったほうが賢いと思います。

音声は右折、左折の指示ばかりではなく、急カーブ、事故多発地点、合流地点、踏切などを知らせたり、道路工事情報のFM電波を受信し、向かう方向によって、その工事地点も知らせてくれます。なんと言っても、最大のメリットは、助手席で地図を見ながら指示する、方向音痴の妻の案内に惑わされる(これが運転手にとって、かなりのストレス)ことなく目的地に行けることで、嬉しいことに、到着予想時刻も表示されます。

浜名湖ガーデンパークから、目的地を自宅にセットして帰る途中、『三ヶ日方向こちら』看板に、とりあえず、ナビの指示を無視して左折すると、道路は川(橋)を渡り始めました。ふと、ナビを見ると、わが愛車、なんと、川の中(橋のない所)を泳いでいます。ナビも呆れて?、黙ったままです。

ナビ自体、衛星からの電波により自分の位置を割り出している(GPS)だけで、道路そのものを見ている訳ではありませんので、ナビに表示される地図情報は決して、正しいとは限りません。最新の道路を表示させるには最新のソフトを入れなければならないのですが、とりあえず、次の車検までは、場合によっては、勇気を持って、橋のない川を渡ったり、道のない山を登ることになりそうです。

ああ、それから、今ではカーナビの音声案内に方言バージョンもあるようなので、次は、関西弁で・・・・

「エエカア、ツギィ、ヒダリヤデェ」
「アカン、アカン、マチゴウトルワ、ボケェ」

やはり、やめとこう。



2006/7/14

シクラメンのその後です。

次から次へ開花しています。恐ろしいほどに花芽が出現しています。
でも、今の時期、日に当てようと窓辺に置くと元気がなくなります。
説明札を見ると、『暑からず、寒からず』って・・・
逞しいのか、ひ弱なのか・・・



2006/7/15

梅雨前線の北上に伴い、太平洋高気圧に覆われた東京以西の日本、うだる暑さに眠れぬ夜が続きます。合併により岐阜県高山市に次ぎ、日本2位の面積を誇る?浜松市は、日本最高気温を記録する町に変貌しました。それまでは、浜松市ではなかった、かつての気温最高地点である佐久間町、天竜市の吸収は、浜松市の知名度アップに大きく貢献しています。

ここ三ヶ日も端くれとは言え浜松市の一員、天竜からの熱風に巻き込まれ?、気力も失うほどの暑さに閉口する日中、そして、眠れぬ夜が続き、眠ったのか眠っていないのか、かなりの不快感のうちに、いつの間にか空が白み、ふと、窓の外を見上げると、青空、白い雲、そして、白い月・・・、



まじまじと白い月を見るなんて、いったい、いつ以来だろう

いつしか、思いは遠い子供時代を馳せ、しばし、今から始まる猛暑も忘れ、心穏やかに・・・
・・・なる余裕もありません。
朝から30度なんて、いったい・・・



2006/7/17

食中毒警報は、
(1) 気温30℃以上が10時間以上継続、または予想される
(2) 湿度90%以上が24時間以上継続、または予想される
(3) 24時間以内に急激に気温が上昇して、その差が10℃以上、又はそれが予想されるとき
以上のどれかが満たされた時(or条件)、あるいは
  <1>気温が28℃以上となり、かつ、6時間以上継続、または予想される
  <2>湿度が80%以上となり、かつ、相当時間継続、または予想される
  <3>48時間以内に気温が上昇して、最高と最低の気温の差が7℃以上となり、かつ、相当時間継続、または予想される
(4)以上3点全てが満たされたとき時(and条件)に発令されます。

警報の趣旨からすれば、継続した時点で発令するよりも、予想される時点で発令するのが尤もなところで、それゆえ、気象庁との緊密な連携が図られているようです。静岡県は7月13〜16日の猛暑で、即座に今年最初の警報を発令し、三ヶ日では同報無線で発表されました。過去、この警報の発令は度々、耳にするのですが、解除されたと言う、何らかのアクションが伝わってきたことがありません。実は、この警報は48時間後、自動消滅するそうです。

多くの人が、『食べ物が腐る』=『食中毒菌が発生している』と思っているらしいのですが、この二つは、絶対、同時発生(大量増殖)することはありません。『悪が悪を駆逐する』ではありませんが、ひとつの菌(腐敗菌or食中毒菌)のみが大量増殖します(同じように、数ある食中毒菌が同時に同じ場所に大量増殖することもありません)。おまけに、食中毒菌は食物を腐敗させる原因菌ではないので、総じて、くさくはありません。まあ、くさくない故、油断して食し、食中毒になるのですが・・・

そうです。あなたの目の前の食べ物が、腐ったような臭いがしたり、ネバネバっと糸を引いたとしても、心配する必要はありません。それは腐敗菌君が見事にサルモネラ君や腸炎ビブリオ君(ちなみに腸炎が頭に付かないビブリオ君は腐敗菌)に勝利した証拠、食中毒にならないと言う確固たる証、単に腐っているだけ、そう、納豆と一緒です。


さあ、安心して、召し上がれ。



2006/7/18

食中毒菌であるサルモネラは世界中に約2500種類の血清型があると言われていますが、そのうち、鶏卵を介する特徴的なサルモネラがあり、それを特にサルモネラ・エンテリティディス(SE)と呼びます。その汚染経路はそもそも親鶏の卵巣がSEに汚染されていて、その菌が卵黄に付着する場合、そして、産卵後、親鶏の便のSEが卵殻から内部へ侵入する場合があります。どんなに注意を払ったとしても、4000個に1個の確率で汚染されていると、一説に言われています。

菓子屋、特に洋菓子を製造する店にとって、なくてはならない卵なのですが、その扱いには神経を使っています。サルモネラの特徴として、その増殖可能温度の範囲は7〜46℃(最も増殖する温度は30〜40℃)なのですが、5℃以下では増殖することはなく、60〜70℃で死滅しますし、毒素を残すこともありません。それを踏まえ、冷蔵庫(家庭用ではなく、保冷力の強い業務用プレハブ冷蔵庫)で保管し、焼き菓子の場合は何の心配もありませんが、クリーム、ムースへの加工段階では、必ず、沸騰状態を経由させるようにしています。

食品を製造する業者は年に一度、食品衛生に関する安全講習会を受けることが義務付けられているのですが、毎年、卵のサルモネラに対する注意点が繰り返されたおかげで、いつしか、好物であった卵掛けご飯を食べなくなってしまいました。とは言え、それほど心配する必要はありません。ただ1点、生卵をそのまま食べる時、注意するのは、買ったばかりの卵を使用することです。保菌した卵である確立は4000個に1個ですし、もし、保菌していたとしても、新鮮な卵であれば、菌の数は数十個、発症の恐れは、まずありません。

これで、当たったならば、早速、宝くじを買いましょう。



2006/7/20

最近の気象は雨も風も尋常ではないように、夏の暑さも半端ではありません。昨年、一昨年の夏を思い出し、そろそろ、本格的な夏到来を前に戦々恐々としています。最も辛いのが、熱帯夜が続き、睡眠が十分に取れなくなることです。店ではエアコンを稼動させているのですが、住居部分では、冬も含め、エアコンのスイッチを押すのは2,3回(地球に優しい家族?それとも、けち?)、そもそも、寝室のエアコン設置はしていませんので、せいぜい窓を開けることぐらいが精一杯。熱帯夜は、かなり、我慢大会の様相を呈します。

なんとか、お金が掛からず、快適睡眠が得られる方法はないものかと、ここ数年、事あるごとに考えていたのですが、そこで思い付いたのが、『空中に寝る』こと。真っ先に頭に浮かんだのが、椰子の木陰で海風にやさしく揺れるハンモック。想像しただけで気分が爽快になります。でも、何となく、背骨が曲がったまま、寝返り困難、実際にはそう快適ではないのかも知れません。それ以前の問題として、部屋に椰子の木を植えるわけにも行きませんし・・・

菓子作りには小麦粉、砂糖は必須材料なのですが、常に、数袋(1袋20〜30kg)ずつをストックしています。そして、湿気に注意し、『すのこ』を敷いた上に置きます。

・・・・・・・、そうだ、『すのこ』だ
その上に布団を敷けば、下からも熱は逃げていく
う〜ん、これは、かなり快適だぞ

先日、早速、ホームセンターで50p×80pのすのこ980円を2枚、購入してきました。しかし、それ以来、熱帯夜が来ません。 あんなに嫌だった熱帯が、とてもとても、待ち遠しい?です。



すのこをベッドにしたら、ヒット商品間違いなしと思ったのですが、誰も、考えることは同じようで、すでに、商品化されているようです。価格は2万〜5万円、折りたたみの簡易型や単なるすのこ板でも、8500円〜2万円、随分、欲張った価格設定です。それならば、1960円、これで十分でしょう。籐の枕をお付けしても、2500円。さあ、買った、買った!



2006/7/24

7月20日、民主県連の幹事も務めた田中覚(さとる)県議(三重県)が知り合いの男性1人、外国人女性2人と津市内の飲食店を訪れた際、待たされたことに腹を立て、女性店員を怒鳴りつけて泣かし、更に女性店長に椅子やメニューを投げ付け、けがをさせたとして、7月21日、津署に被害届を出され、本人は暴行を否定したのですが、結局、逮捕されると言う事件がありました。本性が表れたのか、それとも外国人女性に、自分に権威があることをアピールしたかったのか分かりませんが、か弱き女性相手だけに、己の人間の小ささをアピールしてしまったに過ぎません。待たされたことに腹を立てたならば、黙って店を後にする方が、よほど男らしいと思うのですが、そのまま食事をすると言う神経を、並の人間では到底、理解できませんし、結果として、更に、更に、その人物の小ささを際立たせてしまいました。

そして、食事をしている間に、己の蛮行を反省するに十分な時間があったと思われるのですが、その、人間の大きさ、男らしさを見せる、最後のチャンスをも逃してしまいました。なんと、店を出る段になって、お金を出さずに、自分の名詞を渡し、「請求書を事務所に送れ。払うか払わんか、わからん」と、まあ、何とも、大人気ないと言わざるを得ません。人生長くやっていますが、今まで、ツケ(要するに借金)で食べて、威張る人間を見たことがありません。おまけに、「払うかどうか分からん」なんて、『食い逃げ』同然。

店で食事を済ました事実からすれば、たぶん、謝罪はないにしろ、世間の常識ある人間が、普通にしている支払いを済ませておけば告訴されずに済んだことでしょう。最後の行為(捨てぜりふ)が、店側を告訴に踏み切らせた要因だと思われます。おまけに、告訴されると、今度は「虚偽告訴の罪に当たる」など逆告訴したのですが、さすがに警察も呆れ、容疑と記載事実が対応しないとし不受理としました。どこまでも行っても、懲りない人間は懲りないと言う見本でしょうか。

ただ、『食い逃げ』に関しては、いくら店側がツケで商売をしていないと言っても、そして、客側の一方的な行為にしろ、名刺を渡し、素性を明らかにしていることから、詐欺罪は成立しないと言うことです。その辺のこともあり、傷害罪による告訴になったと思われます。気持ちの問題が大きそうなだけに、たぶん、真摯な謝罪があれば、店側の告訴取り下げもありそうなのですが、懲りない田中君は、いまだに、己の罪自体を認めていませんし・・・・、
お金も払っていません(21日夕刻)。

そんなに食べたかったのならば、食べる前に、威張らずに、
「申し訳ありません。腹が減って死にそうです。
お願いです。お金がないので、ツケ(タダ?)で食べさせてください」
と、正直に言えば良いのに・・・

自分だったら、食べるのを我慢するけれど・・・

田中君は、よほど、我慢の出来ない人間(=幼稚?)なのかも・・・



2006/7/30

待望の熱帯夜(準熱帯夜程度?)の到来に、まずまずの『快適すのこ寝床』は、果たして本物なのか、それとも、妻が言うように、単なる気のせいなのか、それは非常に微妙な問題です。そもそも、『快適』と感じるのは人間の頭の中、気のせいにしろ、『快適』に感じるのであれば、それは、確かに『快適』と言うことに他なりません。

ただ、熱帯夜が続いた、ここ2日ばかり、非常に早起きで、今日も、ヒグラシの2鳴きに続く、早起き鳥たちの鳴き出しを耳にしてしまいました。これって、やはり、『非快適』なのかも・・・

もちろん、ヒグラシの鳴き声、小鳥のさえずりが『快適にあらず』ではありません。眠れなかったことを早起きと弁明したがる、自分の脳内です。



2006/8/3

試合終了のゴングに、日本中の大多数がため息をついた亀田劇場(WBAライトフライ級王座決定戦の巻)の顛末は、今までの景気のいいパフォーマンスがあっただけに、何ともコメントできない後味の悪さでした。ただ、試合前に賑わした場外戦は、明らかに亀田のノックアウト負けでした。

会見場で、『ベイビー』の愛称を持つランダエタに、皮肉たっぷりに『キューピー人形』を贈った亀田に対し、笑顔で答えたランダエタは確かに大人でしたが、その後、ランダエタが計量の時、「カメダ、カメダ」と言いながら手渡した、気の利いた贈り物、『おしゃぶり』に激昂して払い落とした亀田には、確かに、カウントが10、入っていました。まあ、その前に、『キューピー人形』のお返しとばかりに贈られた『紙おむつ』に、「ふざけやがって、なめとんのか」と叫んだ時点で、最初のダウンを奪われていたのですが・・・

それにしても、らしくありません。試合終了の親子の顔は負けを認めた顔でした。それが一転、本意でない勝ちに、今までのポリシーはどこへやら。あれだけ相手を小ばかにした手前、せめて、

「こんな勝ちは勝ちとは言えん。

タイトルを返上して、もう一回、勝負や」

ぐらいは言って欲しかったし、亀田らしい。

帰り際の亀田ファンの一人、

「判定だろうと何だろうと勝てばいいんだよ、勝てば」

これって、『負けました』と言っているように聞こえます。



2006/8/5

一転、罪を認め、そのおかげで保釈措置が採られ、その場で被害者、有権者、支持者に謝罪した田中覚 三重県県議ですが、騒動の場となった飲食店での、名詞で借金をする神経は、議員さんならでは不遜さが見受けられるのですが、我が店でもツケ売りが、ごく稀にあります。ほとんどが、『うっかり財布を忘れて』と言うケースがほとんどで悪意はありません。それでも一回だけ、得意なケースがありました。

今まで店に来たことのない見知らぬ中年男性が、支払いの段になって、

「自分は、○○地区の△△□□の家の●●だが、後で払いに来る」

とツケを申し出ました。当然、売る側に拒否する権利もあるのですが、商品を包装し、手渡した後で、それに、△△□□様と言う家は知っていたので、了承するしかありませんでした。しかし、それから半年、梨のつぶてに業を煮やし、●●という人物が△△家に存在するのを確認したうえで、△△●●様宛で請求書を郵送しました。

それからしばらくして、店に現れたのは●●様ではなく、その両親、要するに□□様でした。そして、帰り際、

「何で売ってくれたんだ。もう、これから、●●には売らないでくれ」

・・・・・・・
売るなと言われても、顔も覚えていないし・・・
それに、店に来た人間を『出て行け』と追い出すこと自体、店の評判が・・・
それよりも、□□様から、●●様に言っておいてもらえれば・・・

どうにも納得の行かない申し出でしたが、笑顔で、お見送りいたしました。

後で知ったことなのですが、少し、精神薄弱な面があると言うのですが・・・
来店したのは自分の運転する車でしたし、受け答えも普通、いやいや、一般の人と少し違うことを理由に販売やサービスを拒否することのほうが問題があるようにも・・・



2006/8/7

つい最近、静岡市で交差点を右折中のトレーラーが横転し、20歳の女性が自転車ごと下敷きになり死亡するという痛ましい事故がありました。カーブ地点と言うこともありますが、トレーラー、特にコンテナ運搬車には注意が必要です。六方、壁で密閉されたコンテナは、落下物の心配もなく、外見上、安定していると言う錯覚を与えます。その分、運転手も、コンテナ内の荷は安定した状態で積まれているものと思い込み、中の状態を確認することもなく運転をしている場合がありますし、たとえ、確認したにしても、重心の位置まではわかりません。もし、重心が、左右どちらかに寄っている場合、意外と簡単に横転は発生します。それも、90度に曲がる交差点などに限らず、高速道路など、比較的カーブの緩い場所ですら、条件(重心の片寄りと、コンテナ内での荷崩れなど)さえ揃えば、十分、発生の可能性があります。

ベテラン運転手の場合、その運転感覚で、荷の状態をおおむね判断できるようなのですが、私たちが自分の身を危険にさらさないためには性善説を唱えていても始まりません。肝心の運転手が、『経験が浅い』、『感覚が鈍い』、『性格が荒い』、『飲酒の有無』、『勤務環境が劣悪』、『過度の疲労』・・・、用心するに越した事はありません。『君子、危うきに近寄らず』、大型車(特にコンテナ運搬車など)を見たら、その慣性方向を的確に判断し・・・・・・、

逃げましょう。
車を運転する場合、カーブ地点でのトレーラーとの並走はもってのほか、歩行で交差点にいる時もダッシュの心構えを!

でも、どうしようもないシチュエーションがあります。車を運転していて信号待ちをしている時です。交差道路から右折してくる大型車を目にする度、

これ(大型車)が、そのまま横転したら・・・

と思う自分は、異常?・・・・では、ないですよね。



2006/8/24

最近、玄関の郵便受けに卒業大学の科の同窓会案内の葉書が届いていました。差出人の氏名から、その人物の顔の記憶を呼び戻そうと努力したのですが、大学を卒業して30年以上の歳月、卒論の研究室の違いが影響してか、どうしても思い出すことが出来ません。それにしても、かなり唐突な案内に少しばかり躊躇したのですが、同じ研究室を含め、科の卒業生との音信は途絶えていて、何よりも自分は、その世界から足を洗った?人間、出した結論は『欠席』でした。

『出欠はメールで』と言うことで、早速、返事をしたのですが、2、3日後、それに対する返信メールが届いていました。そして、文末に差出本人の氏名が記載されていたのですが、その下に、こちらから要求してもいない、差出人の素性の一つである『会社名と役職名』・・・、う〜〜ん、少し、引いてしまいました。

同窓会は遠い記憶を呼び戻す場と考えていたのですが、『でも、同窓会はそんなものか』と、ある意味、妙に納得してしまいました。



2006/8/28

昨日今日と、ラジオの交通情報で、いつもは耳にしない情報が繰り返し流れています。

「・・・略・・・、
その他、浜名湖周辺の道路の混雑が予想されます。
・・・」


そうです。あの、イベント、浜名湖を挟んだ対岸、浜名湖花博跡地、今は県の施設になった浜名湖ガーデンパークにおいてのコンサート(サザンオールスターズ、他多数)です。ただ、ここから、かなりの距離があり、そのイベントは、ここ三ヶ日にとって無縁のものと思っていました。

ところが、昨日、試食した『シャリカリミカン』を土産にと再訪したお客様の話から、実は、ここ三ヶ日に宿泊したのは、そのイベントが目的であったことが分かりました。 『対岸の火事』 の火の粉が、ほんの少しだけ、舞って来ました。火の手が上がるほどのものではありませんが・・・



2006/8/30

全国高校野球選手権大会の優勝校、早稲田実業の斎藤佑樹投手がマウンドで顔の汗をぬぐっていた青いハンカチを求めて、製造元の「ニシオ」(大阪市中央区)に、「どこで買えるのか」などの問い合わせが殺到している。「佑ちゃんハンカチ」の人気の過熱ぶりに、同社の西尾武志社長(49)も苦笑するばかりだ。

 同社長によると、斎藤選手が使っていたハンカチは、2001年に主にギフト用として製造を開始したが、昨年9月ごろに中止した。既に在庫はなく、製造再開は未定。定価400円のこのハンカチに、ネットオークションでは1万円を超える値段が付いた。同社長は、「中古品を高値で買う気持ちが分からない」。(時事)


呆れる前に、思わず、噴き出してしまいました。
斎藤選手本人が使ったシロモノならば分からないでもない(これでも、私の理解の限度を遥かに超えてはいますが)のですが、本人が使ったわけでもない、単なるハンカチに1万円を出そうと言う神経とは、いったい?

誰かの陰謀としか思えません。後悔するのは火を見るよりも明らか。後悔する事もないとしたら、それはそれで、大変、幸せな事なのかも知れません。今のこの日本の社会が、とんでもなく平和だと言う証拠?



2006/8/31

豊橋の西のはずれにある友人の家に寄った後、国道23号線を東進、豊橋市街地に向かって車を走らせていると、はるか前方、豊川に掛かる渡津橋手前の信号のカーブ、向かって右側歩道部分を勢い良く、一台の自転車がハンドルを切り、こちら方向へ向かって来るのが見えました。と、その時、ハンドルを切りすぎたのか、一瞬、蛇行したと思いきや、自転車の右方向に倒れ込むようにして、歩道の雑草の陰に消えました。

赤信号に減速しながら、その付近に接近するに連れ、状況がはっきりしてきました。年齢は40〜50歳、半ズボン姿、ホームレス風の男性が自転車と共に倒れています。自転車の前かご、そして荷台に、家財道具一式とおぼしき荷物が積まれ、その荷物の重さ故に、バランスを崩し、転倒した模様で、彼はと言うと、ちょうど、その荷台の荷の山とアスファルト路面に右足を挟まれた状態で倒れていました。半ズボン姿で足は剥き出し状態だったことから、怪我をしている可能性があります。それでも意識ははっきりしているようで、倒れたままながらも、しきりに荷を上げ、足を抜こうとしています。ただ、体勢が体勢なだけに思うに任せない雰囲気で、

これは、助けてやらなければ

と考えたのですが、赤信号で停止したままの状態で、車を放置するわけにも行かず、Uターンするつもりで信号が切り替わるのを、彼の様子を窺いながら待っていました。すると、どうにか足が抜け、骨折や激しい出血など、重い怪我もないようで、立ち上がったあと、2,3度、膝の屈伸をしています。もう大丈夫だろうと判断し、そして、信号も青に変わり、その場を後にしたのですが、あのまま、彼が倒れた状態であったなら、必ず、彼の元へ行き、手助けをしたに違いありませんし、そのつもりでした。

実は、そんな風に考えた自分に、自分で驚きました。人間と言うのは、相手がどんな人間であれ、その人間が危険な目に会っている場合、自分の立場はさて置き、助けようとする本能が備わっているのだと。

最近、ホームレス風の人間を目にする機会が増えてきたのですが、それは正に、強い者はより強く、弱い者はより弱い立場に追いやる、今の社会の副産物に違いありません。強い立場の者の為に、弱い立場に置かれる者を見た時の人間の本能は『強きをくじき、弱きを助ける』なのに、政治は『弱きをくじき、強きを助ける』、実に、無慈悲なものです。そんな政治こそ、弱い立場の者(今の世の中)が見えていない証拠に他なりません。



2006/9/4

デジカメなどで目の前の風景を画像にした時、人間の感覚(視覚)の奇妙なことに気付きます。それは、特に、遠くにある物体を意識した時、顕著になります。画像にした時のターゲットが、自分で予想した大きさよりも、随分、小さいと言う事です。

『見える』と言う現象を、デジカメに置き換えると、『目』と言うレンズから得られた陰影、色彩を、『脳』と言う演算処理装置により画像化していると言えます。処理するのが脳であるが故に、その処理過程で、今まで脳に蓄積された情報や機能が働き、見えないものが見えたり、機能が停止しているために、見えていても見えていないことが発生します。冒頭の現象(錯覚?)は、ある物体を意識すると、脳が勝手にズームイン機能を働かせているに過ぎません。

「うっそ〜、何、これ!」

取り板の上で出来上がったケーキを、フィルムとアルミ箔で処理し、ショーケースに並べるのですが、その取り板を冷蔵庫から出す時、ケーキを転げ落とし、他人事のように笑ってごまかす妻の所作、それは、確かに、見えていても見えていない『脳』の仕業に違いありません。



2006/9/7

今から40年以上前、小中学校で使用されていた録音機(テープレコーダー)は、縦30p、横40p、厚みも20pほどの、かなり、いかつい機械で、製品に記された大書きの文字『SONY』は、今のセンスからすれば、『田舎臭い』、『わざとらしい』のですが、今でも鮮明によみがえる記憶からすれば、当時としては斬新なデザインだったに違いありません。当時、子供心に、世の中、便利な(変わった?)機械があるものだと感心したのですが、それから5年もすると、目覚しい技術発展、高度経済成長による国民全体の所得アップ、更に、音楽文化を手軽に手に入れようと望んだ国民の支持により、『テープレコーダー』は、希少な教育機材の位置付けから、またたく間に汎用機の地位を確立していきました。

その経済の発展があったからこそ手に入れることが可能になった、録音された『自分の声』は、生まれてからそれまで、自分の認識(頭蓋内で響いている音と自分の口から発した音の共鳴音?)していた声とは大きくかけ離れ、驚きと共に、『自分の声であるはずなのに自分の声とは思えない』、『これが、自分以外の人が聞いている自分の声なのか』と言う、何とも言えない、奇妙なインパクトがありました。

どんな美声の持ち主も、その美声を自分以外に聞かせることは出来るけれども、本人は、決して、ライブで聞くことは叶わない。意地悪な現実です。ただ、多くの人が、カラオケで自分の声に酔いしれる事実(自分の声を過大評価?)からして、美声の本人には、皆が聞いている以上の美声が響いているのかも知れませんが・・・

余談ですが、スキューバダイビングに用いるボンベの呼吸ガスとして、酸素と混ぜて用いられる『ヘリウム』を吸い込むことで、こちらは、声自体を変化させる(アヒルのような声?)ことが出来るのですが、今、自分たちが出している声は、地球上の空気の、酸素と窒素の比率による声であって、もし、ガスの種類、比率の違う惑星に行けば、声も変わるに違いありません。(『なぜ、変わるのか?』と言う方が興味深いとは思いますが、根気がないせいか、探し当てることが出来ませんでした。多分、そのガスの持つ、音の伝わる速度の違い?)

それを実証して見ようと、ほかのガスで挑戦?って・・・、
確かに声を変えることは可能なのかもしれませんが、ただ、『ヘリウム』は、窒素同様、ほとんど血液に溶け出すことのない為、利用されているに過ぎず、ほかのガスでは血中へ入り、呼吸困難など、生命を危険にさらす、いわゆる、ガス中毒になる恐れがありますので、悪しからず。



2006/9/10

9月になっても続く、異常な熱帯夜、そよとも動かぬ空気に、「お前は役立たずか」と、スノコに怒りをぶつけるには、あまりにも理不尽、風が抜けてこそのスノコベッドなのですが、それにしても、この、陽気はいったい・・・

静岡は日本でも温暖な所として名を馳せています。それは静岡を離れた時、実感します。出身地を紹介すると、必ずや、『気候の良い所ですねえ』と言う受け答えが返ってきます。しかし、今は、『暑いところですねえ』に変わりつつあります。実は、こんな静岡(の三ヶ日)ですら、過去は、今からは想像も出来ないほどの気候でした。

わが家の南側には、大きく窪んだ畑地が猪鼻湖から、2,30mの幅で細長く続き、その南側に防風の目的で竹藪が添う形で張り付いています。かつては湖の入り江で、奥には船着場もあった(江戸?明治?)らしいのですが、自分が生まれ、気が付いたときには、埋め立てられ、田として利用されていました。冬になると、その持ち主が気を利かせて水を張ったのか、日によっては大人が乗っても割れないほど、しっかりした氷が張っていました。南側が竹薮のおかげで日光がさえぎられ、一日中、凍ったままで、ところどころ、稲を刈ったあとの部分が頭を出してはいるものの、まさに天然のスケートリンクです。竹を反割りにし、キリで穴を開け、紐を通し靴に縛り付け、即席のスケート靴でスケートに興じる子供たちの絶好の遊び場になっていました。

それ以上に驚くべき現象を一度だけ目にしたことがあります。1月のある朝、騒然とした大人たちの世間話に好奇心を掻き立てられ、湖へ走ったのですが、紛れもなく、目の前の湖面(猪鼻湖は塩水湖)が凍っていました(凍ったと言っても、岸近くにシャーベット状の氷)。鹿児島でも30cm以上の積雪を記録した、かの三八豪雪(1963年、自分が小学校4年)の年が符合しそうなのですが、自分の記憶では、それ以前だったようにも思います。たぶん、自分の人生で、もう二度と見ることはないでしょう。

今では、年に一度あるかないかの薄っすらとした積雪、そして、異常な熱帯夜、三ヶ日における地球温暖化の実感です。



2006/9/14

シガレットライター部分のジャックに装着する器具
ラジエーターへ入れる特別なクーラント
給油口から燃料タンクに吊るすだけの金属物体
配線の一部に装着する電気器具
燃料パイプに縛り付ける磁石

湾岸戦争時を超え、うなぎのぼりのガソリン価格、その為なのか、上で紹介したようなガソリン節約グッズが大売れだそうです。科学的に実証されていると謳ったり、さも効果があるようなデータグラフなどを示していますが、注意書きとして、必ず、『効果は、それぞれの条件により異なります。ご自分でお確かめください』とあります。何とも怪しげな注意書きに、その効果の程は、おおよそ、見当が付きます。『相当な効果が期待できる』と書かない(意図的に?)程度のものです。運転状況により、ガソリンを入れるたびに燃費が変わるのは当然のことで、その辺の事情を隠れ蓑にしようという魂胆なのかも知れません。

そんな怪しい方法よりも、確実に燃費向上可能な方法があります。

『急』の付く運転は避ける
定速走行
エンジンブレーキの使用
電気を消費する余分な装備は着けない
余分な積載はしない
空ぶかしを含め、不要なアイドリングをしない

『急』ブレーキも燃費向上に効果があるのかと疑問を持たれたと思いますが、急ブレーキで無理矢理失った力は、再び、その力を得るために燃料が余分に掛かりますし、タイヤの磨耗と言うおまけも付きます。これらのエコ運転による燃費向上の効果は目に見えて実感でき、怪しいグッズとの比ではありません。

年に6〜7回、妻の実家である関市(岐阜県)までを日帰りで往復します。その度に高速道路を使うのですが、高速での燃費効率は時速80kmの定速運転が最も良いと言うことで、早速、挑戦しました。これから先、高速道路を下りるまで、ほぼ、抜かれ続けなければなりませんので、出発前の心掛けとして、まず、深呼吸し、心を穏やかにします。人間の心理である、『勝とう』と言う気持ちを抑え、イライラしないよう、精神統一をします。

時速80kmは高速道路を走る車にあって、当然、最低速な部類で、予想通り、次々と車が追い抜いていきます。しかし、心配した心理面でのストレスはありませんでした。むしろ、猛スピードで追い越し、詰まった車列にブレーキ、その繰り返しをする様を見ると、それが非常に愚かしく、哀れに見え、まるで、天上から見下す神のような気分で、快感でさえありました。更に、当然、自分の前の視界は開け、抜きつ抜かれつ、前方ふん詰まりのストレスもありません。

ゆとりを持った時速設定でのドライブ計画は、燃費向上+運転ストレス低減(心身ともに)の、最有効手段なのです。

しかし、それが出来るのも、平日が休みの者の特権かもしれません。たまに、用事で休日に車を走らせることがありますが、休日特有の行楽渋滞に巻き込まれたりします。平日休みの自分にとっては、普通の人より渋滞に対し、ストレスを感じるに違いありませんが、そんな中、逆に、渋滞を快感と感ずる人がいます。定年を迎え、時間的に余裕(毎日が休み)のある知人に、正月やゴールデンウィークに、その渋滞に、わざわざ、巻き込まれに行く人がいます。自分も、世間一般と同じように休みを取っているんだと言う充実感を得るためにです。渋滞している人にとっては(環境にも)傍迷惑な話ですが、現代社会には、何とも、歪んだ癒しが存在します。



2006/9/15

奈良東大寺南の『大仏前』信号交差点を、北に向く形で赤信号で停止し、しばらくすると、後続の車が一斉にクラクションを鳴らします。信号機の柱に『常時左折可』の青地に白抜き文字の何とも地味な看板。「これに気が付け!」と言う方に、かなり無理があります。インターネットの車関係の掲示板で、その分かり辛さを指摘したところ、奈良在住の人から書き込みで、その場所では他府県ナンバーの車が、よくクラクション攻撃を受けていると言います。

『信号の色に関係なく常時左折は可能ですが、交差道路を走る車や歩行者に注意』と言う、この標識は、静岡や愛知でも稀に見ることがあります(その多くは、左折専用誘導路がある)が、『赤信号なのに青』と言う、何とも紛らわしい指示もさることながら、その表示看板そのものも地味で、通り慣れた人でなければ、多くの場合、見過ごされて当然と言えます。また、ひとつ間違えれば、事故が発生する可能性もはらんでいます。なぜ、そのような曖昧で危険な表示(立派な道路標識の一部)が、まかり通っているかと言うと、どうも、渋滞解消の一手段と言うことらしいのです。

クラクションの一斉攻撃に、最悪の気分での帰路、ある交差点を赤信号で停止すると、左脇を一台の乗用車が左折して行きました。

あれ? 『常時左折可』 なの?

いえいえ、どこにも、そのような表示はありません。

奈良市は観光地と言うこともあり、訪れた車の渋滞解消手段としての『常時左折可』標識が多いそうです。それが悪影響(勘違い?、図太い?、人柄?)を及ぼしたのか分かりませんが、『常時左折可』のない、普通の信号でも、様子(おまわりさんの有無?)をうかがいながら、常時、左折が横行しているようです。渋滞解消に貢献しているのかも知れませんが、皮肉なことに、その左折時の事故が増え、今は、『常時左折可』標識の撤去を進めていると言うことです。

でも、その前に、『常時左折可』精神が染み付いた、ドライバーの意識を何とかしないと・・・



2006/9/16

裏にある意図を隠しながらも、『美しい日本』 を連呼する自民党総裁候補の阿部氏、彼が主張する教育改革の一環として『大学の新学期を9月にする』と言う、その理由がどうにも理解できません。『多くの国がそうである』なのか、高校卒業から大学入学までの間に『たとえば、ボランティアをしてもらう』なのか、いずれにしても、理由に足るものとは思えません。

今まで、定着している4月入学を、混乱覚悟で、あえて、多くの国にならう必要性もなければ、メリットありません。それに、ボランティアは、そもそも、自主性から発生するもので、『たとえば』と言う文言を付けているにせよ、国が指導して押し付ける類のものではありません。だいいち、半年先に延びたにしても、大学受験を前に、ボランティアに励めと言うこと自体に無理があります(ボランティアなどしていたら、頭に詰め込んだものが、ポロポロ、落ちていく?)。以前、不評を買い、一旦、立ち消えになった話を、唐突に持ち出す真意とは、いったい・・・

もしかして、かの 『美しい日本』 を守る為の、
徴兵制度導入への足慣らし?



2006/9/20

1年前、長きに渡る酷使に、1階の作業場に置いてある、15年ほど前に購入した20インチ、ブラウン管テレビが、ついに、その寿命を終えました。その1年ほど前から、音が出なかったり、画像が映らない状態がしばしば発生していたのですが、スイッチを入れ、2,3分ほど待つと、なぜか、正常に戻っていました。しかし、ついに、5分、10分、15分・・・、画面中央に緑の小さな光のみが映る状態で、音も、全く出なくなりました。長年の働きに感謝し、それでも、1週間ほど、『ひょっとして』と言う思いで、スイッチを入れるのですが、改善の予兆すらありませんでした。廃棄にはリサイクル費用も必要ですし、近い将来の地上アナログ放送終了を考えると、高い費用を掛けて修理する気にもなれず、買い替えを必要と感じるまでと、そのままにしていました。

ところが、1年ぶりに、『まさかねえ?』と言う思いでスイッチを入れたところ、『ええっ!冗談だろ!』、本当に生き返ってしまいました。なんとも、しぶとい奴、このテレビには、絶対、自然治癒力があるに違いありません。

でも、そんなことぐらいで驚かないでください。この作業場には、さらに、恐ろしい物が存在します。その名は『 モンスター セルスター』、私が小学校の時、すでに存在していましたから、少なくとも、40は越した年齢です。



『セイコー トランジスタークロック 5石 セルスター』、そう、時計です。ぜんまい仕掛けの『おじいさんの古時計』に比べれば、かなり近代的な『トランジスター』使用の代物ですが、それでも金属部分は錆が浮き始め、その年月を十分感じることが出来ます。しかし、心臓部分は至って丈夫なようで、それどころか、少し目を離すと、どんどん、針が進んでしまいます。と言う事で、『時計』と言う役目を果たせなくなった、どちらかと言うと『無用の長物』、しかし、お払い箱にするには忍びなく、動く以上、頑張ってもらうつもりでいます。自分自身、時間に追われる生き方は、ある程度、卒業したこともあり、時刻はセルスターが表示している時間から逆算し、だいたいで把握することにしています。次々と寿命を終えていく、ほかの、自分より若い仲間を尻目に、何となく、人間である、私の寿命に挑戦しているように思えてなりません。

ちなみに、裏側の『1回の電池交換で約500日稼動』と言う説明書きの下に、電池交換日の記入欄があるのですが、それは、第5回目までしか存在しません。計算で行くと、今現在、すでに30回目(15,000日)をクリアし、これは、まさに、魑魅魍魎(ちみもうりょう)の類です。



2006/9/22

自分自身、かつては軽い気持ちで飲酒運転をしていた時期があったのですが、ニュースなどで見る悲惨な事故の教訓と、法令の厳罰化により、再び、飲酒運転はする気持ちはないと共に、今まで、幸いにも事故はなかったとは言え、過去の飲酒運転を反省しています。

静岡県の場合、職員による酒気帯び、飲酒運転に対する処分に関して、かなり甘い部類に属し、つい最近も、酒気帯び運転を摘発された職員に対しても停職2カ月の懲戒でお茶を濁しました。幼い兄弟3人が犠牲になった、あの悲惨な、福岡市職員による飲酒死亡事故により、各自治体職員の飲酒運転に対する厳罰化が進んでいますが、静岡県の場合、頭の隅にもなさそうです。

県の総務部長は「批判は甘んじて受けざるをえない。飲んだら乗るなという単純なルールの徹底を図っているところ」との言い訳と共に挙げた、その理由は、「厳しい処分にすれば飲酒運転を防げるかといったデータを持ち合わせていない」と言うものです。

どうも、視点がずれています。確かに、防ぐことも重要かも知れませんし、道交法の飲酒運転に対する厳罰化にも拘らず、飲酒運転検挙数減少が頭打ちになっている(因果関係がない訳ではなく、かなりの効果はあった)のも事実です。しかし、社会的に見て、飲酒運転と言う犯罪の重さは確実に増していますし、一旦、事故になれば、飲酒でない場合に比べ、重大な事故になる可能性をはらんでいます。処分と言うものは、データがどうのこうのではなく、その罪の重さに照らし合わせるべきものです。

古くからの慣習で、お役所は、懇親(癒着?、馴れ合い?)と称する酒席が欠かせないようで、飲酒に対する目が非常に甘い面があります。その慣習を打破しない限り、根本的な解決には至りそうもありません。

それとも、誰かが飲酒運転の犠牲になるまで・・・

厳罰化しても尚、飲酒運転をするオバカサン、そんなオバカサンの給料を税金でまかなうのも腹立たしいので、とっとと辞めてもらいましょう。



2006/9/26

飲酒運転に対する厳罰化について、県知事は

「公務員の免職は、職業生活上、死刑判決にも等しく、検問にひっかかった場合だけでも、自動的に免職というものいかがなものか」

・・・・、もし、自分が県職員であったならば、死刑になるようなことは絶対しません。いかなる状況であろうと。

『酒を飲む』という行為は本人が判断した結果ですし、その上で『車を運転する』という行為も本人の判断です。要は、『飲まない』と本人が決断し、実行する、ただそれだけのことです。それを、敢えて実行するということは、気が大きくなって、判断を誤ったのかもしれませんが、死刑を覚悟していることに他なりません。これら一連の行為は、決して、不可抗力で発生したことではなく、自分の意思で実行したことであり、弁解の余地はどこにもありません。

それに、『ひっかかった』と言う、ある意味、下衆(げす)な言い回しをしてしまったことに、心の裏にある、無意識の心理(『ひっかかる』≒『運が悪かった、大したことではない』? 『ひっかける』≒『悪い奴、悪意がある』? 『やいやい、ひっかかっちゃったよ』≒『罪意識の欠如』?)が読み取れます。『ひっかかった』のではありません。罪を犯して、『捕まった』のです。『網』、『罠』、『策略』を連想させる言葉での、飲酒運転の事実に対するカムフラージュは、明らかに、飲酒運転と言う罪の重さに対する認識不足です。事故を起こさなければいいと言う寛容さがある限り、飲酒運転がなくなることはありません。

人間は、「自分の場合、例外だ。絶対、大丈夫」とか、「捕まらなければOK。捕まっても大したことはない」と言った具合に、極めて都合の良い方へ考える習性があります。車を運転すると言う行為ですら、人を殺してしまうと言う可能性を秘めています。飲酒は、運動能力、判断能力と共に、倫理観をも低下(気が大きくなる)させてしまいます。そんな人間が公道を走ることを考えただけでも恐ろしくなります。

たぶん、飲酒死亡事故が発生した場合、厳罰化の問題が発生し、結果として、その方向に向かうのは自明の理です。起こってからでは、遅いと思うのですが・・・



2006/9/30

 奥浜名湖地方で古くから親しまれてきた「みそまん」。味も色も形も違う、こだわりの地元12店のみそまんを集めた、12個入りパックが商品化されそうだ。三ケ日、細江、引佐の3町(現・浜松市)の12店を、町おこしグループが説得した。毎月30日を「みそまんの日」と決め、今月30日からは市内の歩行者天国で、11月からは市内の遠鉄百貨店で限定販売を始める。来春には毎日買える常設販売をめざしている。

・・・(略)・・・

 仕掛けたのは、地元有志でつくる奥浜名湖観光連絡協議会の事務局長の武藤佑吉さん(69)たち。3月のイベントで100パック限定販売したところ、好評だったため、商品化を検討してきた。

 悩みは一定の数量を常時確保するのと販売態勢づくり。どの菓子店も作り手は家族を中心に少人数。100〜300個を作る日は午前4時起きになることもある。話し合いの結果、繁忙期の12月を除き毎月30日に限定販売を始めることになった。来年3月からは引佐町の龍潭寺(りょうたんじ)境内での常設販売をめざす。

 武藤さんは「みそまんは中高年を中心に根強いファンがいる。素朴で懐かしい庶民的な12種類の味を食べ比べて欲しい」と話している。

 今月30日の歩行者天国の出店は浜松市鍛冶町の鍛冶町通りで午前11時から。300ケース販売する。11月3〜5日には天竜浜名湖鉄道のトロッコ列車(金指―三ケ日間)でも車内販売する。問い合わせは龍潭寺(電話053・542・0480)内の武藤さんへ。
(9/28付、朝日新聞静岡地方ニュース)


今日は、朝5時起きで、浜松市鍛冶町用の『みそまん』作りに励みました。一旦、隣町の施設へ搬入し、そこで12店分を詰め合わせ、浜松市鍛冶町へ出発(奥浜名湖の観光協議会役員)なのですが、搬入一番乗りで、ひたすら、『みそまん』300個を、机の上に並べられたパックにセットしてきました。

実は、このところ、更なる『みそまん』の皮の改良を目指し、配合の試行錯誤を繰り返しています。少しずつ、分量を変えているのですが、何とか納得の行く域にたどり着けそうです。



2006/10/2

菓子を販売する上で、当然、知っておかなければならない法律があります。特に食品と言うことで、JAS法(正式には農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)なるものがあるのですが、要するに、消費者にはっきり分かるように、販売する物の正体を明確にしろと言うものです。菓子なども、例外ではなく、JAS法の中で加工食品品質表示基準が定められ、それに則って、表示方法が定められています。要するに、表示ラベル(包装部分に記載も含む)と言うものなのですが、その、3条、

加工食品の品質に関し、製造業者、加工包装業者又は輸入業者(販売業者が製造業者、加工包装業者又は輸入業者との合意等により製造業者、加工包装業者又は輸入業者に代わってその品質に関する表示を行うこととなっている場合にあっては、当該販売業者。以下「製造業者等」という。)が加工食品の容器又は包装に表示すべき事項は、次のとおりとする。ただし、飲食料品を製造し、若しくは加工し、一般消費者に直接販売する場合又は飲食料品を設備を設けて飲食させる場合はこの限りでない。
(1) 名称
(2) 原材料名
(3) 内容量
(4) 賞味期限
(5) 保存方法
(6) 製造業者等の氏名又は名称及び住所

但し書部分で『飲食料品を製造し、若しくは加工し、一般消費者に直接販売する場合又は飲食料品を設備を設けて飲食させる場合』は例外であると定められています。要するに、食堂などで、うどんやカレーライスや餃子の原材料を示すには及ばないと言うものです。菓子屋も、『製造し、若しくは加工し、一般消費者に直接販売する場合』にあっては、その例外を適用されることになります。対面販売でお客が、いわゆる裸の品物を選んで、それを販売する場合、それらの全ての原材料を明かすための表示シールを貼付することは現実的に無理があり、そこまでは要求しないと言うものです。

表示義務が小売店でも厳格に適用される前、保健所のJAS法改正の説明会があり、その微妙な部分を質問してみました。

「饅頭やケーキなどの生菓子は本来、裸で売るのですが、衛生面や乾燥を防ぐために、ビニールなどで包み、箱に入れて販売しています。それらは個々に表示をしなければならないのでしょうか?」

「密閉状態での包装には表示義務があります」

「えっ?どういうことですか?しなければならないのですか?」

「う〜ん、簡単に品物をくるんだ場合、密閉とは言えませんので表示の義務がありませんが、箱などへ入れ、包装し、密閉状態になれば、その義務が生じます」

「ちょっと、待ってください。お客に裸のまま、手の平に乗せてもっていってもらうわけにも行きませんし、それに、お菓子の組み合わせによる表示は膨大で、それら全ての表示を用意することも不可能です」

「そうですねえ。生菓子の賞味期限に関しては、その日の消費が常識ですし、表示も困難であれば、例外と解釈して差し支えありませんが、できるだけ、その原材料の説明に勤めてください」

やっと納得したのですが、食品アレルギーなどの無視できない問題もありますので、極力、原材料に関しては表示することにしていますし、対面での説明も心がけています。

ある雑誌で、自分の店の菓子を紹介する部分で、店長が

「この菓子が美味しいと言うのには理由があります。それは、あるものを加えているおかげなのですが、それは秘密です」

思わず、首を傾げてしまいました。食品アレルギーを引き起こし、生命に危険を及ぼすかもしれないのに、『それは秘密です』とは・・・



2006/10/3

10月1日朝、親戚の法事に向かう途中、三ヶ日総合事務所(元三ヶ日町役場)近くの小さなスーパーマーケットの横を通ると、駐車場を囲むように黄色のテープが張られていました。そのテープには、黒で『立入禁止』の文字が等間隔に印刷され、そう、それは、サスペンスドラマでお馴染みの事件現場の警察による現場検証です。テープで囲まれた駐車場には、白黒ツートン、『静岡県警』と書かれた、かわいい?ミニパトが1台、停まっていて、そのそばで制服姿の警官が見張りに立っていました。よく見れば、顔馴染みの派出所のおまわりさんです。

 30日夜、浜松市のスーパーで2人組の男が押し入り、現金約30万円が奪われる強盗事件がありました。30日午後8時30分ごろ浜松市三ヶ日町宇志にあるスーパーで店長(60)が食品倉庫で片付けをしていたところ裏口から入ってきた2人組の男に襲われました。2人は店長を押さえつけ手足をガムテープで縛った上、レジから現金約30万円を奪って逃走しました。警察によりますと2人組はともに目出し帽をかぶり、1人は身長165センチぐらいもう1人は160センチくらいで、リュックサックを持っていたということです。 (10/1 静岡新聞ネット版)

ある程度、民家が密集する場所の、そのスーパー、『日曜定休』と言う、少し特徴的な店で、30日は月最後の土曜日、月の中でも売上が最も多そうな日、そして、翌日の休みと言うことで、犯行の発覚を遅らせる気持ちが働いているようです(実際には30日のうちに発覚、翌朝にはニュースになっていたようです)。犯行時間が、周辺に察知される危険性を冒し、8:30PM(8:00PM閉店)と早いことから、夜間無人になり、当然、売上金も夜間金庫に納まってしまうことを見越していますし、店が小規模で、閉店後、店長が1人だけになるのも、承知していたようです。犯人にしてみれば、ある程度、念入りに下調べを繰り返し、その日を狙っていたに違いありません。

と言う事は、店の従業員が犯人を見ている可能性がありますし、周辺住民も不審な車などが停まっていたのを目撃していたのかも知れません。いや、それとも、スーパーの営業形態を自然に学習できる・・・・・、町内在住者の可能性も・・・・。

私ではありません!



2006/10/6

つい最近、秋葉原でオタク狩りの少年が逮捕されたニュースがありました。犯人は

オタクは弱そうで、抵抗もしない。それに、オヤジより金を持っている」

確かに、オタクがひ弱そうに見えるのも頷けるし、オヤジのフトコロが寒いのも、今の時代を反映しています。

そんな中、秋葉原によく来ると言う一人がインタビューに応えて、

「以前から噂を聞いていたので空手で鍛えています」

オタク空手と言う、硬、軟、両極端の道を究める心意気は認めるのですが、果たして、オタクの空手が、どこまで悪ガキに通用するのかは未知数です。にわか仕込みの空手、それも多勢に無勢ではどう見ても、悪ガキたちに軍配が上がりそうにも思えます。それよりも、いっそ、これを機に、コスプレ、メイド喫茶通いに専念するよりも、空手一筋に徹した方が、本人の為であり、しいては世の為になるようにも・・・

高校の時、不思議な?体験をしました。

防衛大学校の受験のため、友人二人と名古屋にある防衛庁の宿舎を訪れた時(入試する者のために、わざわざ宿舎と食事を用意してくれました。ただ、食事は野戦用?の缶詰に入った玄米とおかずだったのですが、かなり、美味しかったと記憶)の事です。夕食後、名古屋の夜をぶらつこうと、地下鉄で栄地下街に繰り出しました。通勤時間帯を過ぎ、混雑は解消していたのですが、それでもまだ、人通りは途絶えるほどではありません。と、その時、

「あの〜、すみません。いいですか?」

3人が一斉に声の方向へ顔を向けると、そこには制服の第1ボタンですら、しっかり掛けた、一見、普通の善良で?、真面目そうな?高校生が、いかにも困ったと言う表情で立っていました。自分たちの所まで急いで駆け寄ってきたようで、息も切れ切れです。

「どうかしましたか?」

友人の一人が心配して尋ねると、彼が言いました。

「実は、財布を落として困っています。申し訳ないのですが、電車賃を貸してもらえませんか?」

少し躊躇した友人は、それでも、さほどの大金でなければ助けてあげようと、

「で、いくら位、いるの?」

「750円でいいです。後で返します。住所も書きます」

今にも泣き出しそうな表情の彼を、そのまま見過ごすのは余りにも非道、

「う〜ん、その位だったら・・・、余分に持ってきたし・・・」

と友人は財布を取り出し、そして、その小銭入を見ながら、

「ああ、ごめん、ごめん。小銭がないなあ。千円札しか・・・」

と言いながら千円札を手にすると、すかさず彼は言いました。

「ああ、いいです。お釣りを出します」

お釣りって!?!?!?

そしてその時、彼の目の焦点は、いぶかる自分たちを通り越し、背後遠方に合わさりました。

?????

その表情に釣られるように振り向くと、その方向には地下街のトイレがあり・・・、おおっと、その陰から背が高く、体格もガッシリとした男子を先頭に、ぞろぞろと5人ほどの制服姿がこちらに向かってきます。そして、自分たち3人を壁際に追い詰め、更に、通行人の目から遮断するように取り囲みました。

ひえ〜〜、これって、キョーカツなの?

しかし、彼らは寡黙でした。先ほどの体格ガッシリ君が、静かに黙ったまま、友人の手にした千円札をつまみとり、その手に、お釣りの250円を掴ませました。そして彼らは、呆気に取られ言葉を発することも出来ない3人を尻目に、その場を悠然と立ち去りました。結局、住所も教えてもらえませんでしたが、何とも中途半端な、お釣り付きの、そして、随分と手の込んだカツアゲに、警察に行くと言う考えすら思い浮かばず、更に翌日、入学試験と言うこともあり、その日はすごすごと宿舎に戻りました。防衛大学校入学試験自体、国立大学受験の腕試し的な意味合いがあったのは確かですが、それでも、その出来事は、試験を翌日に控えて尚、ぶらぶらしようとした不埒(ふらち)な野郎たちに下った天罰に違いありません。

そして、幸なのか、それとも、更なる天誅なのか、

3人、雁首そろえて、


不合格



2006/10/21

奥浜名湖の代表格的な名刹のひとつに、千三百年の歴史を誇る龍譚寺(りょうたんじ)があります。特に、そこにある庭園はつとに有名らしく、遠州地方の観光コースにもなっています。先日、そこへ散策に訪れたとき、聞き覚えのある訛(なまり)が耳に入ってきました。会話の最後につける ゴザル です。あのドラえもんで知られる藤子不二雄作、忍者ハットリ君が使う言葉です(「元気でござる、ニンニン」、「拙者でござる、ニンニン」)。そんな、武士言葉が、日常会話で使用されているのは・・・、

 ゴザル ゴザル か! あれは、絶対に関周辺だぞ」

と言うと、妻(岐阜県関市出身)、曰(いわ)く、

「そうかなあ」

灯台下暗し、その訛の中で育った人間には、意外と、その奇異さが認識できないようです。帰り際に見た、駐車場に停まっている観光バスのお尻に書かれた文字は、

Hida Kotsu(飛騨交通)

私の勝ちでした。

幼い頃、大人たち(三ヶ日人)が ひずるしい と言う言葉を、ことあるごとに使っていたのを覚えています。しかし、小学校に入っても先生は、そんな言葉など教えてくれることはありませんでした。

ははあ、これは田舎言葉だな

と、都会にあこがれる田舎者(自分)にとって、その言葉は半ば軽蔑の対象となり、以来、使うことはありませんでした。

しかし、豊橋の高校に入り、このケースもまた、奇異さを認識できないまま、知らず知らずに使った言葉、 おし の為に、ついに、その田舎者ぶりが発覚し、付いたあだ名は

おしゃあ君

毎回、言われるたびに、田舎者と言われているようで、かなり屈辱的でしたが、その他大勢とは違うと言う意味で、微妙に快感でもありました。

ちなみに、ひずるしい  まぶしい と言う意味です。
そして、 おし  あなた です。
語源を解釈すると、あくまでも勝手な解釈ですが、

日の出は まぶしい と言う事で
日、出(い)ずるしい  ひいずるしい  ひずるしい 

あなた = お前 = おぬし と言う事で、
お主(おぬし)  おぉし  おし 

俗説として、古文などによく出てくる言い回し、『子、曰く (し、いわく)』 の 子(し) は、孔子を意味するほかに、 あなた と言う意味もあるということで・・・・・・、

実はこれ、高校の古文の授業の後、皆の前で
「皆の者、よく聞け!われ、田舎者にあらず。これが語源であるぞ!」
と胸を張った こじつけ です。



2006/10/21

生まれたばかりの赤ん坊は起きている時、瞬時もじっとしていないと言うのは、何となく、うなずけるのですが、意外にも、しばらく(生後2週間ほど)すると一時、動きの範囲が極端に減ると言います。そして、また、それからしばらくすると、今度は、前にも増して広範囲に手足を動かし始めます。そればかりか、生まれてすぐの動きと比べ、人間の行動として意味のある要素を含むようになります。まるで、人が生きていく過程で障害に阻まれた時、それを乗り越えるために、一見、後退するかのような時間を必要とする(ジャンプアップする為には、一旦、しゃがんで力を蓄える)かのようです。

子供が小学校4年か、5年の時、ある朝、パジャマのまま、2階から下りて来て、少し沈んだ顔で、

「休みたい」

と、ポツリ。反射的に、一切、理由を聞くこともなく、即座に、

「そうか、よし、ゆっくり休め」

と応えると、雲間から太陽が現れるように、その表情は一変に明るくなり、安心したように二階へ上がって行きました。そして、母親は、愛情たっぷり、具合の悪い子供を心配する演技?をしました。

実はその対応には伏線がありました。親ゆえの取り越し苦労的な思い込みもありますが、それより少し前、PTAの学校奉仕作業(通学区域ごとに日割り)のとき、子供が、何となく、グループ(通学区域が同じ)から浮いているように感じていました。子供本人にすれば、仲間から外れていることは屈辱であると同時に、自信をも失わせ、その事実を親にも知られたくない(心配を掛けたくない)と言う思いがあります。かと言って、親から、それを聞き出すことは、その事実を認めさせることになり、更に、屈辱的な気分を味あわせることになります。最終的に、本人の心の内の障壁は、自分で乗り越えるしかありません。周りが出来ることは、じっと見守ること(関心のある無関心)で、『自分たちは、いつだって子供の味方』と言う意思表示ですら、機を逸すれば、逆に押し付けになり、本人にとっての負担になります。子供から親に対しアクションを起こした時がタイミングです。そして、これが、その時だと判断した訳です。

その日、一日、元気に?暇を持て余した(それまで貯めていたストレスを発散し、新たな力を蓄えた)子供は、翌朝、そのままの元気で登校して行きました。



2006/10/23

【トラックと衝突、乗用車の5人死傷 愛知・岡崎市 2006年10月22日22時00分 asahi.com】
 22日午前1時半ごろ、愛知県岡崎市康生通南1丁目の国道1号交差点で、直進していた三重県松阪市市場庄町、会社員福岡政敏さん(48)の大型トラックと、右折しようとした乗用車が衝突した。乗用車は交差点の歩道橋の支柱と大型トラックに挟まれ、押しつぶされるような形で大破。乗っていた19〜20歳の男女5人のうち2人が間もなく死亡し、2人が重体、1人が重傷を負った。
  (以下略)


岡崎市には、過去9年ほど住んだことがありますが、深夜の国道1号線は極めて物騒なところです。10時過ぎから明け方に掛け、そこを走るの車両は、かなりのパーセンテージで大型トラックが占めます。大型車両の場合、一旦、停止すると、再び加速するまでに、多くの時間と燃料を費やすことになります。それを嫌ってか、恐ろしいことに、赤信号に変わっても尚、前車にくっ付いて走っているトラックは、その車列が途切れるまで、一団となって走り続けます。交差する道路で信号待ちしている車は、いくら青になろうが、目の前を連続して横切るトラックの列に進入しないだろうと言うことを見越しています。究極の 信号待ちの車は、停まったまま だろう運転 です。

交差する方も大変ですが、1号線のトラック軍団と一緒に走る方も命がけです。赤信号に、即座に反応し停止すると、追突される恐れがありますし、特に注意しなければならないのは右折するケースです。黄色になったからと言って、対向車が停まるだろうと判断して右折を始めるのは自殺行為です。赤になっても、しっかり止まるのを確認してから右折する必要があります。今回の惨事は、多分、このケースに該当するものと思われます。

相手の生命や人生ばかりか、自分の人生をも滅茶苦茶にしてしまうかも知れない可能性を秘めていると言うのに、安全よりも、今の時間、燃料節約を優先する考えは、まさに無能の極みなのですが、深夜の幹線道路では、そんな人間が大型トラックを運転していると思ってください。とにかく、昼間と違い、暴走、居眠り、酔払いやらのドライバーが何食わぬ顔で巾を利かす、いわば、無法地帯と化していると思ったほうが賢明です。車に乗ると言う事自体、すでに事故に遭遇する危険をはらんでいます。『自分さえ安全運転をしていれば大丈夫』 という考えは昼間でさえも通用しません。夜の世界は視界も悪く、その危険度は昼間の比ではありません。

岡崎の建設会社に勤めていた頃、冬の早朝5時前、まだ外は真っ暗な時間、迎えに来た先輩の車の助手席に乗り建築現場へ向かうときのことです。その日に限った早朝勤務に、先輩もまだ完全に目が醒めていないようで、かなり眠たそうです。今回の事故現場から下り方面へ2kmほど行った1号線と交差する道路を、南に向く状態で信号が変わるのを待っていました。半分、まぶたが下がった状態の先輩が、切り替わった信号に、

「おぉっ、青か!」

と、右足をブレーキペダルからアクセルペダルに移し、発進しようとしたその時、右手、下り方向から迫ってくる大型トラックが目に入りました。そのトラックは一向にスピードを落とす気配がありません。その目線を更に右に向け、先輩の顔を見た時、ただならぬ危険を察知しました。先輩の目は前方だけに集中し、左右に対する注意が完全に抜け落ちている状態でした。即座に、

「先輩!先輩!右!右!ストップ!ストップ!」

右に顔を向けた先輩、

「ウヘェ〜〜〜!」

言葉にならない叫び声を上げながら掛けた急ブレーキに、やっとのことで停まった車のフロントバンパー20p前を、クラクションを押したままの大型トラックが、騒音、ホーンの大音響と共に通り抜けていきました。これでやっと、先輩も、すっきり、お目覚めです。そして、心底、思いました。世の中には上には上がいるものだと。

バクソウトラック < ネボケマナコ



2006/10/31

何か違うのでは?
『饅頭早食い競争』なんて?

隣町のイベントの中で、『みそまん12個早食い競争』なるものが行われたそうです。先行取材なのか、結果取材なのかは見ていないので分からないのですが、そのことを、ある新聞社が記事にしたところ、苦情の電話が寄せられたことが、最近の『みそまん会議(奥浜名湖観光連絡協議会と各菓子店)の場で、協議会のほうから発表されました。

『饅頭早食い競争』と言う言葉に対する不快感は、菓子屋である自分ですら、いや、菓子屋であるからこそ共鳴するところがありますが、その苦情の内容と言うのは

『食べ物を粗末にしている。それに、一方では限定販売と謳って数量を制限しているにも拘らず、これでは捨てるような扱いではないか』

と言うものだったのですが、寄せられた先である協議会にとって、そのイベントの主催でもなければ協賛もしていませんでしたので、全くの寝耳に水の話でした。ただ、同じように、『みそまん』を媒体にした活動をしている協議会として、話を聞かない訳には行かず、さらに、話の内容も尤もなところがあり、平身低頭、とりあえずは陳謝と言う形で納めたと言うことです。

買った物をどのように扱おうと、売り手には何の責任もありませんが、もし、そのことにより、評判を落とす可能性があるならば避けるべきことだったのかも知れません。今回の場合、あらかじめ確認すれば察知できることでもあり、わざわざ、自分で自分の首を絞めたようなものです。自分の作ったものを粗末にされて、真っ先に憤慨しなければならないのは提供した菓子屋自身です。そうでなければ、その店の常識が疑われます。『みそまん早食い』は決して、『みそまんは美味しい』に結びつくことはなく、逆のイメージを植えつけてしまいます。『みそまん』を奥浜名湖のブランドとして銘打ち、広報活動に専念している協議会に対しても申し開きの余地がありません。

ただ、自分としては、貧乏性なのか、それとも血糖値高めなのか、それ以上に違和感を感じたことがあります。

この量(12個)は異常だ。絶対に、体に良い訳はない。
わざわざ、人の健康に害を与えることを、イベントの目玉にするとは・・・




2006/11/7

同じ銀行、同じ支店ですら、振込みに手数料を搾取される理不尽さ(今回、車の代金を引き下ろし、地元モータースへ支払い、そのお金をそっくりそのまま、今度はモータースが入金、どちらかと言うと、こちらの方が事務処理も多ければ、時間も掛かると言う無意味さ)にあきれ、50円玉を1円玉にするのに、100(〜315)円の手数料を払うに至っては笑うしかありません。そのうち、現金の引き下ろし(今現在、ATMの時間外や他行の場合は要手数料)、入金するたびに手数料を取られかねません。これなら、金融機関も潰れることはないので、安心してお金を預けられますね。ありがたや、ありがたや。今のところJAバンクと、極端に嫌な顔をする郵便局(大きな郵便局ほどその顔の渋さは増し、嫌みを言われた挙句、拒否されることもあったのですが、民営化で少しは変わったのかも)は両替手数料は取りません。でも、そのうち・・・

バブルの時、その資金源である金融機関は、目の色を変え、われ先にと大型融資を繰り返し、その泡踊りを十分楽しんだ後、盛者必衰の如く訪れたバブル崩壊で融資先の資金回収は不可能になり、山のような不良債権と言うお荷物を背負うことになりました。しかし、少しも慌てることなく、一緒に踊った大の仲良し(政府)に相談したところ、『これはいかん』と、それを助ける金利ゼロ政策をセットに公的資金(税金)をジャブジャブ投入してもらい、平成の免罪符、『借金ちゃら(免除)政策』で、とりあえず(見かけ上)、不良債権を消していきました。バブルの中心で踊ったのは住専、ゼネコン、不動産会社など地上げに加担、奔走した金の亡者共なのですが、金融機関自身も、そのバブル融資で莫大な金利利益、政府自民党も潤沢な政治資金(賄賂の定義に沿っていない賄賂?)に、みんな揃って浮かれていたに違いありません。

国が借金をすること自体が、金融機関を助ける(莫大な国債発行手数料+金融機関自身が持つ国債の利ざや)ことにも繋がっているのですから、お互い、持ちつ持たれつの関係なのでしょうが、公的資金のおかげで金融機関は不良債権という足手まといから解放され、今や空前の利益を上げ、投入された資金の完済も間近と言われています。で、あの不良債権と言う穴はどこへ消えたのでしょう。

『借金ちゃら政策』と言う徳政令で借金棒引きになったゼネコン、不動産会社(破綻の憂き目にあった会社もあり、住専に至っては1社を残して7社が破綻)が大喜びしたのは言うまでもありません。その借金を背負い込んだ金融機関は『エライ!』と褒めたいのですが、預貯金利息をほぼゼロにし、あの手この手と増やしていく手数料、まるで、広く、浅くの消費税の如くです。いかにも金融機関の努力の結果に見えますが、何のことはない、要するに、国民全体の負担でバブルの穴埋めをしたに過ぎません。それに、不良債権処理を名目に始めたことゆえ、空前の好景気(実感のない?)で資金返済のめどが立った今、預貯金利率アップは当然として、訳の分からない手数料も元に戻すのが筋と思うのですが、これをそのままにすると言うのは、政府から金融機関へのご褒美なのでしょうか? それよりも影の立役者である国民へ、ご褒美(意味不明な手数料廃止)を!

ちなみに、紙幣、硬貨50枚未満の機械による両替は無料とあるのですが、機械による硬貨の最低両替単位は50です。それならば窓口でと、お思いでしょうが、残念、窓口は1枚(まあ、1枚では両替になりませんが)から手数料が掛かります。



2006/11/9

毎日、妻は新聞の折込みチラシには、かなり几帳面に目を通します。ヘタをすると新聞の紙面より時間を掛け、じっくり吟味します。その中でも、特にスーパーマーケットの『特売』と言う文字に敏感に反応し、その上、「これって、ひとつも安くないじゃん」と辛口のコメントを独り言のように発するほど厳しい目を持っています。

「へえ〜、11月11日はシャケの日なんだ。知らなかった」

近くのスーパーのチラシを見ながら、妻が感心したように言いました。

ははあ

その独り言を聞き、ピンと来ました。

さて、ここで問題です。
なぜ、11月11日はサケの日なのでしょうか。


それはですね、サケは11月11日の魚だからです。
漢字で書くと分かります。

 と  と  と  と 

そう!  です。・・・レベル1かな。

妻はチラシに書かれた  の文字に反応することなく、すっかり、漁協か、農水省あたりが決めたと思い込んでいたようです。



2006/11/16

もう、うんざりだ

いつ果てるとも知れない、狭く、九十九折る(つづらおる)坂道が続いています。視界は林立する樹木で遮られ、ただただ一定間隔で、ハンドルを右に、左に回すしかありません。

それに、なんだ、この看板は!国道だと言うのに

いつの間にか、『大型車両通行禁止』 と言う標識が現われ始めました。さぞや一般車両が走るのに快適と思われるかも知れませんが、乗用車すら出会うことが稀な状況を考えれば、おのずと道路状態が想像できると思います。

今まで紅葉見物は愛知県、岐阜県と足を伸ばして、肝心の静岡県内の名所に出掛けることはありませんでした。今回、県内有数の紅葉の名所、大井川上流、寸又峡(すまたきょう)を目指すことにしました。わが家の前を走る国道362号線は愛知県豊川市と静岡市を結ぶ幹線?道路で、静岡に向かい東進途中、大井川に当たったところを北上すると目的地になります。地図上で見ると、一見、南を走る国道1号線や東名高速道路経由よりも、距離的には近いように思えます。山間地域を走ってはいるものの、国道と言う格付けに、かなり整備されているに違いないと言う、安易な考えが間違いでした。浜松市春野町を抜け、大井川に至るまで1時間以上、退屈で単調な時間を強いられます。

もう、二度と来るものか

すれ違った車が3台ということ(懲りて、再訪することはない)から察すれば、きっと、最初に訪れる誰もが抱く思いに違いありません。

それにしても、コンビニどころか民家もない退屈峠に入る前に公衆トイレ(らしきもの)に気付いたことはラッキーでした。10mほど過ぎたにも拘らず停止したことは、これから先始まる試練を察知したからに違いありません。ただ、そこには別の試練が待っていました。ほとんど利用されることのない汲み取り式の簡易トイレは、当然、ほとんど汲み取る量まで溜まることはなく、結果として長い年月、放置状態にある、濃縮された落下物から発する、鼻にツーンと来て、目にもツーンと来て、脳にもツーンと来る、そう、息が止まり、気が遠くなるほどのアンモニアガス(+異臭)攻撃です。

もう、二度と来るものか



2006/11/19















以上の画像をプリントアウトして店に飾っています。写真を趣味にしている人たちから、普通のデジカメ(一眼ではない)で撮り、編集もしていないと言うと、驚いたような顔で感心します。ちょっと、いい気になって、

「そろそろ、デジタル一眼だな」

と、鎌をかけるのですが、

「褒められるのなら、今のでいいじゃん」

妻には、軽く、一蹴されます。

別の手を考えなくては・・・



2006/11/23

「写真なんか撮ってないで、さっさと進みなさいよ」

中年女性の甲高い声が谷間に響きました。ざわついた雰囲気は一瞬にして凍りつき、しばし、紅葉の寸又峡は晩秋の静寂に包まれました。その声にうながされるように、物陰から半分だけ顔を出すような、遠慮がちな中年男性の声で

「そうだ、そうだ、暗くなっちまうぞ」

えっ?俺のことかな?

揺れる橋桁の上で、ファインダーに収まる風景に集中していた自分は、それでも、そんな催促は無視し、更にもう一枚、反対側の風景を悠然とデジカメに納めました。更なる激しい怒号の嵐を予想していたのですが、意外にも、何の反応もありません。

人ひとりがやっと通れる幅20〜30cmの板を並べただけの橋桁、全長約150mのワイヤーの吊橋には、約30人ほどが乗った状態にあり、かなりの振幅で上下に揺れていました。前方は4人の中年女性グループ、その後に妻、自分と続き、背後に3〜4歳の孫、そのおじいさん、おばあさん、孫の母親が続いています。『早く行きなさい』と言われても、両サイドのワイヤーを掴みながら恐る恐るゆっくり進む女性グループと妻(その前方も同じような状態)が前方につかえ、後ろも、渡る前、「折角だから、ちょっとだけでも、自分の足で渡ってみるのも良い」との、おじいさんの提案にワクワクしていた孫連れグループが渡り始め、ゆっくり迫ってくる最中の出来事でした。

せかす叫び声に状況は一変しました。前方グループの前進速度が増し、後ろではおじいさんが血相を変え、慌てて孫を抱きかかえました。その一連の動きに、更に吊橋の上下運動の振幅の幅は広がり、尚且つ、横への不規則な揺れが加わりました。吊橋上にいる人たちは危険を察知し、更にスピードアップをし、吊橋は更に揺れを増しました。悪循環です。もう、橋の上の風景を楽しむどころではありません。橋の上にいる人間は逃げるように渡り終えました。

渡り終えると、そこには300段以上の階段が待ち受け、崖を上ることになります。崖の途中、ふと振り返ると、孫連れグループ後方には人影がありませんし、迫ってくる様子もありません。そう、あの叫んでいた中年女性本人を含む御一行様は一向に追いついてきません。3〜4歳の幼児が自分の足で登っているにも拘らずです。これは、いったい・・・

紅葉狩りがピークを迎えるこの時期、吊橋手前は渡る順番を待つ人で列が出来ます。谷底へ下りて行く形で上から見下ろし順番を待つ人間にとって橋は眼下にあり、状況は手に取る様にわかります。待つ身にすれば、その様子は、いかにもゆっくりに思えるのですが、



この看板を前に誰もが、少しイライラしてしまった自分を反省します。

ははあ、さては

他人をせかした本人、さあ、渡るぞと意気込んだ目の前に現れたこの看板を見て、更に、前方、吊橋の上にいる人数(約30名)を数え、更に更に、大きく揺れる吊橋を前に尻込みしたに違いありません。再び、『早く渡りなさいよ』と叫ぶことはありませんでしたし、それどころか、今度は自分が吊橋に一歩を踏み出すことをためらってしまったに違いありません。

自ら催促して作った大きくな間隔を前に止まってしまった中年女性、しかし、その女性に対し、先ほど便乗して叫んだ中年男性も含め、誰一人として、『早く渡りなさいよ』と叫ぶことはありませんでした。少しは不満を抱いたかも知れませんが、じっと自分の順番を待つ善良で寛大な人たちでした。それとも、先ほどの彼女の剣幕に恐れおののいたのかも知れません。『隗(かい)より始めよ』、彼女には、他人をせかした以上、是非とも、自分の身を以って証明(勇気を持って、開き過ぎた間隔を全力疾走、更に300段の階段で前にいる人々をゴボウ抜き)をして欲しかったのですが・・・

それにしても、美しい自然の中を大急ぎで回ることに、何の意味があると言うのでしょうか。美しい自然を前にした時こそ、人は、時間を忘れ、おおらかになるものと思っていたのですが・・・



2006/12/5

今年の早生温州みかんの市場は夏の天候(台風?)の影響か、九州の品がほとんど回らず、更に裏年と言う事も重なり品が極めて薄く、市場価格は昨年に比べ倍以上の値をつけているそうです。毎年この時期、多くの農家に、みかん収穫の時のお茶菓子を利用してもらっているのですが、今年のみかん価格の暴騰に、捕らぬ狸の皮算用ではありませんが、わが店もその恩恵にあずかると思いきや、そうは問屋が卸さないようです。

みかん価格の低落傾向が長年続く中の久しぶりの高値なのですが、裏を返せば量が極端に少ないと言う事です。量があれば切子(みかんを収穫するために雇うオバサン)に頼る部分が大きいのですが、今年はその延べ人数も、自ずと少なくなるのは当然の話です。ともすれば、自家だけの手で済んでしまいます。

と言う事はお茶菓子を食べる延べ人数が減り、当然、わが店で売れるお茶菓子の量も減ります。今年も三ヶ日みかんの甘さは申し分ないのですが、自分の考えも非常に甘かったようです。



2006/12/12

昨日、店の前に車を止め、みかん狩りの場所を訊きに来た人がいました。その場所はここから車で5分足らず、前を走る国道362号線沿いということもあり、しばしば、場所を尋ねられることがあります。その車の御一行様、帰りに寄って頂いたのですが、みかん狩りに来たはずなのに、随分と早いお帰りです。実は、例年ならば年の暮近くまで受け付けているみかん狩りも、今年はもう終了だそうです。品が無いのか、それとも、出荷(販売)したほうが儲けが大きいと判断したのか・・・。みかんの出荷価格は昨年の3倍近くから4倍にも跳ね上がっているそうで、心なしか、店に来る人みんなの顔が明るく見えます。

これも、毎年、三ヶ日にみかんを買いに来るお客様の話なのですが、いつもの倍以上の値段だと驚き、呆れていました。最近、隣の市のスーパーへ寄ったまいにち時、入り口付近にダンボールに入ったみかんが個売りで販売されていました。『三ヶ日みかんMサイズ 1個68円』の立て札に、随分と良い値が付いているものだと感心したのですが、よく見ると、みかんの表面に傷があったり、形が不揃いです。例年ならば、出荷すら出来ない品です。

運良く?、今年から、他の農家の土地も借りてみかんを作っているお得意様の一人が帰り際に、

「久しぶりに良い年の暮れだ。みんなが来るので、いっぱい、ケーキを作って、待っていなさい」

はい、はい、わかりました。
・・・・・ しかし、来ないなあ! この機を逃すまいと、収穫に大忙しで来る暇も無い?



2006/12/16

人それぞれに違いはありますが、菓子作りを生業(なりわい)とするものにとって、年月を経れば経るほど、おおむね、作る菓子の味は良い方向に向かって変化します。必要なことは、菓子作りに限ったことではありませんが、向上心、探究心を持つ事で、『これが最高だ』などと本気で思うことは、単なる慢心に過ぎず、他を見習い、感心できる素直さが肝心です。だからと言って、必ず良い結果に結びつくと言う補償はなく、それには、数多くの試行錯誤、思わぬ偶然、視点を変えた発想などが絡み合います。

そして、その土台となる感覚、味が本物かどうかを見極められるセンス(舌の感覚)が必要なのは言うまでもありませんが、それとは別に、原材料の性質を熟知することが基本になってきます。教えられたことを鵜呑みにするだけでは応用力が身に付くことはなく、原材料の性質を理解することが必要になってきます。小豆餡を例にすると、その美味しさは小豆の品質によるところが大きいのですが、いくら上質の小豆を使用しても、その味を台無しにしてしまう場合もあれば、たとえ質的に落ちる品であっても、性質を理解し、適切な方法と手間を掛ければ、ある程度、補うことが可能です。

ただ、その美味しいと言う感覚は、様々な味を体験、比較してきた、いわば、玄人の感覚なのですが、味自体、嗜好性や思い込みに左右される部分が大きく、万人にとって共通する感覚ではないようです。餡は、その粒子に糖質と水分を含ませるために、ある程度、煮込んで行く必要があるのですが、不十分だと、口に入れた時、ザラザラした感触(餡の粒子と糖質、水分が馴染んでいない?)が残ります。そんな不良品(作る本人は不良と感じていない?)や、菓子屋からすれば明らかに分かる質の低い小豆を使った餡を美味しい(思い込む?)と言う人がいるのですが、単に嗜好の問題と言って片付けるには、菓子屋にとって、かなり空しいものがあります。

店に来るお客様の一人が、ある日、ふと、ある菓子に関して、

「今までコマーシャルで盛んに美味しいと言われて口にしていたけれど、あれって・・・、それほどでもない・・・のかなあ」

何となく嬉しい気分になるのは、きっと、自分たち(菓子を作る側)の感覚を理解してもらえたからに他なりません。



2006/12/21

この時期、ケーキ作りに失敗したり、注文時間に間に合わなかったり、さらに、注文数が分からなくなり、冷や汗をかいたりと、嫌な夢を見ます。菓子屋にとって?、怖い、怖〜い、クリスマスイブがやってきます。出来れば、1ヶ月くらいのロングランで、分散をお願いしたい気持ちです。ただ、ありがたい?ことに、クリスマスデコも、年々、減少の傾向にあります。

その原因と思われるのは、ここを商業圏内にする複数の大型スーパーの出現、そして、若年層のコンビニ傾倒傾向などによるものと思われるのですが、なんと言っても、少子化が最も大きな要因と言えそうです。ここ三ヶ日でも、20年前と比べると、子供の数は半分以下に減っていています。子供がいなければ、クリスマスデコも不必要で、ショートケーキを家族分だけと言うのは至極、尤もなことです。

クリスマスイブの心身に対する負担が、年齢に反比例するのは、ちょっと寂しいけれども、ちょっと嬉しい?・・・、それでもなお、夢に出てくると言うことは、かつての、その辛さが自分にとって、トラウマと化してしまっている?ようです。



2006/12/23

「おとうさん、おとうさん、たいへん!」

「なんだよ」

「捕まったんだって」

「なにが」

「あの 口裂け (口先?) ジャック が」

「はあ?」

「ほら、あのイギリスの連続女性殺人鬼」

確かに、ある意味、口裂けジャック も非常に恐ろしそう (逆に、口先ジャック は非常に軽そう?) であるが、世間では普通一般、 切り裂きジャック と・・・