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【阿寺の七滝(愛知県鳳来寺町)】     2004/12/07

昨年暮れに歳暮を持って訪れた友人に、

「この前、鳳来寺町へ行って来たけれど、あそこの紅葉は絶品!
だけど、ちょうど見頃と言うのに閑散としていて、少し寂し過ぎた」


「今年の紅葉は例年に比べ、少しずれていたしね。いつ行ったの?」

「12月7日。時期外れと言うほどのものではないと思うけれど、
あまり、知られていないのかなあ」


「俺も子供の頃、遠足で鳳来寺山へ行った記憶もあるけれど、
今は、そんなものかなあ?」


「いや、鳳来寺山じゃなくて、アジノナナタキ(阿寺の七滝)」

「えっ????、アジノタタキ(鯵のタタキ)?」

「ははは、違う、違う、タキ!、アジノナナタキ!」

 ・・・・・ ああ、アテラ(阿寺)ね」

「えっ! アテラ(阿寺)! ・・・ そうなんだ」(汗)

その友人のカミさんは新城市と豊川市の中間、三河一宮の出身で、
鳳来寺にも親戚があり、友人も、そのあたりの地理には詳しいようです。
ちなみに、友人は豊川を南下した、三河湾に面する豊橋市になります。

彼が来る少し前、新聞で、岐阜、長野をまたぐ中津川市付近の
活断層による地震発生の可能性が指摘されていたのですが、
紙面の文字『阿寺断層群』も、当然のことながらフリガナもなく、
すっかり、『アジダンソウグン』だと思い込んでいました。

阿寺七滝への遊歩道沿いの崖に、一帯の地層(断層)説明の
小さな案内看板があったので、ひょっとして、愛知、静岡県境から、
岐阜中津川まで貫く、延長60kmの壮大な活断層を想像したのですが、
ふたつの『阿寺』は、単に、同じ地名(岐阜、長野県境は阿寺山)が
それぞれに存在しているようです。

阿寺』の名称は、この付近では、更に、もう一箇所、静岡県に存在します。
阿寺七滝から真東へ直線距離にして10km余りの所、
天竜市の一地区の名称になるわけなのですが、この遠からず、近からずの
微妙な距離、ひょっとして、何らかの関連があるのではと、想像を
掻き立てるものがありますが、さてさて・・・

滝の存在する地理的条件を考えると、車で通りすがりにちょっと拝見と
言う訳に行かないのが普通で、阿寺の七滝も、その他、多くの滝と同じく、
駐車場から滝のある地点まで、わき目も振らずに歩いたとしても
15分〜20分ほど掛かる(それ以上かも?)距離にあります。

50台以上のスペースはあろうかと思われる駐車場には、
その入口脇にある売店の従業員の物と思われる車以外、見当たらない。
いくら平日とは言え、あまりの寂しさに、果たして、行くべきか、
行かざるべきか躊躇していると、年配夫婦の乗った車、
それに、誘発される形で車を降りたのですが、
結果として大正解でしたので、その二人には感謝です。

駐車場へ入るとき、駐車料金300円の看板を目にしたのですが、
駐車場内では誰も徴収する人物はいません。売店の前を通らないと、
滝へは行けない位置関係にありましたので、たぶん、売店でと思い、
中を覗いたのですが、店員も出てくる気配がありません。

自分たちが最初の車ですので、もちろん、お客もいない訳で、
これでは、平日は商売にならないだろうななどと要らぬ心配をしながら、
ふと、滝への案内道に架かる橋の方を見ると、手前中央に杭が打たれていて、
そこに、箱が取り付けられ、『駐車料金300円(ここにお入れください)』の文字。
無人野菜販売所同様、『渡る世間に鬼はなし』精神の自己申告制です。

コイン3枚ならば無視する人は皆無と思われるのですが、果たしてこれが
千円ならばどうなるだろうと想像する自分は、実に浅ましい・・・

何はともあれ、300円で得た滝への往復、およそ2kmの行程は、
その何倍もの価値がありました。なんと言ったって、すれ違ったのは、7人、
紅葉真っ盛りの大きな空間を、なんと贅沢にも、ほぼ、独り占め状態です。

滝のある場所自体が、人里離れた場所にあり、まさに自然の中と言う雰囲気なのですが、
駐車場から滝に向かって進むにつれ鬱蒼とし、寂しく、冷たいのイメージです。
但し、これは、誰もいない空間でしか味わえない贅沢ですので、
もし、そんな気持ちに浸りたいのであれば、平日に行くことをお勧めします。


最初、左に沢を見ながら、かなり急勾配の道を登っていくと、滝の音が聞こえてきます。
思わず、滝口まで降りたのですが、これは、お目当ての滝ではありません。
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誰もいない落ち葉の絨毯の上を進む気分は最高です。
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そして、これが、国指定名勝天然記念物の『阿寺の七滝』になります。
 全長約64m、上段より 2m、4m、2m、25.5m、7.5m、13m、9.3mの7段の
 瀑布からなり、上から2番目と5番目の滝つぼは大きな甌穴(おうけつ、かめあな)を持ち、
 礫岩にかかる滝としては、学術上貴重なものである。 環境庁、愛知県

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帰路の落ち葉の絨毯をもう一枚
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水の中の魚も手に取るように見え、いかに澄んだ水かお分かりと思います。
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最後に、紅葉シーンを2枚ほど
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