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【マンサク(乎那の峯:おなのみね)】 

三ヶ日にある、乎那の峯と称される場所は、猪鼻湖を見渡せる小高い丘になっています。
土地自体は私有地なのですが、地主の好意によって、開放されているようです。

で、何を見ることができるのかと言うと、メインは県指定の天然記念物、
落葉小高木(自生している木は桜と梅の中間くらいの規模)である
マンサク(開花2月中〜3月中)です。
マンサクの木は自生すること自体が珍しく、自生が確認された場合、
それぞれ、県の天然記念物に指定されるようで、日本各地に点在します。
マンサクの種類は違いますが、ここ三ヶ日の隣、湖西市にも
トキワマンサク(常緑小高木)の自生地があり、同じく、県の天然記念物に
指定されています。

「ああ、これは変わった形をした花だ。うーん、珍しい」
と、話の種に見学する分には大いに結構なのですが、
正直言って、あまり、見栄えのする花ではありません。
さらに、庭木用にと自分の庭に植えようとすると、少々、問題が生じます。

もちろん、マンサクは園芸用(鉢植、庭植)として手に入れることも可能で、
栽培自体も特別な準備が要ることもありません。・・・と思います。
では、なにが問題かというと、その花の独特な『におい』です。
『におい』という漢字は『匂い』と『臭い』の二つあるわけなのですが
まさに、マンサクの花は『臭い』です。くさいです。
ただ、風向きのせいか、乎那の峯の現地では気にはなりませんでした。

においは嗜好性があり、人によっては香しい(かぐわしい)と感じるのかもしれませんが
よく、『魚の腐ったようなにおい』だとか、『ドクダミのにおい』と表現されるようです。
庭に植えるには、ちょっと抵抗があり、癒しどころかストレスの原因になりそうな木です。
(ドクダミは薬草のイメージがあり、そのためか、快いと感じる人が多いようです)

木が花を咲かせるということは、虫による受粉を期待してのことですが、
『まず咲く』が語源(彼岸花である『マンジュシャゲ』も同じ語源?)のように、
(他にマンサクの語源は、たくさんの花を咲かせることから付いたという説もあり)
マンサクの開花は2月〜3月中旬と早く、
受粉を可能にさせる虫=蝿(蝿には癒しの香り)をターゲットにしたおかげで
こんな、とんでもないにおいになったと言われます。
でも、2月はまだ、蝿だってじっとしていそうな時期にも思えるのですが?

話を戻しますが、『自生が珍しい』と言うことには、それなりの事情があるようです。
植物がそのテリトリーを拡大するには、種を遠くに運ぶ手段が必要です。
おいしい実がなれば、鳥や動物が食べ、離れたところで排泄し、そこで繁殖したり、
人にとっても利用価値があれば、人工的に繁殖されたりもします。
綿帽子やプロペラを付け風に乗ったり、くっつき虫になって動物に運んでもらったり、
それぞれの知恵で繁殖に挑戦しています。

おいしい実は付けない、利用価値はゼロ、おまけに、くさいとなれば、
他力本願は望めない。その結果、大々的に広がることなく、逆にそのおかげで、
天然記念物に指定される珍しい存在になってしまったようです。

ただマンサクも、手をこまねいてばかりいた訳ではなく、その木の実は、
ゲンノショウコなどと同じく、自力で種を飛ばす(はじく)構造になっています。
でも、結局、足を持たないマンサク、自力ではその程度までで、
いくらがんばっても、数メートルの縄張り拡大です。
結果として、他の植物に先を越されることになってしまいました。

↓その、くさいと言う噂のマンサクの花です。
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 マンサク(の花)は、千利休が好んだ茶花の一つです。その花の形は、確かに、
 良く言えば、『侘び』、『寂び』を連想させる、はかなさと言うか、弱々しさがあります。
 正直言って、梅や桜に比べれば、いかにも貧相。でも、青空をバックにすると、
↓ちょっとだけ映えます。(茶席での、あの、においの方は大丈夫?それが少し心配)
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 峯の山頂辺りから猪鼻湖を望みます。(三ヶ日インターのある方向)
↓天候に恵まれ、見事な湖面の青です。
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