【 カスタードクリーム 】
「洋菓子店の良し悪しはカスタードクリームで分かる」と言われるほど、店の味を判断する上で、
大きな基準になります。そのカスタードクリーム、多少の配合比率は、各店で微妙に変わりますが、
基本的に使われる材料は、皆さんにとっても、すぐ手に入る材料ばかりです。
では、どこで味の差が出るかと言うと、それは炊き方にあります。
その最も大きな要素は、練り上げ時間にあります。沸騰前から、ホイッパー(又は、木べら)で
鍋底が焦げないよう、かき混ぜていきますが、粘度が出始めたら、要注意!、目にもとまらぬ速さで
手を動かし始めます。気を抜くと、絶対に!、確実に!、焦げます。沸騰するまで、
よそ見、無駄話は禁止、鍋底から、沸騰の泡が上がって、ほっと一息、沸騰後は、
焦げる危険性は少なくなりますので、攪拌速度は落としても大丈夫です。
でも、おいしさは、ここからが肝心。
さらに、練り上げていくと、粘度は下がり、練る力も、沸騰する前ほど必要なくなります。
練り上げ完了は、目で確認しますが、だいたい、沸騰してから、10〜15分目安です。
(牛乳4本炊きの場合なので、量が少ない場合、もう少し短縮?)
店では、牛乳3〜6本を、銅の大鍋で、超強火で一気に炊き上げます。そのため、
夏場の作業は、まさに熾烈を極めます。全身、汗びっしょり、顔、練る腕は、湯気で真っ赤、
熱に対する忍耐と腕力(持久力を伴う)が要求されます。
◆ 基本配合
・牛乳 500cc
・卵黄 4個分
・砂糖 80g
・小麦粉 45g
◆ 手順
・卵黄と砂糖をよく、すり合わせ、更に小麦粉を混ぜ合わせます。
・熱くした(沸騰前)牛乳を加え、火にかけ、焦げないよう、かき混ぜながら練り上げます。
・沸騰してから、しばらく練りこみ、仕上がりです。
◆ 注意点
・たぶん、小麦粉の配合比率は、他店と比べ、かなり高く、焦がさないように練り上げるのには
苦労がいりますが、その分、しっかりしたクリームが出来上がります。
・バニラは、風味を生かすため、使用する前に加えます。(生クリーム等の混ぜ込みも、同じです)
・バター等を混ぜる店もあるようですが、あくまでも、上の配合(比率は別にして)が基本です。
余分なもので、ごまかすことなく、まずは基本で満足できるものを作ることです。
それさえ可能ならば、どんなパターンでもおいしさは、後から付いて来ます。